「結婚式をしない」という選択
ここ数年で、結婚式を挙げた知人はどれくらいの割合でいましたか? 昔であれば「結婚=結婚式」という考え方が一般的で、「結婚式は必ず挙げるもの」と認識されている風潮もありました。しかし最近の印象としては、「結婚式を挙げない」ことは新たなスタンダードになりつつあります。
結婚に限ったことではありませんが、個人の考えや社会の在り方もより多様化する現在、「結婚式をする・しない」もそれぞれのカップルが自由に決めることができる時代です。結婚式をすることが幼い頃からの夢だったけれど、何らかの事情で諦めた方もいれば、願望がなくても「どことなく決まりごとのような気持ち」で結婚式をする方もいるかもしれません。
カップルが「結婚式をしない」選択をする理由は、たとえば以下のようなものが挙げられます。
・お金がかかる(ほかのことにお金を使いたい)
・注目されるのが苦手
・授かり婚で、今後の予定の見通しがつかない
・再婚や高齢婚
本記事では、結婚式以外の選択肢や、ご祝儀問題、結婚式をやらないメリットやデメリットについて紹介していきます。
結婚式以外の選択肢
結婚したことを実感できるイベントは、結婚式以外にもあります。せっかくの節目なので、何か記念になるものを取り入れてみるのはいかがでしょうか。
フォトウエディング
フォトウエディングとは、和装や洋装の結婚衣装を着て記念撮影するもの。もし多くの人から注目されることが苦手なら、外でのロケーション撮影ではなく室内での撮影がおすすめです。
撮影会社によって、写真撮影だけで終わりのところもあれば、挙式をしないカップル向けに「指輪の交換」などセレモニーを入れてくれるプランも。家族との撮影が可能な会社も多いので、家族で集まりちょっとした挙式のような雰囲気も味わえますね。
フォトウエディングは国内のみならず、ハネムーンを兼ねて海外で撮影するなど、選択肢は幅広く存在します。自分たちの希望を叶えることができる会社を探してみてください。
少人数でのパーティー
結婚式の晴れがましさが苦手と感じるなら、家族やごく一部の友人を招いてのこじんまりとしたパーティーもおすすめです。
引き出物や主賓、お色直しなど大がかりな演出や進行をすることもなく、歓談がメインなら気負わずに受け入れられる人も多いのではないでしょうか。お気に入りのカフェやレストランで、おしゃれなカジュアルウエディングパーティーを楽しむのも素敵です。
ふたりだけの結婚式
ハネムーンを兼ねて、国内リゾートや海外でふたりだけの結婚式をするのもひとつの案です。一見「旅費が高くつくのでは?」と思いがちですが、ゲストへのおもてなしが不要な分、費用を抑えることが可能になります。
事前の打ち合わせや準備、招待客のことを気にせずに、新たな門出としてシンプルにセレモニーを楽しみたい方にはおすすめ。ふたりだけの挙式でも、祝福の拍手や歌など、現地のスタッフが盛り上げてくれるところが多いようです。
結婚式をしないメリット・デメリット
結婚式を挙げたカップルの中には、後悔しているケースもあるのが実情のよう。せっかくお金と時間をかけた結婚式ですから、後悔はしたくありませんよね。
メリットとデメリットを比べたとき、一見すると「結婚式をしないメリット」の方が魅力的に感じる方もいるかもしれません。しかし、結婚式には特有の「神聖な空気感」や「人を感動させる力」のようなものが存在するという面もあります。お金や時間のことだけではなく、自分にとって何が本当に大切なのか、よく吟味しましょう。
結婚当初は結婚式に興味がなくても、後々結婚式がしたくなったら、それを叶えるのも素敵です。結婚してから何年たっても、結婚式を挙げるのに遅すぎるということはありません。本当に自分が重視したいのはどちらなのか、じっくり検討して決断してください。
結婚式をしないメリット
・費用が抑えられる
・事前準備がないので、時間の節約になる
・挙式準備で喧嘩することがない
お金や時間の節約や、よく聞く「結婚式の準備中の喧嘩」がないのは精神的にも楽ですね。
結婚式をしなかったデメリット
・ドレスが着られなかった
・結婚式で親の喜ぶ顔が見たかった
・節目となるイベントがほしかった
・友人に囲まれて祝ってほしかった
・イマイチ結婚した実感がわかない
デメリットとしては以上のような例が挙げられますが、先に述べたような、フォトウエディングや少人数パーティーなどの代替案で解決できそうなものも。
結婚式をしない場合のご祝儀問題
結婚式ではご祝儀を頂くのが定番ではありますが、結婚式をしない場合、ご祝儀はどのような対応になるのでしょうか。最終的には個人の気持ち次第ということになりますが、ここでは結婚式を挙げない場合のご祝儀事情を紹介します。
相手の結婚式に参加した場合
現在もある程度お付き合いがあり、親しくしている場合、結婚式のご祝儀の定番である「3万円」から「引き出物・食事代」を差し引いた「1万円」ほどをご祝儀として頂くこともあります。また、もらった分と同等の金額をお返しする、という考え方も。現在の関係性と相手の気持ち次第ということになるでしょう。
相手の結婚式に参加していない場合
お互いが結婚式に参加していない・結婚式を挙げなかった場合、お祝いとして「5000円から10000円」ほどのプレゼントや現金を頂くこともあります。
最後に
結婚式をするタイミングには、人によっては妊娠や引っ越し、仕事などさまざまな事情が絡んでくるものです。少しでも結婚式を「したい」と思うなら、後悔しないためにもした方がよいでしょう。もちろんパートナーの同意は必須ですが、簡単にあきらめるようなものではありません。
金銭面など、マイナスになる理由もありますが、結婚式には結婚式ならではの味わいがたくさんあるのも事実です。結婚式は、今までの人生の節目となる儀式。ふたりでよく相談し、後悔のない決断をしてください。
執筆
吉川沙織(よしかわ・さおり)
結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。
ライター所属:京都メディアライン
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