「重ね重ねお詫び申し上げます」は、すでに謝罪している状況で念押しとして使用し、慶事や弔事の際には使わないように注意しましょう。
大きな迷惑について詫びるとき
相手に大きな迷惑をかけた際は、「重ね重ねお詫び申し上げます」の前に「多大なるご迷惑」と付けて謝罪するのが一般的です。
「多大なる」は「きわめて程度が大きい様子」を意味します。つまり「多大なるご迷惑」は「相手にとって非常に大きな迷惑であること」を表す言い回しです。「重ね重ねお詫び申し上げます」と一緒に使えば、大変な迷惑をかけて困らせてしまったことを深く謝罪できます。
2つの表現を組み合わせた謝罪の例文をご紹介します。
【例文】
・弊社の失態により多大なるご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。重ね重ねお詫び申し上げます。
メールで謝罪するとき
メールで「重ね重ねお詫び申し上げます」を使う際は、件名で謝罪の意を明確にしましょう。また、本文にて何に対して謝罪しているのか、そして今後の対策などを具体的に述べることも重要です。
【例文】
件名:【ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません】〇〇の件に関するお詫び
〇〇株式会社 〇〇様
いつもお世話になっております。 株式会社△△の□□です。
この度は、[具体的な問題点や相手に迷惑をかけた事柄]により、〇〇様には多大なるご迷惑をおかけしましたこと、重ね重ねお詫び申し上げます。
【目次】
「重ね重ねお詫び申し上げます」を使うときの注意点3つ
「重ね重ねお詫び申し上げます」を誤って使うと、誠意の欠けた謝罪になるおそれがあります。使い方がわかったら、注意点もあわせて理解しておきましょう。気をつけたいポイントについて解説します。

文末や締めの言葉として使う
「重ね重ねお詫び申し上げます」は謝罪文の最後に使います。謝罪の気持ちを何度か伝えたあとに、文章を締める言葉として使うのが一般的です。
なぜなら「重ね重ね」は「繰り返し」を意味するため、すでに謝罪している状況以外では使用できないからです。特に、謝罪を表す文章の冒頭には「重ね重ねお詫び申し上げます」を使えないため注意しましょう。
数回お詫びしたあとに使う
「重ね重ねお詫び申し上げます」はお詫びの言葉を数回述べてから使います。「謝罪文の最後に使う」と上述しましたが、ただ文末に置くだけではお詫びとしての効果が弱くなってしまうのです。
「重ね重ねお詫び申し上げます」は、すでに何度か謝罪を重ねているからこそ、念押しとして使える表現です。謝罪を表す言葉が「重ね重ねお詫び申し上げます」だけでは誠意が伝わらないほか、誤用と捉えられるため気をつけましょう。「誠に申し訳ありません」などの謝罪を何度か伝えたあとで、最後の手段として使うと深い反省を表せます。
「重ね重ね」は忌み言葉なので使う場面に注意する
「重ね重ね」は忌み言葉であるため、使う場面に注意しなければいけません。忌み言葉とは、慶事や弔事の際に使うのは不適切とされる表現のことです。
忌み言葉にはさまざまな種類があり、なかでも「重ね重ね」は同じことを繰り返す「重ね言葉」に当てはまります。たとえば結婚式では、重ね言葉は「再婚」をイメージさせるためタブーとされています。冠婚葬祭において「重ね重ねお詫び申し上げます」を使うとマナー違反になりますので、言わないよう気をつけましょう。

「重ね重ねお詫び申し上げます」の類語2つ
「重ね重ねお詫び申し上げます」の類語は、「重ねてお詫び申し上げます」と「重ね重ね恐縮でございます」の2つです。どちらも相手に対する申し訳なさを伝えられる表現ですが、ニュアンスが少々異なります。それぞれの意味を理解して正しく使い分けましょう。
ここでは、類語の意味や使い方を説明します。
「重ねてお詫び申し上げます」
「重ね重ねお詫び申し上げます」の代わりとして使える類語は「重ねてお詫び申し上げます」です。「重ねて」は「重ね重ね」と同様に「同じ行為などの繰り返し」を意味します。
そのため「重ねてお詫び申し上げます」は、相手に対してもう一度謝罪する際に適しています。また、ビジネスメールで謝罪文を送る際に使っても問題ありません。
「重ね重ね恐縮でございます」
「重ね重ね恐縮でございます」も「重ね重ねお詫び申し上げます」の類語として挙げられます。「恐縮」の意味は「ありがたさや申し訳なさ、気恥ずかしさから身のすくむ気持ちになること」です。「重ね重ね恐縮でございます」の場合は相手に対する申し訳なさを含み、「身が縮むほど心苦しい」といった意味で使えます。
「重ね重ねお詫び申し上げます」の英語表現は?
「重ね重ねお詫び申し上げます」を英語に訳して伝える際は「apologize」が使えます。ビジネスシーンで英語を使う機会に備えて、謝罪の英語表現を知っておくと安心です。
謝罪の場で誤用して不信感を与えないように、英語での正しい伝え方を確認しましょう。ここでは「aplogize」の意味や例文をご紹介します。

「apologize」
英語で「重ね重ねお詫び申し上げます」を伝える際は、謝罪を表す英単語の「apologize」が適しています。「謝る」を表す英単語には「sorry」もありますが、カジュアルな表現のためビジネスシーンには向いていません。
「apologize」を使った謝罪文の例は以下のとおりです。
【例文】
・I’d like to apologize to you again.
(重ね重ねお詫び申し上げます。)
・My sincerest apologies.
(深くお詫び申し上げます。)
「重ね重ねお詫び申し上げます」に関するよくある質問
「重ね重ねお詫び申し上げます」に関して、ビジネスシーンでよくある質問とその回答をご紹介します。
Q. 「重ね重ねお詫び申し上げます」をやわらかく言いたいときの表現は?
「重ね重ねお詫び申し上げます」は非常に丁寧でかしこまった表現なので、状況によっては少し硬すぎると感じるかもしれません。よりやわらかく謝意を伝えたい場合は、以下のような表現が考えられます。
【例文】
・度重なるご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません
・ご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます
Q. ビジネスメールでほかに使える謝罪表現は?
ビジネスメールでは、状況や謝罪の度合いに応じて、さまざまな謝罪表現を使い分けることが重要です。
【例文】
・申し訳ございません
・お詫び申し上げます
・ご迷惑をおかけして申し訳ありません
・私の不手際により、大変ご迷惑をおかけいたしました
深く謝罪する際は「重ね重ねお詫び申し上げます」を使おう
- 「重ね重ねお詫び申し上げます」は、謝罪を強調したいときや繰り返しのミスを詫びる場合、または度重なる謝罪をする際などに使う
- 「~とともに」「誠に」「ことに対し」など、状況に応じた表現と組み合わせられる
- 数回謝罪した後、文末に使用する。慶弔事では忌み言葉になるので使わないよう注意
「重ね重ねお詫び申し上げます」は、主にビジネスシーンで深く謝罪する際に使う表現です。「繰り返し」を表す「重ね重ね」が付いているため、何度も犯したミスについて謝る場合に適しています。また、申し訳なさを強調したいときにも使えます。
謝罪の場面では、正しい言葉使いで、誠意を持って謝ることが大切です。謝罪する際に困らないよう、「重ね重ねお詫び申し上げます」の意味をきちんと覚えておきましょう。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
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