ウールとはどんな素材?
ウールは主に羊毛のことをいいますが、正確にいうと、カシミヤやアンゴラ、アルパカ、キャメルなどの獣毛もウール。しかし、カシミヤやアンゴラなどは、そのまま名前で表記されることがほとんどです。よって、ウールと表記されているものの多くは羊毛であることが多いでしょう。
ウールにはどんな特徴がある?
ウールは動物の毛。天然ならではの性質があります。ウールにはどのような特徴があるのかみていきましょう。
1:水を弾くが吸湿性に優れている
ウールの表面には撥水性の膜があるため、水を弾く性質を持っています。その一方で、湿気を吸ってくれるのもウールの凄いところ。汗をかいても、ウールが湿気を吸い、空気中に放出してくれるため、衣服内で蒸れにくく体温が奪われません。また撥水性があるため、汚れがつきにくいのも特徴のひとつです。
2:保温性に優れている
ウールは複雑に繊維が絡み合うため、繊維内に多くの空気を含みます。そのため、熱を逃がしにくく高い保温性を持つのが特徴です。
3:シワになりにくい
ウールの繊維には弾力性があり、型崩れしにくく、シワにもなりにくいのも特徴。もし、シワができてしまったとしても、スチームアイロンなどの蒸気を当てるとすぐに戻ることが多いです。
4:伸縮性がある
ウールの繊維は縮れているため、伸縮性を持ちます。そのため体にフィットして厚手のセーターでも着やすいでしょう。
5:燃えにくい
ウールの毛先に火をつけると表面は焦げますが、燃え広がることはなく自然に消えます。それは、ウールはタンパク質からなり、多くの窒素と水分を含むため。またウールの発火温度は600℃前後。非常に燃えにくい素材であるといえます。
6:水洗いすると固くなる
ウールは水洗いすると、縮んで固くなってしまうことがあると思います。ウールが水分を含むと、繊維同士がガッチリと絡み合い、固く動かなくなるためです。
ウールを洗濯する際のポイントは?
ウールは自宅で洗濯することができますが、以下のポイントを抑えておくことが大切です。
洗濯表示を確認する
ウールを洗濯する前には、衣類についている洗濯表示を確認しましょう。まずは水で洗えるのかをチェックします。「水洗いNG」という表示がなければ、水洗いが可能です。そして次にドライクマークの有無をチェックします。ドライマークは、ドライクリーニングが必要だというマーク。
もし、ドライマークがあったとしても、水洗いがOKであれば、中性洗剤、おしゃれ着洗い洗剤で洗濯することができます。しかし、ドライマークがあり、「水洗いNG」であれば、ドライクリーニングが必要です。
色落ちしないかをチェック
水洗いが可能なウールだとわかれば、次にチェックするのは「色落ちしないか」です。ウールは色落ちしにくい特性を持っていますが、「洗い上がると色が変わっていた」なんてことも。そうならないためにも、まずはウールの衣服の裏側など、目立たないところに少しだけ洗剤をつけます。そして5分ほどおいて、白い布などを当てて色移りしないかをみましょう。白い布に何も色が移らなければOKです。
しかしもし、布に色が移っていた場合は、クリニーングに出した方がよいでしょう。
ウールの洗濯方法は?
ウールは洗濯機で洗えるものが多いですが、非常にデリケートな素材であるため、なるべく手洗いすることをおすすめします。ウールを手洗いする方法をチェックしていきましょう。
ウールの手洗い方法
1. 洗面器にぬるま湯(30~35℃)とおしゃれ着用の中性洗剤を入れます。温度が高すぎると、ウールは縮みやすくなり、また低すぎてもウールについた皮脂が落ちないため、ぬるま湯で洗いましょう。
2. ぬるま湯を入れた洗面器に、ウールの衣類を入れます。強く擦ったりせずに、手のひらで押して洗います。
3. 洗面器の水を何度か入れ替えて、洗剤の泡がなくなるまですすぎます。このときも、ウールを強く擦らずに、優しく押すように洗剤を洗い流してください。
4. すすぎ洗いが終われば次は脱水です。洗濯機の脱水機能を使うと縮みの原因になるため、タオルでウールの衣類を挟み、上から押して水気をとりましょう。
ウールは洗濯機で洗える?
最近はウールの繊維の表面に加工が施され、縮みにくいものもあります。洗濯機OKの場合、洗濯機で洗うことが可能です。ウールの衣類を洗濯機で洗う際のポイントをみていきましょう。
洗濯ネットを使う
ウールの衣類を裏返しにして畳み、洗濯ネットに入れましょう。型崩れや毛玉がつくのを防ぐことができます。またネットは、大きすぎるとネット内で衣類が動き傷む原因に。ちょうど良い大きさを選ぶのがポイントです。
洗濯機のコース設定
ウールを洗う際は、洗濯機のコースを変えるのがおすすめです。通常のコースだと、強すぎてウールにダメージを与えてしまうことも。コースは洗濯機にもよりますが、手洗いコースやドライコース、ウールコースに設定すると通常のコースより優しく洗うことができるでしょう。
中性洗剤・おしゃれ着洗い洗剤を使う
ウールなどの動物の毛は、酸性には強いですが、アルカリ性には弱いという特性があります。多くの洗剤はアルカリ性です。アルカリ性の洗剤でウールを洗ってしまうと、毛を傷めてしまいます。そのため、ウールを洗うときは、おしゃれ着洗い洗剤などの中性洗剤を使うのがおすすめです。
柔軟剤を入れる
柔軟剤の成分がウールの繊維を滑らかにしてくれ、ふわふわの仕上がりに。また、繊維同士の摩擦が起きにくくなるため、静電気などの発生も防止することができます。
ウールの型崩れしない干し方は?
ウールは型崩れを防ぐために、平干しがおすすめです。ハンガーや洗濯竿に吊るして干すと、ウールの網目が伸びて型崩れを起こす原因に。またウールは日光に当てると毛が痛んでしまうこともあるため、平らに置いて陰干ししましょう。最近では平干し専用のアイテムなどが多く売られているので、それらを利用するととても便利です。
最後に
温かく着心地が良いウール。大切に着ているセーターなどをお持ちの方も多いのではないでしょうか。ウールはとても繊細な素材です。お気に入りのウールが縮んだり傷んでしまうととてもショック。そうならないためにも、丁寧に洗濯して大切に着たいものですね。
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