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【目次】
そもそも慰労会の意味や目的とは?
慰労会とは、苦労や成果をねぎらう会のことです。主に、定年退職や異動などで職場を離れる人や、プロジェクトやイベント完遂をねぎらうために開かれます。
苦労や成果をねぎらう会
慰労会とは「慰」(なぐさめる・いたわる)と「労」(つとめる・ねぎらう)という二つの漢字から成り立っています。つまり慰労会とは、何かしらの苦労や成果を出した人をなぐさめたり、いたわったりするための会のことです。例えば、以下のような場合に慰労会が開かれるのが一般的です。
●長年勤め上げた人が定年退職する場合
●大きなプロジェクトや業務が無事に終了した場合
●海外出張から帰ってきた場合
慰労会では、主賓である人に対して、感謝や敬意を表すあいさつやスピーチを行ったり、記念品や花束といったプレゼントを贈呈したりします。また、主賓からも感想や今後の抱負などを拝聴できるため、参加者にとっても有意義な時間になるはずです。主賓との会話や参加者同士の交流など、挨拶以外の部分でよい刺激を受けられることもあります。
打ち上げや送別会との違い
慰労会は、打ち上げや送別会と似ているようでも違いがあります。一般的に慰労会は、主賓に対する敬意や感謝の気持ちを表現し、苦労や成果をねぎらうことが目的です。
一方で、打ち上げは、イベントやパーティーなどが終わった後に行う祝賀会です。携わったメンバー同士で、行事が滞りなく成功したことを祝う場になります。
送別会は、異動や退職などで会社を離れる人を送る会のこと。主賓を送り出すことが目的で、別れを惜しんだり、今までの思い出を語ったりします。
慰労会を準備する際のポイント
慰労会を開くには、事前に準備が必要です。どのように準備すればよいのかを解説します。
主賓の予定に合わせて開催日・会場を決める
慰労会を開催する際には、まず主賓の予定に合わせて開催日と会場を決めることが大切です。そのうえで、主催する目的から適切な時期を選びます。
●定年退職する人の場合は、退職日の前後に開催する
●大きなプロジェクトや業務が終了した場合は、終了後すぐに開催する
会場についても、主賓が移動しやすい場所や雰囲気のよい場所を選ぶ方がよいといえます。
●定年退職する人の場合は、ホテルやレストランなど格式のある場所
●大きなプロジェクトや業務が終了した場合は、居酒屋やカラオケなどのカジュアルな場所
必ずしも上記のように対応する必要はありませんが、場所選びに困ったら参考にしてみてください。参加者の人数や予算に応じて、案内状を用意したり、適切な規模や料理の種類を決めたりすることも重要です。
事前に当日の進行スケジュールを確認する
慰労会を行う会場では、2~3時間程度で時間制限を設けているのが基本です。慰労会を準備する際には、事前に当日の進行スケジュールを組みます。司会者がスムーズに進行できるよう、以下の点を確認しておきましょう。
●開始時間と終了時間
●あいさつやスピーチをする人と順番
●記念品や花束の贈呈方法
●余興やゲームなどの企画内容
●参加者名
当日は混乱しないよう、スピーチを行う人やプレゼントを渡す人などへの情報共有も忘れずに行うのが大切です。
慰労会の案内状の書き方
慰労会に参加してもらうためには、案内状を送る必要があります。案内状は、主賓用と参加者用の2パターンが必要です。適切な案内状の書き方を紹介します。
主賓宛の書き方
案内状は、主賓用と参加者用と分けて作成するのが基本です。主賓からは参加費を受け取らないため、参加費に関する案内は不要です。
