なぜ職場で孤立していると感じるか?
「職場に信頼できる人がいない」「常に疎外感があり、居場所がないと感じる…」このような悩みを抱える人は少なくありません。多くの時間を過ごす職場で孤立するのは、とてもつらいですよね。何とか改善したいと思っても、何をすればよいかわからないかもしれません。
職場で孤立するには、何かしらの要因があるもの。それに気づいて対処できれば、職場の孤立状態は解消されるかもしれません。ここでは、具体的な人間関係のこじれなどがなく、はっきりと要因がわからない場合に考えられる例として、ふたつ紹介します。
コミュニケーション不足
職場で孤立状態になる要因で多いのは、コミュニケーション不足が挙げられます。「仕事のことしか話さない」「業務の話で終わってしまう」という場合、もしかしたら周りから話しにくいと思われているかもしれません。何かをしてもらったり、助けてもらったりしたとき、きちんとお礼を伝えることができているでしょうか。
人との関係性をつくるには、他愛のない会話を楽しめるかどうかも時に影響します。会話が増えれば、職場での孤立状態も改善するかもしれません。天気など話しやすいことから話題を見つけ、自分から話しかけてみるのもよいでしょう。最初は勇気が要るかもしれませんが、毎日意識して会話していくと、何かが変わるかもしれません。
人と打ち解けるのに時間がかかる
人見知りで、自分から人と打ち解けるのに時間がかかるという人も、孤立状態を招きやすいかもしれません。打ち解けるには、相手がどのような人かを知ることが欠かせませんが、それがない状態だと、どうしても距離を置かれることにつながりやすくなります。
職場の孤立状態を改善したい場合は、少しずつ自分のことを話すのもいいですね。それが難しい場合は、笑顔を増やすよう意識するのもひとつ。言葉が少なくても笑顔でいると、相手も親しみを感じてくれるかもしれません。
職場で孤立することにメリットがある?
職場で孤立というと、ネガティブなイメージが先行しますが、実はメリットを感じるという人もいます。どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
気苦労が減る
職場で孤立すると、周りと一定の距離ができることになります。考え方によっては、派閥争いや人間関係のしがらみを避けることができ、それが快適に感じるということも。トラブルに巻き込まれにくく気苦労が減るため、精神的に楽になるかもしれません。
社内行事への参加を断れる
飲み会など、任意参加の社内行事を断りやすくなるということも挙げられるでしょう。その分、プライベートを充実させたり、趣味や新しい学びに時間を割いたりできるので、都合がいいという人もいるかもしれません。仕事とプライベートをきっちり分けたいと考える人にとっては、ストレス軽減にもなるでしょう。
業務に集中することができる
人間関係による影響を受けにくくなるため、業務に集中することができる場合もあるでしょう。仕事に真摯に取り組むことで、仕事の質を上げることができれば、それが評価につながります。仕事で信頼を得ることができれば、孤立状態も変化するかもしれません。
職場孤立のデメリットは?
当然デメリットもあります。もっとも多いのは、孤立していることでコミュニケーションが取りにくく、意思疎通や情報共有が難しくなることでしょう。こうなると仕事に影響が出る場合もあるため、そこは改善したいもの。
また、人によっては寂しさを感じながら仕事をすることになるのも、デメリットといえるかもしれません。疎外感を覚えながらひとりでがんばるというのは、気持ち的には大変なこと。自分に対して否定的になったり、ネガティブ思考から抜け出せなくなったりするかもしれません。
職場での孤立から抜け出す方法とは?
職場での孤立にメリットはあるものの、できれば孤立状態を解消したいと願う人も多いでしょう。状況によって対処法も変わるものの、ここではひとつの参考としたい方法を見ていきます。
挨拶だけはしっかりとする
職場での孤立状態は、突然始まったわけではないことが多いでしょう。何かしらの事象が積み重なり、今の状態になったはず。それを思うと、いきなり親しくなるのも難しいと考えられます。
職場での孤立状態を改善するには、小さなことを積み重ねていくことが大切。まずは簡単にできる挨拶から始めてみてはいかがでしょうか。
それ自体も、とても勇気が要るかもしれませんが、挨拶するのは一瞬のこと。挨拶できれば上出来と考え、一瞬だけ勇気を出して行動してみては。これを続けていけば、きっと何かが変わるかもしれません。
使う言葉を変えてみる
何かあったとき、すぐに「すみません」と言っていませんか? 「すみません」という言葉は、受け取り方によっては距離を感じるということも。あまりに連発すると、相手を申し訳ない気持ちにさせてしまう可能性もあります。
「すみません」と言ってしまうところを「ありがとうございます」や「こんにちは」に置き換えてみるというのもひとつ。どちらも親しみを感じさせる言葉なので、相手の反応も変わるかもしれません。その人がどんな言葉を使うかで、人の印象は変わります。同じ言葉を使うなら、相手や自分がポジティブな気持ちになる言葉を使いたいですね。
職場の孤立がどうしてもつらい場合は?
いろいろ工夫したけれど、どうしても職場の孤立状態が改善されず、つらく感じる場合はどうすればよいのでしょうか?
上司や先輩に相談する
思い切って上司や先輩に相談してみるのもひとつです。具体的なアドバイスをもらえ、それが改善の突破口になるということも。また、人に悩みを話すことができると、思っている以上に気持ちが晴れるかもしれません。ぜひ周りに力を貸してもらってください。
転職を考えるのもひとつ
上司や先輩に相談するのも難しいという場合は、転職を考えてみるという手も。職場が変われば上手くいくというケースは多々あるため、検討してみるのもよいでしょう。選考では転職理由を聞かれることが多いので、どのように答えるか、事前に専門家やエージェントの担当者に相談しておくことをおすすめします。
最後に
気がついたら職場で孤立状態になっていたという人は少なくないです。孤立しているのはつらいですが、デメリットばかりともいえません。孤立していることにばかり意識を向けるのではなく、メリットにも目を向けると、考え方や感じ方が変わる可能性もあります。現状を改善したい場合は、できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。
益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
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