【目次】
・赤ちゃんが人見知りをする時期
・人見知りをするのはなぜ?
・パパやママはどう対処すればいい?
・人見知りしない子もいる?
赤ちゃんが人見知りをする時期
赤ちゃんの人見知りはいつ頃から始まるのでしょうか。一般的な開始時期や期間などについて理解を深めましょう。
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いつからいつまで?
赤ちゃんの人見知りは、一般的に生後半年頃から始まるといわれています。多くの人に見せたくなるかわいい時期ですが、知らない人と会うとぐずったり泣き出したりしてしまうようなシーンも珍しくありません。ただし、生活環境や家族構成などのさまざまな影響から、人見知りの開始は個人差があります。人見知りのような態度を全く見せないまま成長する子もいるようです。
人見知りが終わる時期は、一般的に2歳頃だといわれています。それまで他人に対して見せていた人見知りの態度が、この頃から徐々に落ち着いてきます。しかし、なかには2歳過ぎて人見知りが強くなった、まったく終わる気配がないという子もいるため、人見知りが終わる時期は個人差も大きいといえます。性格的に引っ込み思案な子は、大人になるまで続くこともあるようです。
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早ければ3~4カ月頃から始まる
赤ちゃんは、生後3~4カ月頃になると、ママや周囲の人たちを声やにおいなどで判別し始めます。ママに構ってほしいという感情を持つようになり、ママが近くにいると安心します。しかし、ママ以外の人が近くにきたり触ったりすると、声やにおいで違う人と判断して受けつけようとしません。激しく泣く態度が、周りから見れば人見知りと受け取られるというわけです。
このような赤ちゃんの反応は、あくまでも成長過程における正常な様子です。あまり心配せずに、赤ちゃんをやさしく抱っこしてあげましょう。また、人見知りが早いほど賢いという人もいますが、明確な根拠があるわけではありません。確かに、精神的がしっかりと成長している証ではありますが、この時期の差はあまり深く考えないようにしましょう。
パパ見知りをする子も
他人に対してだけでなく、パパに対して人見知りをする赤ちゃんもいます。パパへの人見知りは、一般的に生後半年から1歳頃までが多いようです。パパはママに比べ、仕事などで赤ちゃんの近くにいない時間が長くなりがちです。そのため、他人と同じように、たまにしか会わない人だという認識をされてしまうのが理由と考えられます。
パパへの人見知りは、パパだけでなくママにとっても辛い出来事です。しかし、パパはママと同様に、赤ちゃんにとって大切な存在です。赤ちゃんは、ママのお腹にいるときからパパの声も聞いています。泣き出してしまっても、落ち着いてやさしく抱っこして声をかけてあげましょう。逆に、赤ちゃんの成長を喜ぶくらいの気持ちを持つことが大切です。
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人見知りをするのはなぜ?
赤ちゃんは、どのような理由で人見知りをするのでしょうか。考えられるいくつかのことを解説します。
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脳が発達したため
人見知りというと、他の人を嫌がったり怖がったりというようなイメージを持ってしまいがちです。しかし、生後半年頃の赤ちゃんには、大人が持つような好き嫌いの感情はまだないといわれています。赤ちゃんは、生後半年頃になると脳が成長し、普段から近くでお世話をしてくれる人とそうでない人の区別ができるようになります。
ママやパパに対しては、自分を大事にしてくれる存在だと認識し、ママやパパ以外の人には不安を感じます。その感情が、激しく泣くような態度として表に出てくるのです。つまり、人見知りをするということは、記憶する脳が育ってきたともいえます。記憶ができなければ、見たり聞いたりしたことから区別することは不可能です。人見知りを始めたら、赤ちゃんが順調に成長していることを喜びましょう。
好奇心や恐怖心の芽生え
人見知りが始まった赤ちゃんには、自分以外の人とより関わりたいという好奇心と、知らないということに対する恐怖心が、同時に芽生え始めているともいわれています。また、赤ちゃんはまだ言葉を理解できないため、人の感情や精神状態を察知することに長けています。自分の身を守らなければならない、生き物としての防衛本能によるものです。
この生き物としての防衛反応のひとつが人見知りとして現れます。例えば、ママが嫌いな相手や不快に感じる相手がいる場合、赤ちゃんはママの精神状態が何らかの理由で穏やかでないと感じ取ります。ママの不安や緊張が赤ちゃんに伝わることで、その相手に対して人見知りをするようになるのです。赤ちゃんの本能は、ママやパパが考えている以上に敏感であることを知っておきましょう。
性格の違いから
人見知りの時期や、そもそも人見知りをするかしないかということは、単に赤ちゃんの性格が関係していることも珍しくありません。兄弟に対して同じような育て方をしているにもかかわらず、人見知りが始まる時期や人見知りの様子が違うことで、愛情の注ぎ方や細かい育て方に違いがあったのかと心配するママもいるかもしれません。
しかし、他人と会った瞬間に激しく泣き出しても、固まって動かなくなっても、その違いは個々の成長具合や性格の違いも大きく影響しています。物怖じしない性格の赤ちゃんもいれば、ママにべったりの赤ちゃんもいるのです。赤ちゃんの性格は大人になってからの性格と違い、生まれ持った個性と考えられます。兄弟や他の子と様子が違うことに悩まず、その個性にとことん向き合ってあげることが大切です。
パパやママはどう対処すればいい?
