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2024.05.12

便宜とは特別な計らいのこと!「べんぎ」と「びんぎ」の意味の違いをご紹介

便宜とは、特別な計らいや好都合なことを意味する言葉です。「べんぎ」と「びんぎ」の2つの読み方がありますが、どのように使い方や意味が違うのかご紹介します。また、類似する意味を持ち、言い換えに用いられる表現についても見ていきましょう。

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便宜とは?意味をご紹介

便宜(べんぎ)とは、特別な計らいやそのときに適したやり方、ある目的や必要なものにとって好都合なことを意味する言葉です。音信や、便りを指すこともあります。

オフィスで握手している女性 イラスト

(c)Adobe Stock

【便宜】べんぎ
1.ある目的や必要なものにとって好都合なこと。便利がよいこと。
2.特別な計らい。そのときに適したやり方。
3.音信。便り。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

読み方によって違う!「便宜」の意味をご紹介
  1. 「べんぎ」と読むとき
  2. 「びんぎ」と読むとき

「べんぎ」と読むとき

「便宜」は、「べんぎ」と読むことが一般的です。便利がよいことや特定の目的や必要なものにとって好都合なこと、特別な計らい、音信・便りを指して使います。

・資金調達の便宜を得たので、プロジェクトを開始できそうだ。

・どうしてもお金が足りません。申し訳ないのですが、便宜を図ってもらえないでしょうか。

・彼からは何の便宜もない。

 

「びんぎ」と読むとき

「便宜」は「びんぎ」とも読み、都合がよいことや好機、ついで、便り・音信の意味で使われます。

【便宜】びんぎ
1.都合のよいこと。また、そのさま。好都合。べんぎ。
2.よい機会。好機。ついで。べんぎ。
3.便り。音信。べんぎ。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

どのような意味で使うときも、「べんぎ」とも言い換えられるため、読み方による意味の違いはないと考えられます。

・便宜の場所で話し合いをしましょう。

・便宜なので、少し注意をしておきます。

・便宜がないのは元気に過ごしているからでしょう。

 

便宜を用いた表現を例文でご紹介

便宜は、そのままの形でも使いますが、次のように「的」や「上」をつなげて使うことがあります。

いずれも日常会話にも使われる表現です。例文を通して使い方を見ていきましょう。

ミーティング中の人たち イラスト

(c)Adobe Stock

便宜を用いた表現を例文で解説
  1. 便宜的
  2. 便宜上

便宜的

便宜的(べんぎてき)とは、その場の都合がよいようにとりあえず物事を処理する様子や、間に合わせのことを指す言葉です。

・便宜的にテーブルを移動させましたが、使いづらかったら元に戻してください。

・こちらのシートからファイルにアクセスできますが、あくまでも便宜的な手段です。通常は、ご自身のファイルボックスからアクセスしてください。

・便宜的な処置として、糸で結んでおきました。時間があるときに直してください。

 

便宜上

便宜上(べんぎじょう)とは、特別な計らいや、そのときに適したやり方を指す言葉です。

・便宜上、あなたの席はわたしの隣にしておきました。

・わかりやすさを重視して、便宜上、黄色のマーカーを引きました。

・議長がすべての決定権を持っているのは、便宜上の取り決めです。

 

なお、名詞の後ろに「上(じょう)」とつなげると、次の意味を示します。

・~に関して

・~の面で

・の上で

 

たとえば、次のように使います。

・一身上の都合により退職いたします。

・経済上の理由で、進学を断念した。

・行きがかり上、彼女をかばうことになってしまった。

 

便宜と類似する言葉・言い換えに用いる表現をご紹介

便宜と類似する言葉や言い換えに用いられる表現としては、次のものが挙げられます。

それぞれの使い方やニュアンスの違いについて、例文を通して見ていきましょう。

オフィスで握手する人 イラスト

(c)Adobe Stock

便宜と類似する言葉・言い換えに用いる表現
  1. 簡便
  2. 好都合
  3. 重宝
  4. 便利

簡便

「簡便(かんべん)」とは、簡単で便利なことや手軽なこと、また、その様子を指す言葉です。

・食事を簡便に済ます。

・簡便な道具を使うだけでも、作業効率が大幅に改善された。

・化粧品には興味がないが、簡便なものなら使ってもよいと思っている。

 

便宜には「便利がよい」という意味がありますが、「簡単」というニュアンスはありません。便利かつ簡単なときは、便宜ではなく簡便を使うほうが適切だと考えられます。

好都合

「好都合(こうつごう)」とは、条件などに適していて都合がよいこと、また、その様子を指す言葉です。

・好都合に物事が運ぶ。

・わたしにとっては好都合な申し出だが、ほかの人にとってはどうだろうか?

・明日は休講らしい。試験勉強をしたいので好都合だ。

 

好都合も便宜も、「都合がよい」という意味で使われます。しかし、好都合には「特別な計らい」という意味がありません。「特別な計らい」について表現するときは、「便宜を図る」のように便宜を使って表現するほうがよいかもしれません。

なお、好都合の対義語は「不都合(ふつごう)」です。都合の悪いことやその様子、けしからぬこと、不届き、生活が苦しいことなどに使われることがあります。

・彼にとっては不都合な話かもしれない。

・環境保護のための施策が環境破壊につながっている……。隠しておきたい不都合な真実だ。

・小学校には不都合なポスターといえるだろう。

 

重宝

「重宝(ちょうほう)」とは、貴重な宝物や便利で役に立つこと、便利なものとして常に使うことやその様子、貴重なものとして大切にすることを指す言葉です。

・彼にもらったテーブルを重宝している。サイズや高さが絶妙で、使いやすい。

・すてきな鏡をありがとう。重宝するね。

・わたしにとってこの鏡は重宝だ。

 

便宜も重宝も「便利がよい」という意味がありますが、便宜には「貴重だ」というニュアンスがありません。便利かつ貴重なことを表現したいときは、便宜ではなく重宝が適しています。

便利

「便利(べんり)」とは、目的を果たすのに都合のよいこと、あることをするのに重宝で役に立つことやその様子を指す言葉です。

・何の面白味もない街だが、生活するのに便利なところが気に入っている。

・便利な調理器具を買っても、使わなければ意味がない

・地下鉄ができて、便利になった。

 

便宜も便利も「都合がよい」という意味がありますが、便宜には「役に立つ」「重宝だ」というニュアンスはありません。役に立っていることを表現するときには、便利を使うほうがよいでしょう。

便宜を使いこなそう

「便宜」は、便利がよいことや特定の目的・必要なものにとって好都合なこと、特別な計らいなどを指すときに使われる言葉です。「便宜上」や「便宜的」と使うことが多いため、それぞれの例文を覚えておくと使いこなしやすくなります。

また、類似した意味で使われる言葉が多いのも「便宜」の特徴です。ニュアンスの違いに注目して、その場に適した言葉を使い分けるようにしてください。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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