おこがましいとは?
なかなか会話で飛び出ることは少ないですが、どこかで目にしたり耳にしたりしたことのある人は多いのではないでしょうか? 「おこがましい」は、あまりよいイメージを抱かれません。
本記事では、そんな「おこがましい」の意味や使い方、使うときの注意点などについて、一緒に見ていきましょう。
「おこがましい」の意味
「おこがましい」とは、「身の程をわきまえず、差し出がましいさま」や「ばかげていること」というニュアンスを持つ言葉です。やはり、ネガティブなニュアンスが強いといえるでしょう。
したがって、目上の人など敬意を払うべき相手に対しては使わない表現です。誤って使ってしまうと、失礼だと思われてしまいます。
「おこがましい」の使い方を紹介!
続いて、「おこがましい」の使い方について、例文を用いて紹介します。ぜひ、生活のなかで応用してみてください。
1:「大変おこがましいこととは思いますが、ひとつ意見を述べさせていただきます」
基本的に「おこがましい」は相手を目の前にし、相手に向けて使うべきではありません。多くは、「(自分が)おこがましい(ことをしている)とは思いますが」という使い方をします。
自分がへりくだる表現をすることで、相手への敬意を高める表現です。目上の人に、自分から提案したり意見するのはなかなかハードルが高いもの。「なんて上から目線で生意気なんだ!」と反感をかってしまうかもしれません。そんなときに「おこがましい」が使えます。
2:「さんざん都合よく扱ってきて、自分の立場が悪くなったからと急にすり寄ってくるなんて、おこがましいと思わないのだろうか? 」
自分勝手に振舞って、そのツケが回ってきたら急に態度を変える人っているもの。いままで自分がしてきたことをなかったかのようにして、自分の体裁を守ろうとする人は滑稽に見えます。加えて、そんな態度は他者を軽んじているとも捉えられるでしょう。
3:「なんておこがましい態度を取ってしまったのだろうと過去の自分を振り返り、猛省する」
自分の心の声として「おこがましい」と自分を評価する場合もあります。「猛省」は、「もうせい」と読みますが、「すごく反省すること」という意味の言葉です。
知識や経験が少なかった若いころや多感な時期は、両親や教師などに対して反発してしまいがち。大人になって振り返ると、自分の未熟な立場を鑑みずに猪突猛進だった態度を「おこがましい」と苦笑いしたくなる人も少なくないのではないでしょうか。
「おこがましい」を使うときの注意点
ここまでは、「おこがましい」の意味や使い方についておさらいも兼ねて紹介してきました。続いては、「おこがましい」を使うときの注意点について紹介します。自分が思ってもいないところでトラブルに発展しないように、気を付けましょう。
基本的に相手に対して使わない
繰り返しになりますが、面と向かって相手に使うことは控えたほうがベター。だからといってこっそり陰口を言うこともよいとは言えませんが、少なくとも相手に伝わるような状況では口にしない方が賢明でしょう。
「おこがましいですよ」なんて言ったら、「そんなことを言うあなたのほうがおこがましいですよ!」となりかねません。
嫌味にならないように気を付ける
自分に対して「おこがましい」と使う場合でも、むやみやたらに使うのは控えましょう。かえって嫌味のように聞こえてしまうことがあるからです。目安としては、一度のやり取りで一回使うか使わないかくらいで十分。
自分や相手を下げる言葉ではなく、ポジティブな表現で敬意を伝えましょう。
「おこがましい」の類語表現
最後に、「おこがましい」の類語表現について紹介します。自分がへりくだる場合でも「おこがましい」を連発して使うと「くどい」と思われたり嫌味に思われたりする可能性も。しかし、それでも気が引けて使いたくなってしまうという人は、言い方を変えてみるのがおすすめです。
そのために、「おこがましい」と似たニュアンス使える表現をいくつか押さえておくと安心です。
1:僭越
「僭越」とは、「自分の地位や立場を逸脱して出過ぎたことをすること」という意味の言葉です。読み方は「せんえつ」。「僭越ながら、意見を述べてもよろしいでしょうか?」「僭越ながら、本日の案内を仰せつかっております」などと使うことが多いです。
2:差し出がましい
「差し出がましい」という表現もあります。「必要以上に他者の言動に口出ししたり関与したりしようとする」というニュアンスがありますが、「おこがましい」と同じように「がましい」という語感がどことなく棘を感じさせますね。
したがって、頻繁には用いない方がよいでしょう。「差し出がましいようで恐縮ですが、お手伝いできることはありませんか?」などと使うことができます。
3:不相応
「不相応」とは、「釣り合っていないさま」や「ふさわしくないこと」ということを表します。つまり、「自分の身の丈にあっていないことを分かっていますが」ということを相手へ伝える前置きとしての役割があるのです。
4:身の程知らず
読んで字のごとく、「自分の身に丈とあっていない」ことを示します。「私は身の程知らずではないので、相応の努力をしていまの地位を築き上げた」「身の程をわきまえない彼女の行為に顔を覆いそうになった」などと使います。
最後に
「おこがましい」の意味や使い方はマスターできましたか? ネガティブなイメージがあるため、使い方が難しい言葉です。だからこそ間違った使い方で周りに不快感を与えないように、正しい使い方を押さえておく必要があります。ぜひ、本記事をひとつの参考にしてみてください。
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