公共のものをきれいに使う
誰かが共有場所を積極的に掃除したり、公共物を大切に扱ったりしている様子を見れば、その気遣いを好ましいと思う人は多いものです。
公共の場所や公共物は、次に誰が使うのかわかりません。自分さえよければよいと考える人なら、後の人のことを考えての行動など不可能です。汚れなどがあっても、そのまま放置してしまいます。
ところが気遣いができる人は、他者目線で物ごとを考えます。たとえ誰が使うかわからなくても、次の誰かを考えて「きれいにしよう」と配慮できるのです。
公共のものをきれいに使う習慣が身に付けば、気遣いの基本はマスターできるのではないでしょうか。
気遣いができる人になるには
気遣いできるということは、特別な才能ではありません。経験や気の持ち方で誰でも身に付けられるものです。まずは、自身の意識を変えることから始めてみるとよいでしょう。
気遣いができる人になるために、覚えておきたいポイントを紹介します。
相手の気持ちを想像する
まず、気遣いで大切なのは、相手の気持ちや立場になって考えることです。
どんな気遣いが望ましいかは、状況やタイミングで異なります。そのときに必要な気遣いを見極めるには、相手の身になって考えられる想像力が必要です。普段から相手や周囲の様子に気を配っておけば、いざというときの判断を下しやすくなります。
相手の気持ちや立場を考慮しない気遣いは、もはや気遣いとは呼べません。気遣いは、相手の負担や気分を軽くしてこそ意味があります。自分主体ではなく「他者第一」で考える習慣を身に付けるのが近道です。
小さなことにも感謝をする
日々の出来事を振り返ってみれば、あなたも誰かからの気遣いを感じた瞬間があるでしょう。ちょっとしたお土産をもらった、仕事を手伝ってもらったなど、小さな気遣いは意外とたくさんあるものです。
どんなに小さな気遣いでも、それは「されて当たり前」のことではありません。気遣ってくれた人に感謝し、うれしいと感じた気持ちを大切にすることが大切です。
日常の小さなことに感謝できるようになれば、人への気遣いもスムーズになります。うれしいと感じたことをほかの人にもしてあげればよいのですから、難しくはありません。
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心に余裕を持つ
人を気遣うには、心の余裕が必要です。自身のことでいっぱいの状態では、相手の気持ちをくむことはもちろん、周囲の空気を読むこともできません。心に余裕があってこそ、ほかの人を思いやる想像力が働くのです。
また、気遣いができる人になろうと頑張りすぎていませんか?「気遣いしなければ」と気負いすぎるのも、好ましくありません。気遣いすることを義務のように感じれば、気遣いそのものがストレスとなり嫌になってしまいます。
加えて、気遣いしなければというプレッシャーは、相手にも伝わるものです。あなたが気を張りすぎれば、気遣いを受けた相手も疲れてしまうかもしれません。気遣いは、無理をせず自然体で行うのが望ましいのです。
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こんな気遣いはむしろ迷惑?
気遣いをされれば、人はうれしく感じます。しかし、行き過ぎた気遣いや下心のある気遣いは別です。こうした気遣いは相手を不快にさせたり困惑させたりすることもあります。
気遣いができる人を目指すなら、どのような気遣いが相手の負担になるのか知っておきましょう。迷惑にもなり得る気遣いについて紹介します。
善意の押しつけ
相手の好みもわからないままに強引におすそ分けしたり、頼まれてもいないことを勝手にしたりしていませんか?相手の気持ちを無視した気遣いは、善意の押しつけになりがちです。たとえ好意からくる行動でも、不快に思われる可能性があります。
強引に自分の好意を押しつける人は、相手の気持ちになって考えるという気遣いの基本ができていません。気遣いでは、「自分が好きだから相手も好きなはず」「自分がやってあげれば喜んでくれるはず」という思い込みは避けるべきです。
気遣いをする際は、まず自身の行動を客観的にみるクセを付けましょう。そうすれば、本当に望まれていることなのか、そうではないのかを感じやすくなります。
見返りを求める
相手を気遣うとき、お礼や感謝の言葉を期待していませんか?「やってあげた」「感謝してほしい」という気持ちからくる気遣いは、ただの自己満足になりがちです。気遣いを受けた相手はもちろん、見ている人にも悪い印象を与える可能性があります。
他者への気遣いというよりは、むしろ自身の株を上げるための行為とみなされるかもしれません。
気遣いする上で必要なのは、相手に負担をかけないさりげなさです。気遣いすることに慣れないうちは難しいかもしれませんが、経験を積めば身に付きます。
普段から周囲をよく見たり、ほかの人の気持ちになって考えたりすることを習慣付けましょう。
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ビジネスで使える気遣いの言葉
気遣いは、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。ただし、状況や相手に合わせて使い方は変わるため、十分に注意しなければなりません。
ビジネスで役立つ、気遣いの言葉を紹介します。
体調を気遣った言葉
ビジネスで気遣いが必要な場面といえば、付き合いのある人が体調を崩したときなどではないでしょうか。ビジネス上での付き合いでも、相手をいたわる気持ちは必要です。気遣いのメールなど送れば喜ばれますし、信頼関係も深まるかもしれません。
このときのポイントとしては、まず相手の病状を確認した上でメールを書くことです。病状に合わせて内容を考え、相手に配慮した言葉を選びます。
例えば「心よりお見舞い申し上げます」「ゆっくり養生なさってください」など記すと、相手を気遣う気持ちが伝わります。文面の最後には「返信は不要です」と加えれば、気遣いができる人という印象がより強調されて好印象です。
謝罪された場合の言葉
仕事相手がミスをして謝罪された場合も、相手への返事には気遣いが必要です。くれぐれも、相手を責めるような言葉や口調にならないよう注意しましょう。
ビジネスシーンで謝罪を受けたときは、基本的に「お互い様」という気持ちで話すのがベターです。特に上司からの謝罪には、失礼にならないよう慎重に返答する必要があります。
「こちらこそチェックが足りておらずすみませんでした」「これからもご指導いただければと思います」など答えれば、角が立ちません。
ミスは誰にでも起こり得るものです。謝る側の気持ちに立って対応すれば、今後のビジネスで良好な関係を続けられます。
気遣いに対してありがとうと伝える場合
ビジネスシーンでは、配慮されたり心配されたりしたときは、「気遣いを受けた」ということになります。
例えばあなたが体調を崩し、休みが続いていたとします。久々に会った取引先の人に「体調は大丈夫ですか」などいたわられたら、これは相手からの気遣いといえます。「ありがとうございます」と返すのではなく、「お気遣い恐れ入ります」「お気遣いいただきありがとうございます」などと返してみるのもおすすめです。
ただし、相手が同僚や後輩のときは、気遣いという言葉では堅苦しすぎるかもしれません。気楽な間柄でかしこまった言い方をすると、距離を置いているようにも感じられます。親しい人にお礼をいうときは「心配してくれてありがとう」で十分です。
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