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月並みとは?由来や使い方を解説
「月並み」には、二つの意味があります。まずは、「月並み」のそれぞれの意味や言葉の由来を理解しましょう。併せて、ビジネスシーンでの使い方も紹介します。
2つの意味を持つ言葉
「月並(み)」には、以下のように二つの意味があります。
1. 新鮮味がなく平凡なこと。平均的でありふれていること
2. 毎月定例で行われること。月に一度あること。毎月
どちらの意味で使われているのかは、文脈から判断しましょう。たとえば「そのアイデアは月並みでおもしろくない」であれば「1」の意味になり、「今月の月並会は15日に開催です」であれば「2」の意味になります。
とはいえ、現在会話や書面で見聞きする月並みは、その大半が「1」のケースです。「2」の意味で使われるのは、まれといえます。
現在のように使われるようになったきっかけは正岡子規?
「月並み」が現在の意味合いで使われるようになったきっかけは、明治時代に活躍した俳人である正岡子規の言葉とされています。
もともと「月並み」は、「月に一度」「月例」という意味で使われる言葉でした。江戸時代から俳句の世界で行われていた「月並み句合わせ」「月並みの会」は、月に一度開催されていた俳句の定例会のことです。
正岡子規は、当時の俳句について、平凡で俗っぽいとの批判的なスタンスを取っていました。彼が「月並みの会で読まれるような新鮮味のない俳句」を「月並俳句」と批判したことにより、「月並み」に「ありきたり」「平凡」といった意味で使われるようになったとされています。
ビジネスシーンでの使い方
ビジネスシーンにおける「月並み」は、何かを評価するときはもちろん、謙遜する場合にも使われます。
具体例としては、他者のアイデアを「少し月並みな印象ですね」と評価したり、自分のアイデアについて「月並みな発想ではありますが」と謙遜したりする言い回しが挙げられます。
ただし「月並み」は、そもそも「ありきたり」「平凡」といったネガティブな意味合いの言葉。ビジネスシーンで使用した場合、不遜な印象を与えたり、卑屈な印象を与えたりする可能性があるため、使用する際には注意が必要です。
月並みの類義語
「月並み」を別の言い回しで表現したい場合、適切な言葉にはどのようなものがあるのでしょうか?「月並み」の類義語について詳しく紹介します。
人並み
「人並み」は、「世間一般的とされる人と同程度であること」を意味する言葉です。平均的な状態を意味することから「月並み」の類義語となります。
〈例文〉
●このジャンルはわたしの専門ではありませんが、人並みの知識はあります
●人並みのコミュニケーション能力があれば、十分によい関係を築けるだろう
なお、「月並み」が「ありふれた」「つまらない」といったネガティブなニュアンスを含む言葉であるのに対し、「人並み」にはネガティブなニュアンスが含まれないことがほとんど。そのため、あまり謙遜する必要がないときや、不遜な印象を与えたくないときにも使いやすい言葉といえます。
凡庸(ぼんよう)
「凡庸」は「平凡で、これといって秀でたところがないこと」を意味する言葉です。よくも悪くも平均的なことや、状態を表現するときに使用される言葉で、「月並み」と同様にややネガティブなニュアンスを含みます。
〈例文〉
●今年の新入社員はみな凡庸で「これは」と思わせる人材がいない
●あのデザインはあまりにも凡庸だ
「凡庸」が持つネガティブなニュアンスを踏まえると、否定する意図がない場面で使った場合は、誤解を招く可能性があるため注意が必要です。
月並みの対義語
「月並み」とは逆の意味を持つ言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?主な対義語を二つ挙げて紹介します。
奇抜(きばつ)
「奇抜」は、「他とは違って意表をついていること」「珍しく感じられるほどに優れていること」を意味する言葉です。
予想もしないほどに素晴らしいものや人などに対し、ポジティブなニュアンスで使うこともあれば、「とっぴで変わっている」というネガティブなニュアンスで使われるケースもあります。
〈例文〉
●奇抜な画風で人気の画家の個展が開かれている
●彼のファッションは奇抜で近寄りがたい
一般的に、ネガティブなニュアンスで受け取られやすい言葉なので、正しく意図が伝わるような言い回しを心がけることが大切です。
非凡(ひぼん)
「非凡」は、「平凡ではないこと」「通常よりも優れていること」。平均的なことを意味する「平凡」の対義語にあたります。平均的でありふれていることを意味する「月並み」に対しても、反対の意味を表す言葉です。
〈例文〉
●彼女の非凡な才能には驚かされるばかりだ
●弊社が御社に求めているのは、これまでにない非凡な発想です
「非凡」は、ネガティブな意味合いは含みません。他とは違う才能や魅力について言及する際に使われる、ポジティブなニュアンスのある言葉です。
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