【目次】
・将来が不安になる原因とは
・キャリアの不安への対処法
・お金の不安への対処法
・心身の健康に対する不安への対処法
・漠然とした不安への対処法
将来が不安になる原因とは
誰もが大なり小なり感じる<キャリア><お金>への不安。解決してもまた次の不安が押し寄せる不安スパイラルに陥ってしまう原因は? どうしたら抜け出せる? さまざまなジャンルのプロの声を交えて、考えてみましょう。
今後のキャリアが心配
妊娠したとき「職場に申し訳ない」と落ち込みました【ワーママの転職/畑川麻紀子さんの場合
働き方改革が進み、「働きやすさ」は手に入っても、それがキャリアの不安解消になるわけでもなく…。かえって、将来の不安を押し上げているという声も。
人材採用のエン・ジャパン調べでは、「働き方改革によって失ったものはなんですか?」に対する答えのトップ3が、<収入><仕事へのやりがい><本業に集中できる時間>でした。
また、「働き方改革に取り組んでいない」人であっても、働き方改革に対して「期待」と「不安」がほぼ同数の回答。ただし、企業規模が大きくなるほど不安視している人が多いという結果も。「大企業にいるから安泰」は過去のもの。会社に依存せずに切り拓くことが求められるのがいまどきのキャリア、というわけです。
お金にまつわる不安
心配性でケチケチ生活。幸せになれるかしら…?【働く女性の質問箱】
社会的地位が高くなったり、家族が増えたりするとともに、かかるお金も増えるのは当然のこと。その不安が高まって、現状の仕事を見直そうと考えるのも、また当然のこと。
エン・ジャパンの調べによると、「転職を考えたきっかけ(男女・複数回答)」のトップは「給料の低さ」で、全体の43%が回答。回答者の中には「役職についても、給与が変わらない」「7年在籍しても、給料が上がらないし、昇進もない」といった声がありました。
「給与の低さ」の回答を男女別でみると、男性(41%)より女性(44%)。わずかに女性が多いものの、昇進・昇給への不満と不安の気持ちは、男女共通といえそう。
キャリアの不安への対処法
昇進か、プレイヤーでい続けるか。ワーママがぶつかるキャリアの壁、乗り越えるには?【登坂アナになんでも聞いてみよう】
わかりやすくエスカレーター式の昇格・昇給がのぞめない今のご時世。何が正解で、何が幸せなキャリアの形なのか、定義しにくくなっているのは事実。それだけに、「これでいいのか」と不安になってしまいがち。そんなときの対処法は?
現状を受け入れて努力する
他人のキャリアの成功や昇格を「うらやましい」と思ってしまうのは、避けられないこと。でも、考え方ひとつで自分を楽にすることは可能。
「どんな人、どんな家庭にも悩みはあって、それが外から見えないだけ。他人の家庭や持っているものを物差しにしてものごとを判断していると、自分がキツくなるいっぽうです」(霜田里絵先生/銀座内科・神経内科クリニック院長・医学博士)。【働く女性の質問箱】より
スキルや資格を身につける
転職のプロに聞く!働きながらの英語学習、どうする?【働く女性の質問箱】
いったん社会に出た大人が、もう一度学びに戻ったり資格を取ったりするトレンドは、ますます加速。
人材採用のエン・ジャパンによると、「リカレント教育(学び直し)」を受けたいと考えている人は90%(「ミドルの転職」サイト利用の35歳以上にアンケート)。関心をもったきっかけは、
第1位「今後の人生を有意義にするため」(67%)、
第2位「教養を深めるため」、「就職や転職のために必要性を感じたため」(ともに51%)
と、目の前の仕事だけでなく、先を見据えての学びを検討していることがわかります。
ちなみに学びたいことの1位は「英語などの語学力」(58%)、2位が「経営・ビジネスに必要な知識や能力」(57%)、3位「専門的な資格の取得」(48%)という結果でした(複数回答)。
お金の不安への対処法
給料の問題だけでなく、出て行くほうのお金についても、不安になる要素。おさえておくべきお金の知識を見直してみましょう。
保険に加入する
保険は、万が一のときの備えとして活用したいけれど、一方で本当に今の生活に必要な保険内容の見直しも大事。
「たとえば、夫婦それぞれが独立して生計を立てているなら、(相手にお金を残す目的の)死亡保障は必要ありません。また、健康な体で今後も入院の可能性が低いなら、無理して医療保険を払い続ける必要もないと思います」(ファイナンシャルアドバイザー・井戸美枝さん)
目標を決めて貯金を始める
「家計簿」は捨てても大丈夫!? お金の見直しする時に大事なのは…
「働く女性の9割が金銭面に不安を抱えていつつも、8割は定年後に必要なお金を把握していない、というのが現状。
漠然とお金への不安を抱える人ほど、ぜひ収支の把握を。チェックしておくべきは、10年ごとのスパンで人生を考え、そのときにどんな出来事があって、出費がありそうなのか。また入る年金はどれくらいで、足りないぶんをどうカバーするか。まずは整理することから始めましょう」(ファイナンシャルアドバイザー・井戸美枝さん)
整理して、足りないとわかった具体的金額を、今後の貯金でうめていく。「目安は収入の15%貯金すること」(井戸さん)ですが、収入アップが見込みにくい今、「無理なく続けられる貯金額」を見極めて継続を。
参考/『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(井戸美枝・著)
心身の健康に対する不安への対処法
『70歳までは現役でいたい!』~女・妻・母~今月の妻:愛場吉子さん
体が弱くなれば心もダウン…。ともにモチベーションを保つのは難しいけれど、まずは生活の基本を見直すことで、少しは回避できそう。専門家のアドバイスを参考に!