案内状では慰労会を開くことと理由、日時と場所などを伝えます。主賓に対する感謝や敬意を表す文書であるため、ビジネスマナーや適切な言葉遣いを意識しましょう。
主賓宛の案内状の例文
〇〇部長
役職を全うされてのご退職、まことにお疲れ様でございます。
〇〇部長のご退職を惜しむとともに、ご健勝とご多幸をお祈りしております。
そこで、〇〇部長への感謝と敬意を表し、慰労会を開催する運びとなりました。以下が開催概要になります。
日時:2023年9月30日(土)18:00~20:00
場所:ホテル〇〇 3階 バンケットルーム
内容:あいさつ・スピーチ・記念品贈呈・食事・歓談
この慰労会では、〇〇部長からもごあいさつや、ご感想などをお聞かせいただければと存じます。
お忙しいとは存じますが、9月25日(月)までに出欠のご連絡をいただけますでしょうか。メールまたは電話でも問題ありません。
この慰労会が、〇〇部長への感謝と敬意の気持ちが伝わるような素晴らしい会になることを願っております。どうぞよろしくお願いいたします。
2023年9月11日(月)〇〇部〇〇課 担当:〇〇
参加者宛の書き方
参加者用の案内状は、主賓が誰であるかや、その理由・日時・場所と地図・参加費・・返答の締切日などを伝えます。また、参加者に対するお願いや注意事項・出欠連絡欄・返答の締切日・・参加者の名前記入欄を設けてもよいでしょう。
参加者宛の案内状の例文
〇〇部 各位
このたび、今月末で定年退職される〇〇部長への慰労会を開く運びとなりました。
皆さまもご存じの通り、〇〇部長は当社で長年活躍され、私たちにもさまざまなことを教えてくださいました。
そんな〇〇部長に感謝の気持ちを伝えるため、ぜひ慰労会に参加していただきたいと存じます。
慰労会の詳細は以下の通りです。
日時:2023年9月30日(土)18:00~20:00
場所:ホテル〇〇 3階 バンケットルーム
費用:1人5,000円(飲み放題付き)
内容:あいさつ・スピーチ・記念品贈呈・食事・歓談
慰労会では、〇〇部長に花束や記念品を渡す予定です。
もしも、皆さまからも何かプレゼントしたいということがあれば、私までご連絡ください。
また、スピーチや余興なども募集しています。気軽にお声がけください。
参加の可否は、9月25日(月)までに私宛にメールまたは電話でお知らせください。
よろしくお願いいたします。
2023年9月11日(月)〇〇部〇〇課 担当:〇〇
案内状で重要なのが、読み手の全員が記載事項を全て確認できるよう、箇条書きでわかりやすく記載することです。案内状を読む人の中には、業務が忙しく読み飛ばしてしまう人がいる可能性もあるため、端的に記載する方が親切です。
部署内であればメールでもOKな場合も
慰労会が部署内で行われるのであれば、メールで案内状を送ってもよい場合もあります。しかし、メールで送る場合でも、上記のように必要な内容はしっかりと記載しましょう。
また、敬語や丁寧語を使って文面を作り、メールの件名には「慰労会のご案内」と目を引くように明記します。なお、規模の大きな慰労会や外部の人を招く場合には、案内状を出した上で、メールで連絡する方が不達にも備えられます。
取引先など外部の人を招く場合
取引先をはじめとした外部の人を慰労会に招く場合、案内状を上司にチェックしてもらう方が賢明です。万が一、取引先との関係性を悪くしてしまうと、今後に影響が出る恐れがあります。
自分で見直しをしても、第三者目線のチェックで浮き彫りになるミスがあるかもしれないので、上司の確認作業を挟んでから送付しましょう。適切な文面・形式で、敬意ある案内状を送付できれば、会社の印象もよくなるといえます。
慰労会の司会・あいさつは誰にお願いする?
