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2024.02.12

【灯台下暗し】とは? 言葉の意味や由来、類義語、対義語まで徹底解説【教員監修】

 

灯台下暗しとは、身近な状況はかえって気づきにくいということのたとえとして使われる言葉です。この言葉は、知っているようで意外と知られていない面白い背景を持っています。本記事ではこの言葉の真の意味とその歴史を掘り下げ、私たちの生活にどのように活用できるかを紹介します。

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灯台下暗しとは

日常生活やビジネスシーンで、「灯台下暗し(とうだいもとくらし)」という言葉を耳にしたことはありますか? この言葉は、意外なことに「身近なものほど見落としがち」という意味を持っています。これは仕事やプライベートにおいて、しばしば起こる現象ですね。

この記事では、この「灯台下暗し」の言葉の由来から、使い方、類語着・対義語まで解説していきます。

灯台下暗しの由来

ここで使われている「灯台」は、旧字体を使って「燈台」と書くこともあります。灯台は皆さんが想像する、岬に立つ船を誘導する灯台ではなく、昔の室内照明器具を指します。上に灯心を立てた油皿をのせて火を灯す台のことで、その真下は暗い、ということから生まれた言葉です。もちろん岬に立つ灯台の真下も暗いのですが、ここでいう灯台とは違いますので気を付けたいですね。

7本の蝋燭

(c)Adobe Stock

灯台下暗しの使い方

灯台下暗しという言葉は、日常生活やビジネスシーンで様々な形で使われます。ここでは、その使い方を具体的な例文をあげて説明します。

1:この問題、解決策は灯台下暗しでしたね。チーム内にすでに答えがありました。

これは解決策がチーム内に既に存在していたという事実に気づく様子を表しています。この例文は、自分たちの周囲にある未活用のリソースや潜在的な能力に気づくきっかけとなります。

2:ダイエットには近所のウォーキングが一番効果的だったなんて、灯台下暗しだった。

ここでは、新しいトレンドや方法に注目しがちな個人のダイエットの目標において、身近で簡単に利用できる選択肢が最も効果的だったという状況を描いています。この例文は、日々の生活の中でより単純で、アクセスしやすい解決策があることに気づくことを示唆しています。

3:文化祭で保護者が出店するお菓子屋。まさに灯台下暗し、私の料理スキルが役立つとは。

ここでは、自分の経験や能力が、身近なコミュニティや家族の活動にどのように役立つかを認識していない状況を表しています。この例文は、自分の持つ能力や経験の価値を再評価し、それを活用する方法を見出すきっかけになりますね。

料理する女性

(c)Adobe Stock

灯台下暗しの類義語

「灯台下暗し」と似たような意味をもつ言葉にはどんなものがあるのか、紹介します。

傍目八目(おかめはちもく)

「岡目八目」とも書きます。当事者よりもそれを傍で見ている第三者の方が、事の本質や真実が明らかに見えることを表す言葉です。囲碁で対局者よりわきで見ている人の方が勝敗に対して冷静でいられるので、八目先まで手が読めるということに由来する言葉です。

「傍目」は人のしていることをわきから見ること、「八目」の「目」は碁盤の目を意味します。以下に例文をあげます。

(例文)
1:恋愛の悩みを相談したら、友達がすぐに答えを出したよ。やっぱり傍目八目だね。
2:プロジェクトの方針で迷っていたけど、傍目八目で部外者の意見が一番的を射ていた。
3:兄弟喧嘩の原因、まさに傍目八目で実は母が一番よく理解していた。

他人の正目(たにんのまさめ)

他人の正目とは、他人が自分のことをより客観的に、正確に見ることができるという意味です。この言葉は、「傍目八目」と同様に、第三者の視点が当事者よりも事の本質を捉えることができることを指します。以下に例文をあげます。

(例文)
1:自己分析では気づかなかった長所を、友達が指摘してくれた。やはり他人の正目だ。
2:チームの問題点を上司がすぐに見抜いたね。他人の正目って本当に大事だ。
3:進路について悩んでいたけど、先生の一言が決め手になった。他人の正目はありがたい。

秘事は睫(ひじはまつげ)

秘め事というものは自分のまつげと同じように案外ごく手近なところにあるもので、気づかないだけである、つまり、「自分の近くにあるものは案外気づかないものだ」という意味の慣用句です。以下に例文をあげます。

(例文)
1:絵を描くのが得意だと思っていなかったけど、秘事は睫で、周りからの評価は高い。
2:自分の進路について悩んでいたけれど、秘事は睫で、友人の指摘が目から鱗だった。
3:計画の問題点を新メンバーがすぐに見つけてくれた。秘事は睫とはこのことだ。

灯台下暗しの対義語

ここまで、「灯台下暗し」と同じような意味を持つ言葉を紹介してきましたが、反対の意味を持つ言葉にはどんなものがあるのか、紹介します。

ピンクのスニーカー

(c)Adobe Stock

木を見て森を見ず(きをみてもりをみず)

木を見て森を見ず」とは、小さな部分には注意を払うが、全体像を見落としてしまう状況を指します。以下に例文をあげます。

(例文)
1:毎日の売上にこだわり、会社の将来を見失った。まさに「木を見て森を見ず」だ。
2:「木を見て森を見ず」で、レポートの文法ばかり直し、主旨を見落とした。
3:環境データに囚われ、全体の保護目標を忘れた。「木を見て森を見ず」の典型だ。

鹿を追う者は山を見ず(しかをおうものはやまをみず)

「鹿を追う者は山を見ず」とは、目の前の目標や興味に夢中になって、大事なことや周囲の状況を見落としてしまう状況を表します。特に利益を追うことに熱中して他を顧みなくなることや、大きな利益を追い求める者は小さな利益などは問題にしないということのたとえとして使われます。以下に例文をあげます。

(例文)
1:彼は昇進に夢中で家族との時間を犠牲にしている。まさに「鹿を追う者は山を見ず」だ。
2:試験勉強に集中しすぎて健康を害した。これが「鹿を追う者は山を見ず」の結果だ。
3:「鹿を追う者は山を見ず」で、新製品の開発に熱中し、市場の変化に気付かなかった。

最後に

「灯台下暗し」という言葉は、私たちが日々の生活やビジネスシーンで見落としがちな価値や機会に気づく手がかりとなります。この言葉を意識しながら、身近な価値や機会に目を向けてみたら、仕事でもプライベートでも新たな発見や成長の機会を見つけることができるかもしれませんよ。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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執筆

武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。

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