【例文】
・すべての課題を一気に解消することは難しいので、優先順位を決め、最初に着手すべき課題を取捨選択する必要があります。
・新しいプロジェクトをスタートする際には、我々はリソースの制約を考慮したうえで取捨選択を行わなければならない。
・私は優柔不断な性格なので、取捨選択を迫られる場面になると、思考停止してしまうことがよくあります。
・人生においては取捨選択を求められる場面がたくさんあるので、自分の信念や目標に基づいて決断しなければならないことがあります。
取捨選択の類義語5つを使い方の違いも含めて解説
取捨選択には類義語がいくつかあります。おもなものは以下の5つです。
それぞれのくわしい意味や使い方の違い、例文などを解説します。
二者択一
二者択一とは、2つの物事のどちらかだけを選ぶことという意味の四字熟語で、読み方は「にしゃたくいつ」です。取捨選択との違いは、取捨選択がたくさんの対象の中から選ぶのに対して、二者択一は2つの中の1つを選ぶ点にあります。
【例文】
・本日の昼食のメニューは、カレーライスと天ぷらうどんの二者択一なので、かなりまよいました。
・野球選手として将来を嘱望されている彼が進むべき道は、進学するかプロ野球入りするかの二者択一です。
・私は勘がさえているので、二者択一の問題が得意です。
選別
選別とは、選び分けることという意味の語句で、読み方は「せんべつ」です。取捨選択には、選ぶだけでなく捨てるという意味があるのに対して、選別は捨てるという意味がなく、選ぶだけである点が違います。
また、選別の基準が「良い悪い」「必要不必要」であるとは限らず「目的に沿っているかどうか」である点も、取捨選択との違いです。
【例文】
・我が社の新規プロジェクトを成功させるためには、膨大な情報を適切に選別して、重要なデータを抽出する必要があります。
・部長は部下から出されたいくつかの提案の中から選別して、有益なアイデアを取り入れることにしました。
選定
選定とは、多くあるものの中から目的や条件に合ったものを選ぶことという意味の語句で、読み方は「せんてい」です。取捨選択が捨てる行為を含んでいるのに対して、選定は選ぶという行為に限定されています。
また、取捨選択は捨てる対象にも焦点が当てられますが、選定は選んだ対象のみに焦点が当てられる点が大きな違いです。
【例文】
・新しいチームリーダーを選定するために、役員会で入念な審査を行いました。
・金融の専門家である彼は、リスクの少ない投資先を選定するために、市場のトレンドと世界情勢を分析しています。
選考
選考とは、能力や人柄をじっくり調べて適任者を選び出すことという意味の語句で、読み方は「せんこう」です。取捨選択の対象が多様であるのに対して、選考の対象は、人であるのが一般的です。
また、選考には「しっかり選ぶ」ニュアンスがあることも特徴といえるでしょう。
【例文】
・私の住んでいる街のゆるキャラデザインコンテストで、いとこが選考されました。
・第一志望だった企業に、書類選考の段階で落とされたことは、今でも納得がいっていません。
吟味
吟味とは、物事をよく調べること、念入りに調査することという意味の語句です。この他にも、詩歌などを吟じてその良さを味わうことや罪状を調べること、監督することなどの意味があります。読み方は「ぎんみ」です。
取捨選択が取ることと捨てることであるのに対して、吟味は調べて選ぶことにポイントが置かれているという違いがあります。
【例文】
・起業して成功するためには、市場の潜在的なニーズを分析して、必要とされる要素を吟味する必要があります。
・難事件を解決するためには、複数の証拠を吟味するだけでなく、聞き込み調査のような地道な作業を重ねなければなりません。
取捨選択の意味を知って正しい使い方をしよう
取捨選択とは、良いものや必要なものを取り、悪いものや不必要なものを捨てて選ぶという意味の語句です。取ることと捨てることを行うことといえるでしょう。取捨選択は、日常生活はもちろんのこと、ビジネスのさまざまな場面で多用される言葉です。
また、二者択一・選択・選別・選考・吟味など似た言葉が数多くあるため、使い分けることを求められるケースもあります。取捨選択の意味を知って、正しい使い方をしてください。
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