3.「金蘭之契」
「金蘭之契」は固い友情を意味する故事成語で、読み方は「きんらんのちぎり」です。語源は『易経』で、「友情で結ばれた2人の絆は、金を切断するほどに固くて、蘭の香りのようにかぐわしいちぎりである」との表現がもとになっています。
【例文】
・彼が子どものころから飼っている犬と彼との関係は、金蘭之契を結んでいるように、とても麗しいものでした。
4.「莫逆の友」
「莫逆の友」とは、心から打ち解けている友人という意味で、読み方は「ばくぎゃくのとも」です。「ばくげきのとも」という読み方をすることもあります。「莫逆」は「逆らうことがない」という意味の言葉です。
語源は『荘子』の「大宗師」のエピソードによるもので、「莫逆の交わり」という表現を使うこともあります。
【例文】
・Aくんとは同じプロジェクトのメンバーとして一緒に仕事をしたときから、莫逆の友になりました。
「水魚の交わり」の反義語2つ
「水魚の交わり」にはいくつかの反義語があります。おもな反義語は以下の2つです。
「犬猿の仲」
「不倶戴天」
それぞれの意味や例文をご紹介します。
1.「犬猿の仲」
「犬猿の仲」とは、犬と猿のように互いにいがみあう関係を表す言葉です。仲の悪いことを犬と猿にたとえています。
【例文】
・総務部の部長と経理部の部長は同期入社ですが、犬猿の仲であると知られているため、2人が同席するときには、周囲まで緊張してしまいます。
・僕とAくんは周囲から犬猿の仲だと思われていますが、実は良きライバルとして、互いを高めあう関係です。
2.「不倶戴天」
「不倶戴天」とは、同じ天の下で生かしておけないほど憎しみが深い相手を形容する言葉で、読み方は「ふぐたいてん」です。訓読は「倶には天を戴かず」で、恨みを抱いている者同士の関係を表す場合によく使われます。
【例文】
・戦国武将を描いた歴史小説では、不倶戴天の敵が設定されているケースが少なくありません。
・私にとって不倶戴天の敵ともいうべき存在は、ゴキブリです。
「水魚の交わり」の意味を知って正しい使い方をしよう
「水魚の交わり」は、魚にとって水が不可欠なものであるような親密な関係を表す言葉です。『三国志』の「蜀志・諸葛亮伝」に登場する劉備と諸葛孔明の信頼関係の深さを示しているエピソードが語源でした。
しかし、現在では友人や夫婦の仲の良さを表す言葉として、ビジネス、プライベートに関わらず、広く使われています。「水魚の交わり」の意味を知って、正しい使い方をしてください。
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