天袋とは
押し入れの一番上の部分にある、天袋。高い場所にあるため、何を入れようか迷う方も多いのではないでしょうか? せっかくなら貴重な収納スペースとしてうまく活用したいもの。そこで、おうちの快適空間をつくる街のリフォーム屋さん「アトリエボックス」で、インテリアデコレーター並びに窓装飾プランナーをされている米道莉恵さんに、天袋の使い方についてお話をうかがいました。
天袋とは、押し入れの上部や床脇の上部に設けられた戸棚のこと。押し入れは大まかに上段と下段に分かれ、上段の上に天袋がついています。ただし、近年では天袋がついていないタイプの押し入れも増えてきているようです。
一般的には、押し入れと同じような左右にスライドする襖がついていることが多いですが、中には扉タイプや何もついていないオープンタイプもあります。
天袋を活用するポイント
天袋と押し入れに入れるものを、どうやって区別していますか? まずは、天袋に入れるのに適したものの特徴を見ていきましょう。
1:なるべく軽いものを入れる
天袋には、普段あまり使わない軽いものを入れるのが一般的。天袋が高い位置にあり、ものの出し入れがしにくいためです。また、このような理由から、天袋は重たいものをたくさん収納することを想定してつくられていません。あまりに重いものを入れすぎると壊れる恐れもあるので、なるべく軽いものを入れるようにしましょう。
2:使用頻度の低いものを入れる
天袋は、押し入れの一番高い位置にあるので、頻繁に使うものの収納には適しません。昔は、お客さん用の座布団や、あまり使わない頂き物を入れることが一般的でした。現代では、季節外の洋服や、出番の少ないバッグなどの小物を入れる家庭が多いようです。
3:手前と奥に入れるものを分ける
天袋は高さは低いものの、奥行きがあります。なんでも詰め込んでしまうと、奥にあるものを取り出すためにすべて出さなくてはならなくなることも。まずは、ものの使用頻度を把握して、使用頻度の少ないものから奥に入れていきましょう。
収納する前に考えておくこと
せっかく荷物を入れたのに、必要なものを思い出して再びすべて取り出すことになってしまった…という経験はありませんか? 二度手間を防ぐためにも、天袋に入れる前にチェックしておきたいことをまとめました。
1:収納するものを決める
まずは、天袋に入れるものを決めます。天袋は踏み台などがないと出し入れがしにくいため、先に述べたようになるべく軽いもの、使用頻度が少ないものが適切です。収納したいものの中から、天袋にしまうのに適切なものを選びましょう。
2:サイズを確認する
次に、天袋のサイズを測定。高さ、奥行き、横のサイズを測っておきます。中には、左右のふすまのサイズが異なることもあるので、両方測っておくと安心です。
3:収納ケースを選ぶ
天袋のサイズがわかったら、収納ケースを選びます。天袋は高さが低いので、蓋を開けて取り出すタイプよりも、引き出しタイプや、前面が開けられるケースを選ぶと出し入れがしやすいです。
天袋には何を入れたらいい?
押し入れの中の収納はできているものの、具体的に天袋には何を入れたらいいか迷うこともあるかもしれません。天袋に入れるのにより適したものを把握して、効率よく収納してみましょう。
季節限定の飾り物
普段あまり使わないものとして、季節限定の飾り物があります。クリスマスに使うツリーやオーナメント、正月飾り、雛祭りの小道具、端午の節句の人形など、一年に一度しか使わないものを入れるとよいでしょう。
寝具
布団などの寝具の中でも、軽めのブランケットやシーツなら出し入れもしやすいです。不織布のケースなどに種類ごとに分けて入れて収納すれば、天袋の空間をうまく活用することができます。
思い出の品
学生の頃の卒業アルバムや教科書、ファイル類なども普段あまり見返す機会は少ないもの。普段使わないものとしては、天袋に入れるのに適切ですが、数が多いと重くなってしまいがち。出し入れしやすいように、小さめの箱に分けて収納したり重くなりすぎないようにするなど工夫が必要です。
季節外の衣類
季節外の服は、基本的に次の季節まで出し入れすることはないでしょう。そのため、季節外の洋服や普段あまり着る機会のない服などを収納するのに便利です。天袋のサイズにあった収納ケースを用意してラベリングすると、いざというときスムーズに出し入れできます。
天袋収納に役立つアイテム選びのポイント
天袋は高さが低く奥行きがあるため、あれこれ詰めすぎると、後から出すのが億劫になることも。天袋に入れたものをスムーズに出し入れできる収納アイテムを使うと便利ですよ。役立つアイテムをいくつか紹介します。
前面が開けられる収納ケース
背丈よりも高い位置にある天袋から、いちいち荷物を下ろすのは手間がかかるもの。前面が開けられる収納ケースなら、衣類や小物を簡単に引き出せます。また、前面が透明のビニールになっている衣装ケースなら、中に入っているものがすぐに見つかりやすく、探し物のストレスも軽減できます。
軽い収納ケース
収納ケース自体が大きすぎたり、重さのあるものだと出し入れするのも一苦労。布製のケースなら軽い上、折り畳めるタイプもあるので、使わないときはコンパクトに収納することもできます。
引き出し型収納ケース
引き出し型の収納ケースや収納ラックも、押し入れの収納には欠かせないアイテム。手前に引けば簡単に中身を取り出すことができるので、天袋収納としても最適です。中に入れるものの種類やサイズによってうまく使い分けてみましょう。
最後に
この記事では、天袋の意味や活用の仕方などを紹介しました。出し入れするのに不便な点もありますが、季節外の衣類や思い出の品など、普段あまり使わないものを収納するにはぴったりの場所です。天袋を使うコツを押さえて、有効活用してみてはいかがでしょうか。
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