feelingとfeelingsの違い
feelingとfeelingsは一文字の違いしかありませんが、言葉の意味が変わります。
複数形のfeelingsになると、主体的な気持ちを表しながらも第三者からの影響を受けます。「I have feelings for her.(私は彼女が好きです)」のように、人やものに対する態度・思いを表したいときに使用する言葉です。
一方で「a」を付けると、「I have a feeling.(○○な予感がする)」のように表現できます。同じ単語のように思えても意味が全く変わってしまうので、使用法を間違えないよう注意が必要です。
フィーリングと似た意味の言葉
フィーリングと近い意味の言葉も知っておくと、より意味や使い方への理解が深まります。その場にふさわしい言葉を選び、自分の気持ちをうまく伝えることが大切です。
フィーリングと近い意味を持つ言葉を紹介します。
印象
印象は「人の心に強く刻まれる感じ」という意味がある言葉です。フィーリングが合う人は、よい印象を抱ける人と言い換えられます。対象が与える影響や、効果を測る際などに使用します。
【例文】
・謝罪しに行くのに、カジュアルな服装では印象がよくないだろう
・特に印象に残らないプレゼンだった
・少しでも印象をよくするため、自分に似合うメイクを研究した
・今年のクリスマスは、何か印象的な贈りものをしたい
印象とフィーリングはどちらも、対象から受けるイメージですが、フィーリングの方がより直感的なものと考えられます。
雰囲気
雰囲気(ふんいき)は、ある場所や人によって作られる空気感を指す言葉です。
「雰」には大気・気分・気配などの意味があります。「ふいんき」と誤読することがあるので、漢字とセットで覚えましょう。
【例文】
・この店の雰囲気はランチミーティングに向いている
・外看板は明るい配色で統一され、にぎやかなまちの雰囲気とよくマッチしていた
・終始、和やかな雰囲気で会食を終えた
人との関係性や景色などを評価する際に使用します。雰囲気はその場にいる人の関係をよくさせる場合もあれば、悪くさせる場合も。また、交渉・商談・お願いなどを成功させたいときに重要です。
バイブス
バイブスはその場のノリや気合いの上がり下がり、口にしなくても伝わってくる気持ちや雰囲気などの意味があります。
元は、ヒップホップ系の音楽用語の一種として使われていた若者言葉です。
語源となる英語は、「vibration」を略した「vibe」の複数形「vibes」です。振動という意味が転じて、気持ちの揺れ動きを表す言葉として使われるようになったとされています。
【例文】
・10年来の親友である彼女とは、当然のようにバイブスが合う
・暗い顔をしていないで、バイブスを上げていこう
・エネルギッシュな彼の近くにいるだけで、バイブスが上がった
若者の間で使われる俗語の一種であるため、時と場所を考えて使うようにしましょう。
ビジネスでもフィーリングは大切?
フィーリングはビジネスシーンでも大切にされることがあります。どのようなケースで重視されるのか、また注意したい点などを解説します。
大切なシーンもある
ビジネスではその場の直感ではなく、綿密に計画を練って、どのようにすれば利益が出るのかを考えることが基本です。しかし、フィーリングが合うかが重要なシーンもあります。
たとえば、仕事を誰に依頼するか考えたり一緒に働く相手を選んだりするとき、経歴や経験以上に、フィーリングが合うかどうかで判断をするケースもあるのです。
さまざまな要素を検討した中で、最終的な判断基準の一つとして「この人と一緒に仕事をしたら、うまくいきそう」という直感の元に行動した結果、うまくいったという例は少なくありません。
フィーリングに頼りすぎるのはNG
フィーリングは直感的な感じ方なので、頼りすぎるのもあまりよいとはいえません。「何となくよさそう」と感じたもの全てが、うまくいくとはいえないからです。
たとえば、人材を採用するときに「ほかの候補者に比べて、感じがよいから」という理由だけでは、失敗する原因にもなり得ます。仕事で必要なスキルを身に付けているか、給与などの希望条件が合っているかなども重要です。
また、ビジネスシーンで相手と交渉したりコミュニケーションを取ったりする際に、フィーリングだけで自分の考えを理解してもらおうと考えないことも大切といえます。
スムーズに仕事を進めるには、漠然とした気持ちだけでなく誰にでも分かる具体的な表現でしっかりと説明し、行き違いが起きないようにすることがポイントです。
フィーリング・グッド効果という手法も
アメリカの心理学者ジャニスによる実験で「フィーリング・グッド効果」というものがあるとされており、ビジネスシーンにも活用されています。
フィーリング・グッド効果は、よい雰囲気の中にいるときや食事をしているとき、人の気が緩みやすくなる効果を利用して、説得をしやすくしようとするものです。
商談で相手に出されたお茶やお菓子などを飲食すると、自分に不利な条件でも飲み込みやすくなる可能性があります。
とはいえ、商談中に食事をするのは悪いことばかりではありません。一緒に食事をして親睦が深まれば、人間関係によい変化をもたらします。
たとえば「パワーブレックファスト」「パワーランチ」などが有名です。よい雰囲気の中で食事をしながら話し合うことで、スムーズに仕事を進める効果が期待できます。
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