慰労会では、司会やあいさつをする人が必要です。誰にお願いすべきなのか、また、あいさつ・スピーチのポイントを紹介します。
司会は主賓の同僚・部下などが一般的
慰労会の司会は誰が行うべきなのか、明確な決まりはありません。しかし、主賓の同僚・部下や、主賓と親しい人などにお願いするのが一般的です。司会者は、以下のような役割を担います。
●開会のあいさつと慰労会の目的や流れを説明する
●あいさつやスピーチする人を紹介する
●記念品や花束の贈呈をつかさどる
●余興やゲームなどの企画を進行する
●終了のあいさつと感謝の言葉を述べる
司会者は、主賓に対して敬意や感謝の気持ちを伝えるとともに、参加者に対しても楽しんでもらえるように工夫する必要があります。また、事前に当日の進行スケジュールや、あいさつ・スピーチの内容などを確認しておくことも重要です。
役職の高い人があいさつをする
慰労会では、主賓以外にもあいさつ・スピーチを担当する人がいます。一般的に主賓と関係の深い人や、役職の高い人などが選ばれます。例えば、開会・乾杯・締めのあいさつは役職の高い人に、慰労される人へのスピーチは関わりの深い上司にお願いするケースなどです。もちろん開会から乾杯のあいさつまで、同じ人でも構いません。
また、あいさつする人は、事前に内容や時間などを打ち合わせしておくことが大切です。
締めのあいさつはシンプルに
締めのあいさつでは、会の雰囲気や余韻を壊さないようシンプルに短くまとめます。
●慰労会が無事終了したことを報告する
●主賓への感謝と敬意を再度表す
●参加者への感謝とお礼を述べる
●これからの活躍や健康を祈る
また、最後に全員での乾杯・拍手・手締めなどで終わらせるケースもあります。
司会・あいさつをするときのポイント
慰労会で司会やあいさつするときに、チェックしておくべき四つのポイントをまとめました。
●敬語や丁寧語を使って話す
●ハキハキとシンプルな言葉遣いで話す
●マイナスイメージのある言葉は使わない
●読み上げるだけでなく自分の言葉で話す
慰労会は主賓が主役のイベントです。場をしらけさせないよう、ネガティブな言葉は使わず、端的な言葉でまとめることが重要です。
慰労会にはどんな服装で参加するべき?
慰労会に参加するときは、開催場所に適した服装にすることが重要です。服装の選び方を紹介します。
開催場所に適した服装にする
慰労会に参加するときには、TPO(時間・場所・場面)を意識した服装にするのが大切です。
開催場所が格式の高い場所であればフォーマルな服装に、カジュアルな場所であれば、普段着よりもきちんとしている印象があるスマートカジュアルな服装にします。また、靴やバッグなどの小物もTPOに合わせて選びましょう。開催場所と服装の一例は以下の通りです。
●ホテルやレストランなどの格式ある場所:スーツやドレス、ワンピースなどのフォーマルな服装
●居酒屋やカラオケなどのカジュアルな場所:ジャケットやシャツ・ワンピース・パンツドレスなどのきれいめな服装
幹事は、主賓・参加者に事前にドレスコードを指定してあげると親切です。
慰労会で用意したいおすすめプレゼント
慰労会では、主賓にプレゼントを贈るのが一般的です。プレゼントは、主賓の苦労や成果をたたえるとともに、感謝や思い出を伝えるものでもあります。性別にかかわらず、相手の好みや状況を考慮して選びましょう。
男性へのプレゼント
男性へのプレゼントは、以下のようなものが挙げられます。
●名刺入れ・ボールペン・ネクタイなど名入れできるもの
●ワインや日本酒などのお酒
●ゴルフ用品や釣り用品など趣味に関連したもの
プレゼントを選ぶときには、ジャンルを絞った上で主賓の趣味・好みを考えるのがおすすめです。
女性へのプレゼント
女性へのプレゼントは、以下のようなものが挙げられます。
●ストールやブローチなどのファッションアイテム
●コーヒーや紅茶などの飲みもの
●アロマオイルやキャンドルなどの癒やしグッズ
●エステ券やマッサージ券などの美容関連のもの
日頃のストレスをケアできるような、癒やし系・美容系のプレゼントが喜ばれやすいでしょう。見た目のかわいらしさや、目を引くようなパッケージであるかどうかも重要なポイントです。
性別を問わないプレゼント
性別を問わないプレゼントは、以下のような利便性に富んだものがおすすめです。
●自分で好きなものを選べるカタログギフト
●ギフトカードや商品券など
性別・趣味・好みにかかわらず、主賓が自分で欲しいものを選べます。主賓の好みなどがわからない場合には、広く使えるものを選びましょう。
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