チュートリアルとは?ビジネスでの意味も
カタカナ表記の「チュートリアル」は、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。英語の意味を踏まえながら、ビジネスでの使われ方を解説します。
個別指導などを意味する外来語
チュートリアルは、個人指導などの意味を持つ英単語「tutorial」をもとにした外来語です。tutorialの日本語訳は個人指導・操作解説・指導書などで、新しいことを始める際のサポートのような意味合いがあります。カタカナ表記の「チュートリアル」も意味はそれほど変わらず、個別指導や指導書を表す言葉です。
チュートリアルはゲームの世界でも取り入れられています。初めてゲームをする際、画面の指示に沿って基本的な操作を確認した経験がある人は多いのではないでしょうか。実際に操作しながらゲームの遊び方を学べる解説動画も、チュートリアルと呼ばれます。初心者でもゲームの世界観に入れるように、チュートリアルを導入してサポートしているのです。
ビジネスでは簡易的な説明書を示す場合も
ビジネスシーンで使われるチュートリアルは、製品・ソフトウェア・サービスの使い方を示す説明書・解説書・教材を指すケースがほとんどです。ひと口に説明書や教材といっても、冊子からPC・スマホを使うソフトウェアまで、さまざまな形態があります。
現在は紙・プラスチックの利用を減らす動きもあり、アプリケーションや二次元バーコードなどに説明書を組み込むパターンも増えてきました。組み込み型の説明書は、PC・スマホ上での指示に沿って基本的な操作を身につけられます。個人を対象にしたシステムなので、「個別指導」の意味を持つチュートリアルと呼ばれています。
チュートリアルの使い方を例文でチェック
ビジネス用語は使い方・使う場面を間違えてしまうと、印象を下げてしまうこともあり得ます。例文の意味を踏まえて、チュートリアルという言葉の使い方を確認しましょう。
「チュートリアル動画が公開されている」
例文の「チュートリアル動画」とは、商品・ソフトウェアなどの使い方を説明した動画を指しています。これらの動画はDVDなどにまとめられ、製品に付属しているケースが一般的です。
一方で製品・ソフトウェア・サービスによっては、インターネット上で、初心者向けに使い方を解説した動画が公開されている場合があります。もちろん、このようなケースもチュートリアルの一種です。そのためインターネット上の説明動画を示す際に、「チュートリアル動画が公開されていたので、使い方を理解できた」と表現する場合もあります。
「チュートリアルを映像に組み込む」
この場合のチュートリアルは、初心者向けに手順や注意点などをまとめた解説です。会社の新人研修などでは、チュートリアルを組み込んだ映像が教材として使われるケースも少なくありません。
例えばトラブルへの対処法を示す際、複数のパターンを分かりやすく説明するのは困難です。しかし、実際に起こりうる場面を映像にすると、言葉の説明を聞くよりも理解しやすい傾向にあります。上司や先輩から「チュートリアルを組み込んだ映像を作成するように」といわれたら、初心者や新人向けの解説を入れてほしいという意味合いのことが多いでしょう。
チュートリアルに似た用語
個人指導を意味するチュートリアルには、似ている用語が存在します。言葉の雰囲気は似ていても、意味は少し異なる点に注意が必要です。チュートリアルとの違いを踏まえながら、それぞれの用語が持つ意味を解説します。
マニュアル
マニュアルはチュートリアルと同じように、「説明書」の意味を持つ言葉です。ただ、説明書の意味合いは同じでも、対象や内容にはやや違いがあります。基本的な操作や知識を解説したチュートリアルは、初心者を対象にした入門書のような位置づけです。一般的な初心者に必要な情報を幅広くまとめているので、詳細な情報までは説明されていないケースも多いものです。
一方でマニュアルには、チュートリアルよりも詳しい操作の手順や、応用的な使い方なども含まれています。初心者以外の人も対象にした取扱説明書で、その都度知りたい必要な情報を確認できます。
レクチャー
教える場面で使われる「レクチャー」も、チュートリアルと似た用語です。レクチャーには、口頭で詳しく説明する「講義」といった意味があります。
「個人指導」の意味からも分かるとおり、チュートリアルが使えるのは1対1や、少人数に基本的な手順を教える場面で使われます。対する「レクチャー」は、個別指導・少人数指導から大人数を相手にした授業・講座まで幅広いシーンで、詳細に解説したり講義したりすることを表す言葉です。
チューター
チューターは、学生や新人などに対して個別指導を行う人を指した言葉です。14世紀ごろ、イギリスのオックスフォード大学などが取り入れたのがきっかけで、チューターという言葉が広がったといわれています。
会社では、新入社員・若手社員を指導する人が「チューター」に該当します。チューターと似た言葉にメンターがありますが、目的が異なる点に注意が必要です。
学問や業務上の指導を目的とするチューターに対し、メンターは仕事・プライベートの悩みや相談に乗ることを重視します。チューターよりも距離が近く、担当の新人と信頼関係を築きながらキャリアアップを支えるのが一般的です。
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