適切な食事、運動、睡眠を心がける
ストレス対策としてはもちろん、ウイルス対策としても見直されている、<食事><運動><睡眠>の大切さ。特に、体と心に栄養をゆきわたらせる三度の食事は、改めて見直しておきたいもの。
「ストレスが原因で体調を崩した人の食生活を調べると、偏食や不規則な食事、欠食、少食といった傾向がみられます。また、甘いもののとりすぎは精神や神経の安定に大きく作用するビタミンB群を大量に消費してしまうので、控えましょう」とアドバイスするのは、管理栄養士の堀知佐子さん(ワコールボディブックより)。
カウンセリングを受ける
話を聞いてもらいたいとき、解決法を示してもらいたいとき、心療内科やカウンセラーに相談するのも、ひとつの手。また、社員のために産業医を置いて、ストレスケアに力を入れている企業もあります。
「私が産業医として面接をするとき、患者さんに「週末はどう過ごしていますか?」と聞きます。2日ある休みのうち『2日とも寝ている』人は、ダメージが強いということ。職場の上司に仕事量を相談する、産業医に相談する、家事や育児の負担軽減を家族と相談する、など対策をおすすめします」とアドバイスするのは、霜田里絵先生(銀座内科・神経内科クリニック院長・医学博士)。【働く女性の質問箱】より。
「また、悩んだときのために、『それダメだよ』ではなく、『それもいいんじゃない?』と言ってくれる肯定型の人間関係を保っておきましょう。自分自身も楽になります」と霜田里絵先生(【働く女性の質問箱】仕事に失敗!なかなか立ち直れません)。
漠然とした不安への対処法
ここまで、<お金><キャリア><健康>といった不安への対処法を見てきましたが、これらにカテゴライズできない<ふんわりした><なんとなく>感じる不安が多いのも事実。これが意外と、眠れない原因になったり、見えないストレスとして蓄積したり…。効果的な対処法はあるのでしょうか。
抱えている不安を明確にする
漠然とした不安でストレスを感じている人に、女性キャリア支援活動をしている大原しおりさん(エン・ジャパン)はこうアドバイスします。
「抱えている不安の内容を明確にするのが、解決への近道です。頭の中に浮かんでくる心配事や悩みを、一度ノートなどに書き出してみましょう。
文字にすることで、ぼんやりとしていた不安の内容が整理され、解決すべき課題が見えてきます。さまざまな不安を同時に抱えていても、課題がはっきりしていれば、優先順位をつけて一つずつ対処できるでしょう。また、文字にした内容を読んでみたら、それほど深刻な悩みではなかったと気付くケースもあります」(【働く女性の質問箱】寝るとき、やることが次々浮かんで眠つけません)
案ずるより書くが易し。日記や文章となると「続かない」人も、簡単なメモならできそうですね。
気分を切り替える
外出自粛中に#STAY HOMEをベランダで楽しむ方法【川口ゆかりの丁寧な暮らし】
「組織(会社)にいる自分だけでなく、たくさんの顔をもつことは、心のセーフティーネットになります。会社にいる自分、新しいことを学ぶ自分、父や母としての顔、趣味の仲間と遊ぶ自分、習い事で新人生徒としての自分…。ひとつうまくいかなくても、まるで『すべて終わった』みたいな気分にならなくてすみますからね」(イーウーマン所属のキャリアコンサルタント・新井千晶さん)
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