赤ちゃんが人見知りを始めた際に、気をつけるべきポイントを紹介します。人見知りに対する考え方や対処法を理解しましょう。
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落ち着いた様子であやす
他人と会って赤ちゃんが人見知りをし始めたら、まずはママ自身が冷静になりましょう。ママが焦ったり落ち込んだりすれば、その感情が赤ちゃんに伝染し、さらに激しく泣いたり暴れたりする可能性が高まります。人に会わせたり抱っこさせたりする前から、人見知りしないかどうか不安になるのもよくありません。ママの感情がそのまま赤ちゃんの人見知りを引き起こすこともあるからです。
赤ちゃんにとって見慣れない人と、ママやパパが赤ちゃんの前で仲良くして見せることも重要です。その様子を見て、赤ちゃんが安心する可能性もあります。抱っこして泣かれた人から無理に引き離そうとすると、赤ちゃんにとってその人が危険な人だと判断してしまうかもしれません。「この人は大丈夫だよ」などとやさしく話しかけたりしてあげましょう。
人と会う機会を増やす
赤ちゃんを積極的に外の世界へ連れ出し、いろいろな場所に連れて行くことも、人見知りを解消できる手段の一つです。見慣れないものが多い状況では、次第に好奇心が芽生えて自分の知らない刺激にも耐性が備わってきます。公園などに連れて行けば、楽しく過ごせるうえ、知らない人がいる環境にも徐々に慣れてくれます。
ママやパパが出不精で、常に自宅で過ごしているような環境では、赤ちゃんも慣れた空間でしか過ごせません。これは、人見知りを助長してしまうきっかけにもつながります。また、祖父や祖母、ママやパパの兄弟など、人見知りしてほしくないような人にも積極的に会わせましょう。ママやパパが仲良くしていれば、自然に赤ちゃんも慣れてきます。
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人見知り中であることを周囲に説明する
たいていの人は赤ちゃんを抱っこして泣かれた場合でも、人見知りなんだなと理解してくれるものです。そうはいってもやはり、ママやパパに対する反応の違いを目の当たりにしてしまうと、自分だけ嫌われているような心境にもなってしまいます。初めて会う人や久しぶりに会う人には、今人見知り中であることを伝えましょう。心の準備をしてもらえるため、相手が嫌な気分になりにくくなります。
人見知りしない子もいる?
人見知りをしない赤ちゃんも少なくありません。個性であったり、人が多い環境で育ったことが影響しているケースもあります。もしかしたら人見知りをしているのに、ママやパパが気付いていないだけかもしれません。ほとんどの場合は、心配する必要がないといわれています。考えようによっては、物怖じせず、どんな環境にも対応できる強い精神力を持っているともとれるのです。
不安なときは医師に相談を
いつまでたってもこちらの呼びかけにあまり反応しなかったり、感情を表現することが極端に少なかったりするような場合は、健診時に小児科医や保健士に相談してみましょう。月齢や年齢が低い場合は、様子を見るという判断をされることが多いようですが、分かりやすい特徴が見られる場合は、慎重に経過観察をするケースもあります。
いずれにしても、どんなに悩んだところで、成長を待たなければ分からないことがたくさんあります。人見知りの有無で赤ちゃんのかわいらしさを見過ごすことは、とてももったいないことです。あまり思い詰めずに、赤ちゃんと楽しい時間を過ごすことが大切です。
監修・小児科専門医
杉田 亮
小児のスキンケアに力を注いでいる、兵庫県三田市「
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