「送付させていただきます」の5つの反対語
「送付させていただきます」の反対語には、「受け取りさせていただきます」「受理させていただきます」「受領させていただきます」「拝受します」「拝領します」があります。それぞれ意味合いや使い方が異なりますので、しっかり確認しましょう。

受け取りさせていただきます
「受け取りさせていただきます」は、「受け取る」に「〜させていただく」を付けた謙譲表現です。「受け取る」には、「渡されたものを自分の手にする」という意味があります。
こちらは誰が受け取るのかによって敬語の使い方が変わるのが特徴です。自分が受け取る場合は謙譲語を使用し、相手が受け取る場合には尊敬語が使われます。「受け取りさせていただきます」は自分が受け取るときに使用する言葉です。
【例文】
・送っていただいた商品を受け取りさせていただきました。
・資料を受け取りさせていただきます。
受理させていただきます
「受理させていただきます」は、「受理」に「〜させていただく」が付いた言葉です。そもそも「受理」とは、提出された届出書や訴状などの書類を公的機関や会社が受け取って処理することを意味します。 ただし、「受理」する対象は書類のみです。物品には使えないので注意しましょう。
【例文】
・提出された願書を受理させていただきます。
受領させていただきます
「受領させていただきます」は、「渡されたものを受け取る」という意味の「受領」という言葉に「〜させていただく」を付けた表現です。なお、「受領」は重要な物を受け取るときしか使えません。
〝重要な物〟には、たとえば機密事項が書かれたメールや受領書、請求書などが挙げられるでしょう。ビジネスの場面でもよく使用されますので、「送付させていただきます」の反対語として覚えておきましょう。
【例文】
・打ち合わせの内容を取りまとめた資料を受領させていただきました。
・請求書を受領させていただきます。
拝受します
「拝受します」は、謙譲語の「拝受(はいじゅ)」に「する」の丁寧語「〜します」を付けた言葉です。「拝受」とは、受け取ることをへりくだる表現で「つつしんで受ける」の意味があります。
「拝受」は、自分がへりくだり相手に敬意を表す表現なので、基本的に上司や取引先など目上の方に対して使用します。部下や後輩といった自分より立場が低い相手には使用しませんので、注意が必要です。
また、「拝受させていただきます」という言い回しは謙譲語が重なった二重敬語にあたりますので、誤用しないよう気をつけましょう。「拝受いたします」はビジネスシーンで日常的に使われる表現ですが、二重敬語とする説もあるため「拝受します」と言うことをおすすめします。
【例文】
・本日、○○様より商品カタログを拝受します。
・先日依頼したプレゼン資料を本日拝受しました。迅速にご対応いただき、誠にありがとうございました。
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拝領します
「拝領」に「〜します」を付けた「拝領します」。「拝領」は物品をもらうという意味の謙譲語で、基本的に相手が社長や責任者など目上の人に対して使用されます。
「拝領」は丁寧な言葉ですが固い表現なので、上司や取引先に対して使用すると仰々しい印象を与えることもあります。「拝領します」は、社長や責任者など限られた相手に適した表現であることを覚えておくと良いでしょう。
「拝受」と同じく、こちらも「拝領させていただきます」という言い回しでは二重敬語となってしまいますので注意してください。また、「拝領いたします」に関しても、前述の「拝受いたします」と同様です。
【例文】
・取引先の社長からお礼の品を拝領しました。
・このようなお品を拝領し、身にあまる光栄です。
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「送付させていただきます」の英語表現
「送付させていただきます」の英語表現には、「I will send」「remit」があります。それぞれの正しい意味や使い方を解説しますので、海外との取引がある場合に使用してみてください。

「I will send」を使う
「送付させていただきます」の英語表現のひとつに、「I will send」があります。「send」は、「(資料や品物)を送る」という意味です。
【例文】
・I will send the documents that you requested.
(以前ご依頼いただいた資料を送付させていただきます)
・I will send you some products today.
(本日商品を送付させていただきます)
お金を送付する場合は「remit」
お金を送る場合は、「remit」を使用するのが望ましいです。「remit」には、「送金する」といった意味があります。そのため、お金を送付するときは「send」よりも「remit」が適しています。
【例文】
・I remitted the payment through international money transfer.
(支払金を国際送金で送付させていただきました)
・I will remit you the amount billed at the end of the month.
(月末に請求額を送金させていただきます)
「送付させていただきます」に関するよくある質問
ここからは「送付させていただきます」に関する、よくある質問に答えていきます。
Q1. 「送付」と「添付」の違いは?
「送付(そうふ)」と「添付(てんぷ)」は、どちらも何かを相手に送る行為を指しますが、その方法と対象に違いがあります。
送付は主に郵送や宅配便など、物理的な手段で物を送る場合に用いられます。手紙、書類、品物などを送る際に使われるのです。
【例文】
・お資料を郵送にて送付いたします。
・サンプルを本日送付いたしました。
添付は主に電子メールなどの電子的な手段で、ファイルなどを付け加える場合に用いられます。書類データ、画像データなどをメールに含めて送る際に使われるでしょう。
【例文】
・企画書をメールに添付いたしました。
・写真データを添付しております。
このように、「送付」は物理的な物を送るのに対し、「添付」は電子的なファイルなどを付け加えるという違いがあります。
Q2. 「送付させていただきます」と「送付いたします」の違いは?
「送付させていただきます」と「送付いたします」は、どちらも相手に物を送ることを伝える丁寧な表現ですが、謙譲の度合いやニュアンスに違いがあります。
「送付いたします」は、自分の行為(送付する)を、相手に対して丁寧に伝える謙譲語です。客観的で形式的な印象を与えます。
【例文】
・関連資料を送付させていただきますので、ご確認ください。
・ご希望の資料を送付させていただきます。
「送付させていただきます」は、「送付する」という自分の行為に、相手への許可や恩恵といったニュアンスを含む謙譲語「〜させていただく」を付けたものです。より丁寧な印象を与えますが、送る際に相手の許可が必要な場合や、送ることが相手にとって何らかの利益になる場合に使うのが適切とされています。
【例文】
・関連資料を送付させていただきますので、ご確認ください。
・ご希望の資料を送付させていただきます。
一般的には、「送付いたします」の方が形式的で幅広く使える表現といえます。「送付させていただきます」は、より相手への配慮を示したい場合や、許可を得たニュアンスを含ませたい場合に適しているでしょう。
「送付させていただきます」を正しく使おう!
- 「物を送らせていただきます」という意味だが、先方の許可がないと使えない言葉である
- 資料をメールで送る際は「添付」を使う
- 類語には「郵送」「添付」「発送」、反対語には「受け取り」「拝受」「拝領」などがある
「送付させていただきます」には、「物を送り届ける」という意味があります。自分をへりくだる謙譲表現の「〜させていただく」が付いているので、上司や取引先など目上の方にも使える言い回しです。
ビジネスでも、資料や品物など物品を送る機会は数多くあるでしょう。そんな場面で正しく使えるように、意味や使い方をしっかりマスターしておくことが大切です。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
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