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2023.12.02

「先んずれば人を制す」はどう使う?|意味や由来、例文、類語

 

「先んずれば人を制す」とは、自分が先手を取ることで有利な立場に立てることを意味する言葉です。今回は、先んずれば人を制すの詳しい意味や由来、漢文・四字熟語、例文を簡単にご紹介します。あわせて、類語・言い換え表現や対義語表現などもぜひ参考にしてください。

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「先んずれば人を制す」とは?基礎知識を解説

「先んずれば人を制す」とは、何事でも先手を取ることで有利な立場に立てることを指す言葉です。読み方は〈さきんずればひとをせいす〉で、「先んずれば即ち(すなわち)人を制す」と表現する場合もあります。

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はじめに、先んずれば人を制すの詳しい意味や言葉の由来、関連する漢文・四字熟語、使い方・例文をそれぞれ確認しましょう。

■意味は先におこなえば有利な立場に立てること

【先(さき)んずれば人を制す】
《「史記」項羽本紀から》他人よりも先に事を行えば、有利な立場に立てる。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

先んずれば人を制すとは、「他人よりも先んじておこなうことで、相手よりも有利な立場に立てる」と意味することわざです。先手を取れば相手を庄倒でき、物事の成功につながるのだと表現しています。

先んずれば人を制すは、「相手よりも有利になりたいならば、一足早く行動すべきだ」という教えで、「先手必勝」のように意気込みを表現する場合などに使えます。とはいえ、実際には先手を取らずに後出しをしたことで有利になるケースもあるでしょう。

■先んずれば人を制すの由来・語源

先んずれば人を制すの由来・語源となったのは、古代中国の歴史書である「史記・項羽本紀」です。

秦の始皇帝が亡くなり、二世皇帝の元年七月に江西の人々が反乱を起こしました。会稽郡の長官であった殷通〈いんとう〉は、項梁〈こうりょう〉に対して「先手を取るために挙兵して、都へ攻め入ろう」と思っていることを伝えます。

このときに殷通が伝えた「先んずれば即ち人を制し、後るれば則ち人の制せらるる所と為る」という言葉が、先んずれば人を制すの由来だといわれています。

■先んずれば人を制すの漢文・四字熟語

先んずれば人を制すのもととなった漢文は、「吾聞先即制人,後則為人所制。」です。この読み下し文は、以下のとおりです。

「吾れ聞く、先んずれば即ち人を制し、後るれば則ち人の制せらるる所と為ると。」つまり、「吾はこのように聞いている。先んずれば人を制し、後るれば人に制せられる所となると。」と伝えています。

「先即制人(せんそくせいじん)」を訓読みしたものが「先んずれば人を制す」です。先即制人は、四字熟語としても使われています。

なお、先手を取ろうとした殷通ですが、実際には項梁にだまし討ちの形で先手を取られ、敗れてしまいました。

■先んずれば人を制すの使い方・例文

それでは、先んずれば人を制すの使い方を、簡単な例文でチェックしていきましょう。

・「先んずれば人を制す」だよ。頑張ってね。

・先んずれば人を制すから、周りよりも早く取り組めるようにいつも新しい情報を仕入れている。

・まだ受験勉強を始めていないの?先んずれば人を制す、早く始めないと。

 

先んずれば人を制すは、ビジネスや勉強、スポーツなどの幅広いシーンで使えます。

実際、ビジネスシーンにおいても、周りよりも先んずることで有利になる場合があります。先んじて新製品の開発などをおこなうことで、地盤を築けたりしっかりと情報を入手しておけたりするなど、準備が万端になって有利に進めやすくなるのです。

先んずれば人を制すの類語・言い換えと対義語表現

先んずれば人を制すの類語・言い換え表現と対義語表現の例は、以下のとおりです。

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〈先んずれば人を制すの類語・言い換え表現〉

・先手必勝

・機先を制す

〈先んずれば人を制すの対義語表現〉

・急いては事を仕損じる

 

ことわざ・格言には、似たような意味のものもあれば、真逆の意味を持つ表現もあります。それでは、類語・言い換え表現と対義語表現、先んずれば人を制すのように真逆の意味を持つ表現のあることわざ・格言を解説します。

■類語・言い換え表現

先んずれば人を制すの類語・言い換え表現の例は、以下のとおりです。

・先手必勝〈せんてひっしょう〉

・機先を制す〈きせんをせいす〉

・先手は万手〈せんてはまんて〉

・先手を取る〈せんてをとる〉

・早いが勝ち〈はやいがかち〉

 

「先手必勝」とは、「相手の先手を取ることで、立場が有利になって勝ちに結びつくこと」を指します。相手の出方を待たず先に攻めたほうが良いのだという教えです。

「機先を制す」も、敵より一歩はやく手を打ち、先に機運をつかむことが大切だと教えています。

■対義語表現

先んずれば人を制すの対義語表現の例は、以下のとおりです。

・急いては事を仕損じる〈せいてはことをしそんじる〉

・早く実れば早く腐る〈はやくみのればはやくくさる〉

 

「急いては事を仕損じる」とは、「あまり焦っていると、かえって失敗しやすい」ことを意味します。急いでしたことが無駄になってしまわないように、急ぐときこそ冷静な行動が大切であると戒めています。急いては事を仕損じるの読み方は、〈せいてはことをしそんじる〉です。

■ことわざ・格言には真逆のものが複数ある

このように、「先んずれば人を制す」ということわざには、「急いては事を仕損じる」という真逆の意味の表現があります。また、たとえば「寄らば大樹の陰」には、「大樹の下に美草なし」という真逆のことわざ・格言があるのです。

真理を言い当てているはずのことわざ・格言であるものの、それは一面のみの正しさだけしか伝えられていません。ことわざ・格言に真逆のものが複数あるように、真理も一方だけが正しいわけではないことを理解しておくと良いでしょう。

先んずれば人を制すという言葉の意味を理解しよう

先んずれば人を制すとは、「他人よりも先んじることで、相手よりも有利な立場に立てる」ということわざです。ビジネスや勉強、スポーツなどの幅広いシーンで使えます。

古代中国の歴史書である「史記・項羽本紀」が、先んずれば人を制すの由来・語源となりました。そのなかの漢文の一部である先即制人は、四字熟語として使われています。

先んずれば人を制すの類語・言い換え表現は、先手必勝や機先を制す、先手は万手などです。また、急いては事を仕損じるなどの対義語表現もあります。

言葉の表す意味や由来、使い方・例文、類語などを確認し、正しく理解できるようになりましょう。

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