朱書きとはどんなもの?
ハガキや封筒を受け取ると、「親展」や「速達」と記されていることがあります。これを見ると、郵便の内容や緊急度、重要度がひと目で把握できますよね。しかし、自分で朱書きをすることになったら、どう記せばよいかわからないということはありませんか?
朱書きは、赤い文字で書けば何でもよいというわけではありません。定められた方法を把握しておき、適切に使えるようにしましょう。
朱書きとは、ハガキや封筒に書かれた赤い文字のこと
朱書きの正しい読み方は、「しゅがき」もしくは「しゅしょ」。ハガキや封筒に記された赤い文字の印のことを指します。受取人は朱書きを見て、何が入っているのか、緊急に対応する必要があるかどうか、自分が開封してよいかどうかを判断するのが一般的です。
年賀状の「年賀」も朱書き
年賀状にも朱書きがされているのを知っていますか? 年賀ハガキの表にある、切手を貼る場所の下に「年賀」と書かれているのが、朱書きです。この朱書きは、通常のハガキと年賀ハガキを区別するためのもの。12月の初旬に年賀ハガキを投函しても、お正月に配達されるのは、この朱書きがあるからです。
意外と知らない朱書きの決まりごと
朱書きを自分で記す際、赤いペンなどで書いておけばOKと思われがちですが、実は一定の決まりごとがあります。ここからは、どのように朱書きを記せばよいか、見ていきましょう。
赤文字で書き、四角く囲む
「朱書きは赤文字で記す」、これは把握している人が多いでしょう。せっかく記した朱書きが消えないよう、ペンを使うのがいいですね。ペンの種類は問いませんが、目立つように記すのであれば、サインペンやマジック、油性ペンなどがおすすめです。
ただし、サインペンやマジックは、中の書類までインクがにじんでしまうということも。ペンで朱書きを記す場合は、事前に試し書きをしておくと安心です。また、雨や雪で濡れることを想定し、油性ペンを使うのも一つです。
朱書きを記したら、文字を四角く囲んでください。フリーハンドではなく、定規などを使い、まっすぐな線で囲むようにします。四角く囲む線も、赤色にしてくださいね。
朱書きは、油性ペンを使って表面に書く
朱書きを記す場所も把握しておきましょう。基本的には、受取人の住所や名前を書く表面に記します。住所や名前を縦書きにするなら「左下」、横書きであれば「右下」に記すのが一般的です。
文字のバランスに注意
朱書きと、宛名の文字のバランスも意識しましょう。朱書きを目立たせるために、宛名よりも太く大きく書くのはNG。宛名がわかりにくくなってしまいます。とはいえ小さすぎると、目に入りにくいかもしれません。全体のバランスを確認し、朱書きを記すようにしてください。
スタンプを使うのもOK
100円ショップや文具店で売られている、スタンプを使うのも一つです。よく朱書きをする人は、スタンプを使うと手間を省くことができます。いろいろな朱書きのスタンプがありますので、検討してみるのもよいでしょう。
朱書きによくある「在中」と「親展」
就職活動で履歴書や職務経歴書を送る際、「履歴書在中」「職務経歴書在中」と朱書きをしたことはありませんか? 請求書や見積書などを送付する際にも「在中」と記します。
ここからは、よく見かける朱書きの意味をチェックしていきましょう。
「在中」は、中身について伝える役割
「在中」は、どのような内容物なのかを示す際に用います。たとえば、履歴書を送る場合は「履歴書在中」のように記しておけば、受取人がひと目で内容物を把握することができます。
履歴書の部分は、「申込書」「請求書」「契約書」「職務経歴書」など、明確な書類の種類を記せばOK。書類名を明確にしない方がよい場合は、「重要書類」としておきましょう。
ただし、求職活動で志望する企業に書類を送る場合は、書類についての朱書きすることをおすすめします。履歴書などは、到着期限が定められていることがほとんど。他の郵便物にまぎれることを防ぐためにも、朱書きをしておきましょう。
「親展」の開封は本人のみ
「親展」もよく見かける朱書きの一つ。実は「親展」は、とても重要な意味を持つ朱書き。取り扱いには注意が必要です。
「親展」という文言には、「宛名の人のみが開封できる」という意味があります。健康診断結果表や、何かしらの契約に関する情報など、個人的な情報が記載されているものは、「親展」と明確に記して送付されています。
「親展」と記された郵便物なのに、宛名以外の人が開封してしまった場合、法律違反になることも。状況によっては起訴される可能性も十分にあり得るため、注意してください。家族であっても、勝手に開封するのはNG。うっかり開封することがないよう、封筒の表面をよく確認するようにしましょう。
文字の訂正をするのも、朱書き
書類や文書を作成する際、訂正の必要が生じると、二重線を引くことがありますよね。実はこれも朱書きの一つ。ここからは、もう一つの朱書きについて紹介します。
二重線で訂正
文字を修正する際、赤色で二重線を引くように指示されることがありますが、これも朱書きです。重要な書類や公的な書類に多いパターンですが、訂正前の文字がわかるよう、赤色で二重線を引き、作成者の印鑑を押すことが多いでしょう。
なお、黒字で二重線を引き、押印するというパターンもあります。どのように訂正するかは、書類の提出先が定めていますので、それに沿うようにしましょう。
書類や文書によっては、修正ペンで消すのはNG
朱書きで訂正の指示がある場合、修正ペンや修正テープを使うのはNG。修正ペンなどを使ってしまうと、その書類は受理されないことがほとんどです。訂正の方法について指示がある場合は、必ずそれに従うようにしてください。
最後に
朱書きを目にしたことがある人はとても多いと思いますが、詳しい内容については意外と知られていないかもしれません。自分で朱書きを記す際は、記す場所などを把握し、適切に表記するようにしてください。
朱書きにはさまざまなものがありますが、特に注意したいのが「親展」です。家族であっても、宛名以外の人が勝手に開封するのはNG。誤って開封してしまったら、即座に謝罪し、適切に対応するようにしてください。
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