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2022.09.08

【鬼の目にも涙】の正しい意味は? 意味や由来を解説

 

「鬼の目にも涙」とは、どれほど冷酷な人でも時には涙することを表すことわざです。普段は厳しい態度をとる人が突然優しくなったり、同情して涙を流したりする場面で使われます。この記事では、「鬼の目にも涙」の意味や使い方などをご紹介します。

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「鬼の目にも涙」とは?意味や由来を解説

「鬼の目にも涙(おにのめにもなみだ)」とは、冷酷な人が突然優しくなったり、同情して泣いたりすることを表すことわざです。江戸時代に使われ始めた言葉で、当時圧政を敷いていた代官の様子に由来します。

日常会話でもビジネスシーンでも使えるため、正しい意味や使い方を理解しておきましょう。ここでは、鬼の目にも涙の意味や由来、例文などをご紹介します。

意味は「冷酷な人でも時には涙すること」

鬼の目にも涙 意味

「鬼の目にも涙」の意味は、“冷酷で無慈悲な人であっても時には涙すること”です。どのような人でも他者を哀れむ心を持っていることや、安心を感じた際に心が動くことを表します。鬼の目にも涙を辞書で引くと、以下のように説明されています。

【鬼の目にも涙:おにのめにもなみだ】
無慈悲な者も、時には慈悲心を起こし、涙を流すことがあるということ。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

鬼の目にも涙で使われている「鬼」とは、仏教や古代中国の陰陽道に由来する空想上の怪物です。ここでは、冷酷な人や思いやりに欠ける人が気性の荒い鬼に例えられています。

江戸時代の圧政に由来することわざ

鬼の目にも涙 由来 意味

「鬼の目にも涙」は江戸時代の圧政に由来することわざです。江戸時代では、領主の代わりに代官が年貢の取り立てを行っていました。代官は権力で人民を抑え込む圧政を敷いており、人々に恐れられる様子から鬼に例えられました。

人々を厳しく管理していた代官も、時には年貢の取り立てをゆるめて情けをかけることがあり、その様子から「鬼の目にも涙」と言われるようになったとされています。

【例文付き】鬼の目にも涙の使い方

「鬼の目にも涙」は、他者に恐れられている人がふと優しさを見せたり、同情して泣いたりする際に使われます。悪い意味をもつことわざではありませんが、「鬼」は良いイメージの表現ではないため、本人に向かって使うのは避けましょう。

鬼の目にも涙の具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。

【例文】
・自分が体調不良のとき、いつも口うるさい姑が世話をしてくれて、鬼の目にも涙ということわざが思い浮かんだ。

・自分がミスをした際に、周囲から冷酷と恐れられている上司が優しく慰めてくれた。上司の思いやりに触れて、鬼の目にも涙とはまさにこのことだと感じた。

 

同じく「鬼」を使ったことわざに「鬼も頼めば人食わず」という言葉もありますが、こちらは鬼の目にも涙のような意味合いはありません。「たとえ好きなことであっても、他者に依頼されるとかえってやる気をなくすこと」または「どんな相手でもきちんと頼めば無茶なことはしない」といった意味を表します。誤用しないように注意しましょう。

「鬼の目にも涙」の対義語2つ

鬼の目にも涙には、反対の意味で使える対義語がいくつかあります。代表的な表現は以下の2つです。

1. 鬼の空念仏(おにのそらねんぶつ・おにのからねんぶつ)
2. 仏の顔も三度(ほとけのかおもさんど)

対義語を知っておくことは、「鬼の目にも涙」の意味を深く理解することにもつながります。場面に応じて適切な表現を使い分けられるように、対義語もあわせて覚えておきましょう。ここでは、鬼の目にも涙の対義語についてわかりやすく解説します。

1. 鬼の空念仏(おにのそらねんぶつ)

「鬼の空念仏」とは、冷酷な人が心にもなく慈悲深く見えるようにふるまうことです。「鬼の目にも涙」と似ている部分があるものの、言葉の意味は大きく異なります。「鬼の目にも涙」が実際に慈悲深いことを表すのに対し、「鬼の空念仏」は情け深いように見せかけることです。表面上の慈悲深さを表す言葉には、他にも「鬼の空涙(おにのそらなみだ)」や「狼に衣(おおかみにころも)」も挙げられます。

2. 仏の顔も三度

鬼の目にも涙 対義語

「仏の顔も三度」の意味は、穏やかで慈悲深い人であっても、失礼なことを繰り返されると怒り出すことです。語尾に「まで」をつけて、「仏の顔も三度まで」と表現されることもあります。また、「地蔵」を「仏」の代わりにした「地蔵の顔も三度」も同じ意味で使えます。

「仏の顔も三度」はゴータマ・シッダールタのエピソードに由来しており、本来は3回目までは無礼が許されることを意味していました。しかし、今日では3回目の無礼で怒られるという意味で使われています。

「鬼の目にも涙」を会話の中で使ってみよう

「鬼の目にも涙」の意味は、どれほど冷酷な人でも他者に同情の念を抱いたり、感動して泣いたりすることです。厳しい人が突然優しい態度をとった際などに使われることが多いです。

「鬼の目にも涙」が生まれたのは江戸時代で、当時圧政を敷いていた代官の様子が由来となっています。類義語がいくつかあり、代表的な表現として鬼の血目玉にも涙や鬼の中にも仏がいるが挙げられます。また、「鬼の空念仏」や「仏の顔も三度」は、「鬼の目にも涙」と反対の意味で使える表現です。

正しい意味や使い方を理解して、「鬼の目にも涙」を会話の中で使ってみてください。

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