「平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」
ビジネスメールや文書で、冒頭の挨拶に使われる表現。「いつもお世話になり、ありがとうございます」という意味を、とても丁寧にした言葉です。
【冒頭の挨拶に“ご高配 ”を使う場合のメールや文書の書き方】
「頭語」+「時候の挨拶」+「平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」+「本文」
例
拝啓 春風の候、貴社におかれましては、益々ご盛栄のこととお喜び申し上げます。平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。〈本文~〉
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「今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます」
こちらの表現は、メールや文書で結びの挨拶に使われる表現。「これからもよろしくお願いします」というニュアンスで、文章を締めくくる事ができます。
【文末に“ご高配 ”を使う場合のメールや文書の書き方】
〈本文〉+「今後とも~ご高配を賜りますよう~」+「結語」
例
〈本文〜〉まずは書中にてご挨拶申し上げますとともに、今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます。敬具
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「旧年中はひとかたならぬご高配にあずかり、厚く御礼申し上げます」
こちらは年賀状や、年度初めの挨拶に用いられる表現です。「ひとかたならぬ」は、「普通の程度ではない」という意味。そして「あずかり」は、「受ける」を意味します。「ひとかたならぬご高配にあずかり」とすることで、「普通以上の配慮を受ける」という意味の言葉になります。
類語や⾔い換え表現
次に、「ご高配」を言い換えることができる表現をみていきましょう。
「ご配慮」
先ほども出てきましたが、心配りを意味する「配慮」が挙げられます。丁寧語の「ご」をつけることによって、相手からの心配りを意味し、目上の人や取引先に使うことのできる敬語表現です。「ご高配」は、主に社外に対して使う表現ですが、「ご配慮」や「配慮」は社内や同僚、目下の人にも使うことができる表現です。
例文
・日頃より格別のご配慮を賜りまして、誠にありがとうございます。
「ご厚情」
「ご厚情」は「厚い情け、心からの深いおもいやり」という意味。こちらの表現も「ご高配」と同様に、日常会話ではほんど使われません。主に改まったメールやスピーチで使われる表現です。
例文
・ひとかたならぬご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。
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「お引き立て」
「お引き立て」とは、「特に目をかけて後援することをその後援者を敬っていう語」。つまり、「相手から目をかけてもらうこと」という意味。ビジネスメールの中で頭語の次の挨拶や、結びの挨拶として使われる表現です。
例文
・今後とも、変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
「お気遣い」
「気遣い」の丁寧表現で、相手が気を使ってしてくれた事に対して敬意を表す言葉です。ビジネスシーンでは「お気遣いありがとうございます」とお礼を述べるときや、「お気遣いなさらないようお願いします」といったように、相手の負担を減らしたいときに使う言葉です。
例文
・○○様のお気遣いに深く感謝しております。
「ご愛顧」
「ご愛顧」には「目をかける」という意味があります。「目をかける」とは、よく面倒を見てもらったり特別に可愛がってもらったりする状況のことです。ビジネスの場面では、目をかけてもらった取引先や顧客に対して「ご愛顧」が使われます。
例文
・変わらぬご愛顧のほどお願いいたします。
英語表現は?
「思いやり」という意味の「thoughtfulness」、「親切」という意味の「kindness」が「ご高配」に近い表現といえます。「thoughtfilness」と、「kindness」を使った例文をご提案します。
・「I appreciate your thoughtfulness 」
(ご高配に感謝申し上げます)
・「Thank you for your kindness」
(ご高配、感謝いたします)
なお、「ご高配」を辞書でひくと「your good offices」と出てきますが、ビジネスメールなどの文章では、上記の例文の方が、自然な表現だといえるでしょう。
最後に
ビジネスパーソンとして、挨拶の文章を作ることは日常茶飯事ですよね。「ご高配」という表現をマスターしておけば、ビジネス文書やメールなどがもっと書きやすくなるはずです。
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