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2023.08.04

「早起きは三文の徳」とは?徳と得どちらが正しい?詳しい意味・類語を例文を使って解説!

「早起きは三文の徳」ということわざの「徳」の漢字について、正しい表記は「徳」か「得」かが問題になることがあります。よく使われることわざであるだけに、誤用は避けたいところです。正しい漢字表記、ことわざの由来、例文、類語、対句などを解説します。

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「早起きは三文の徳」の意味

「早起きは三文の徳」とは早起きをすると何か良いことがあるという意味のことわざです。ここでの良いこととは、健康に良い、仕事を効率的に進められる、気分がいい、良い出会いがあるなど、さまざまなことを表しています。

左側は目覚めのいい朝、右側は目覚めの悪い朝 イラスト

ことわざの中でもメジャーなものなので、プライベートでもビジネスでも多く使われているといえるでしょう。

【早起きは三文の徳】
《「徳」は「得」とも書く》早起きをすると健康にもよく、また、そのほか何かとよいことがあるものであるということ。朝起きは三文の徳。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

■正しい表記は「徳」か「得」か?

「早起きは三文の徳」は有名なことわざですが、最後の漢字は「徳」と「得」のどちらが正しいのか、まよった経験のある人もいるでしょう。通常は「徳」と表記されるケースが多いですが、「得」でも間違いではありません

「徳」も「得」も「良いこと」を意味する漢字だからです。ほとんどの辞書で、「徳」と「得」という2つの漢字が併記されています。

■「早起きは三文の徳」の由来

「早起きは三文の徳」の由来には諸説あります。共通しているのは、中国宋時代の詩人、楼鑰(ろうやく)の書いた詩の一節、「早起三朝當一工」がもとになっていることです。この一節には、「早起きを3日続ければ、1人分の働きになる」という意味があります。

この言葉が日本に入ってきたタイミングで転じて「早起きは三文の徳」になったとされる説が2つあります。

1つ目は奈良説

江戸時代の5代将軍・徳川綱吉が制定した「生類憐れみの令」では、奈良の鹿も保護されていました。鹿に危害を加えた者には、三文の罰金が科せられたため、庶民は早起きして、軒先に鹿の死骸がないかを確認したとの逸話が残されています。三文の罰金を回避するために早起きしたという逸話が、由来であるという説です。

2つ目の高知説

土佐藩の出した治水対策に基づいています。「早起きして堤防の土を踏み固めた者には三文を与える」とのお触れが由来になったという説です。

■三文は今のお金でどれくらい?

ここでは、「早起きは三文の徳」ということわざの「三文」とは現在のお金で換算すると、どれくらいになるかを解説しましょう。

物価は変動していますし、江戸時代にもかなり幅があるため、あくまでもおおよその数字ですが、江戸時代の「一文」は現在の32.5円くらいとされています。「三文」ならば、97.5円、つまり約100円です。「早起きは三文の徳」は、「早起きすると、ほんの少しいいことがある」という意味であることがわかります。

「早起きは三文の徳」の例文

「早起きは三文の徳」は幅広い場面で使われていることわざです。早起きを奨励するシチュエーションでもよく使われています。

椅子に座って飲み物を飲む女性 イラスト

【例文】

・早起きして1本早い列車に乗ったら、すぐに座れたので、「早起きは三文の徳」という言葉どおりだなあと実感しました。

・「早起きは三文の徳」ということわざどおりの生活を実践できるようになったのは、年をとってからのことです。

・毎朝ラジオ体操を日課にしている祖父の口癖は、「早起きは三文の徳」です。

 

「早起きは三文の徳」の類語・類似表現のことわざ

「早起きは三文の徳」には、類語・類似表現のことわざが数多くあります。「早起きをすることはいいことである」「早起きをすると、仕事がはかどる」という考え方が、一般的であるからでしょう。「早起きは三文の徳」と共通する意味を持った、おもなことわざは以下の2つです。

ストレッチをする女性 イラスト

それぞれのことわざの意味と例文をご紹介します。

■朝起き千両夜起き百両

「朝起き千両夜起き百両」の意味は、「早起きして仕事をするほうが、夜遅くまで仕事をするよりも、10倍効率がいい」ということです。「早起きは三文の徳」と意味の重なる部分がかなりあります。

【例文】

・「朝起き千両夜起き百両」ということわざがあるように、夜遅くまで残業せずに早く帰って、残った仕事は明日の午前中に、片づけたほうがいいと思うよ。

 

■朝の一時は晩の二時に当たる

「朝の一時は晩の二時に当たる」の意味は、「朝のひとときは夜のふたときくらい効率がいい」です。「朝起き千両夜起き百両」が10倍だったのに対して、こちらは2倍と控えめですが、内容はほぼ一緒といえるでしょう。

【例文】

・朝は実によく仕事がはかどるので、「朝の一時は晩の二時に当たる」ということわざの正しさを、身をもって実感しています。

 

「早起きは三文の徳」の対句のことわざ

「早起きは三文の徳」の対句となるようなことわざも数多く存在しています。対句とは、対応する語句を並べることによって、意味を強調する表現技法です。反対の意味を持つ語句が使用されるケースが多いですが、ことわざとしての意味は反対ではありません。

夜通し仕事をする女性 イラスト

おもな対句のことわざは、以下の2つです。それぞれのことわざの意味と例文をご紹介します。

■夜なべは十両の損

「夜なべは十両の損」の意味は、「夜まで仕事をすると、損をする」です。「早起き」に対して「夜なべ」、「徳」に対して、「損」という言葉が使われています。

【例文】

・「夜なべは十両の損」ということわざがあるように、眠いのを我慢して勉強するくらいなら、さっさと寝て早起きし、すっきりした状態で勉強することをおすすめします。

 

■長寝は三百の損

「長寝は三百の損」の意味は、「長く寝たままで起きずにいることは、大きな損失になる」です。睡眠時間を長く取りすぎると、仕事や勉強が思うように進まないだけでなく、生活が不規則になり、体にも良くないことを示唆する言葉といえるでしょう。

【例文】

・うちの息子は毎日昼過ぎまで寝ているので、「長寝は三百の損」ということわざどおりならば、どれくらい人生で損をしているのかを考えると、気が遠くなります。

 

「早起きは三文の徳」の意味を知って上手に使いこなそう

朝日を見ながら飲み物を飲む女性

「早起きは三文の徳」ということわざには、「早起きすると、何かいいことがある」という意味があります。最後の漢字の部分は「徳」と「得」のどちらでも間違いではありませんが、「徳」を使うのが一般的です。

三文は現在のお金に換算すると、約100円であるため、ほんの少しだけ、早起きのメリットがあるというところがポイントといえるでしょう。「早起きは三文の徳」はさまざまな場面にあてはまることわざなので、上手に使いこなしてください。

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