蝦蟇の読み方と意味
蝦蟇は、普段から使用頻度の高い言葉ではないため、読み方や意味に自信がない方もいるはずです。しかし、実際には馴染みのあるあの両生類を指す言葉です。
蝦蟇の正しい読み方は……「ガマ」でした!
そして蝦蟇は、ヒキガエルを意味します。本記事では、蝦蟇の読み方と意味について詳しくご紹介します。
蝦蟇の読みは「ガマ」
蝦蟇は、普段あまり見慣れない漢字を使っているため、ヒントなしに読める方は少ないかもしれません。蝦蟇は「ガマ」と読むのが正解です。
かつては「かま」とも読まれていたようです。ガマという読み方を知れば、次にご紹介する意味を推測するヒントになるかもしれませんね。
蝦蟇はヒキガエルの俗称
虫という漢字が使われているため、何かしらの生物の名前だと予想できた方もいるでしょう。蝦蟇は、両生類のヒキガエルを指す言葉です。
【蝦蟇/蟇】がま
《古くは「かま」》ヒキガエルの俗称。《季 夏》
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「ガマガエル」という名称を耳にした経験がある方もいるかもしれません。実は、ガマガエルとはヒキガエルの別名で、両者に違いはありません。
ヒキガエルは、多くの別名をもっています。他にも「イボガエル」や「蟾蜍(せんじょ)」、読み方は同じでも漢字が異なる「蟇蛙(ひきがえる)」「蟇(ひきがえる)」「蟆(がま)」などの別名があります。
傷薬として用いられた蝦蟇の油(がまのあぶら)
蝦蟇の分泌液から作られる蝦蟇の油は、江戸時代から明治時代にかけて傷に効く薬として用いられていました。現在では実際に蝦蟇から取れた成分を使っているわけではありませんが、今でもお土産として蝦蟇の油は存在しています。
ヒビやあかぎれなどの外傷に効果があるとして活躍した蝦蟇の油について詳しくご紹介します。
江戸時代から明治時代に販売された
蝦蟇の油は、江戸時代から明治時代にかけ、お祭りや縁日で香具などを販売する香具師(やし/こうぐし)によって売られていました。ヒキガエルから採集した分泌液を豚脂などと混ぜて作られた軟膏タイプの薬が蝦蟇の油です。
「さあさあお立会い」から始まる独特の宣伝文句が人々の注目を集め、江戸時代に蝦蟇の油の知名度が高まりました。蝦蟇の油の発祥とされる茨城県つくば市の筑波山には、1949年に始まった「がま祭り」や「がま口上」の伝統が受け継がれています。
蝦蟇の油の効能
蝦蟇の油の効能は、ヒビやあかぎれなどの外傷の治癒です。一方で、現在筑波山でご当地土産として販売されている「ガマの油」は、江戸時代の商品とは成分も異なり、医薬品ではなく化粧品に該当します。
肌荒れを防ぎ、キメを整えてくれるのが、現在のガマの油の効能です。お肌の水分や油分を補い、乾燥しやすい時期のケアにも役立ちます。
蝦蟇口財布の由来と意味
蝦蟇と聞いて多くの方がイメージしやすいのは、大きく口が開けられる蝦蟇口の財布でしょう。日本でも馴染みのある形の財布として、日常的に多く見かけるアイテムの1つです。
しかし、実は蝦蟇口はフランスから伝わった品物なんです。蝦蟇口の歴史や込められた意味を見ていきましょう。
由来は蝦蟇ガエルが大きく開いた口に似ていたこと
蝦蟇口財布の名前は、財布の形が蝦蟇ガエルが大きく口を開けている姿に似ていることに由来しています。大きく開いた口の部分からお金が取り出しやすく、使い勝手がよいのが蝦蟇口財布が長く愛されている理由です。「出したお金が帰ってくる」として金運を呼ぶとも言われており、縁起が良いのもポイントです。
蝦蟇口はフランスから伝わった
財布やカバンに用いられる蝦蟇口は、日本由来のものだと思いがちですが、実はフランスから伝わった舶来品です。日本に伝わるきっかけとなったのは、明治時代にヨーロッパやアメリカなど西洋を巡った政府の御用商人である山城屋和助がフランスから持ち帰ったことです。
当時フランスで大流行していた革製品や口金付きのバッグなどからヒントを得て、誕生したのが蝦蟇口でした。かつては高価な品物でしたが、徐々に庶民でも手が届く価格で流通していき、最終的に明治時代には日本の文化として定着するようになりました。
身軽な恰好でも持ちやすく、大きな口でお金や物の取り出しがしやすい蝦蟇口タイプの財布やバッグは、デザインと実用性を兼ね備えたアイテムとして日本の日常に溶け込んでいます。
蝦蟇口財布を贈る意味
蝦蟇口財布は金運が良いアイテムとして好まれており、プレゼントとして贈るのにもおすすめです。蝦蟇口財布の特徴である大きな口は、お金をたくさん入れられるように口を開けて待っている状態と考えられています。また名前の由来となったカエルの語呂合わせで「お金が帰る」「無事帰る」と考え、縁起の良い財布とされています。
蝦蟇とはさまざまな所で活用されている言葉
蝦蟇とは、ガマと読み、ヒキガエルの俗称として使われる言葉です。ヒキガエルには多くの別名が存在し、その別名の1つであるということも押さえておきましょう。
江戸時代から明治時代にかけては、蝦蟇の抽出液から作った蝦蟇油が、ヒビやあかぎれに効く軟膏薬として使われていました。蝦蟇油を売る時に用いられた「がま口上」は、筑波山の伝統として現在まで伝えられています。また、日本でもお馴染みの「蝦蟇口の財布」は口を開けた蝦蟇の姿に似ていることから名付けられたもの。実はフランスから伝わったアイテムです。
蝦蟇という言葉は読み方が難しいですが、古くから日本に馴染みの深い言葉でもあることを知っておきましょう。
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