【目次】
・「酸素系漂白剤」とは?
・「酸素系漂白剤」で落とせる汚れの種類
・酸素系漂白剤の使い方
・家中のさまざまな場所で活躍
・使用する際に気を付けたいこと
「酸素系漂白剤」とは?
子どもが一生懸命食べる姿はかわいいものですが、やはり気になるのは食べこぼし!「この汚れ落ちるかな?」と不安になった場合は、酸素系漂白剤の使用がおすすめです。
「酸素系漂白剤って何?」と思ったママは、漂白剤の役割や、酸素系・塩素系漂白剤の違いをチェックしてみましょう。
まずは「漂白剤」について知ろう
「漂白剤」とは、化学反応で色素を分解する薬剤の総称です。強い脱色効果を持つのが特徴で、家庭用としては「洗濯用」「台所用」などがあります。子どもの食べこぼしのシミ・汚れを落としたり、まな板に付いた食材の色移りを落としたりするときに重宝します。
このほか、漂白剤に期待できるのは以下のような効果です。
・繊維の黄ばみを落とす
・除菌
・臭い除去
ただし、漂白剤を選ぶときは「酸素系」「塩素系」の表示に注意しなければなりません。
両者は特徴や漂白力が異なるほか、混ぜると有害な物質を発するものもあります。汚れの程度や繊維に与えるダメージなどを考慮して、用途に合う漂白剤を選ぶことが大切です。
「酸素系」と「塩素系」の違い
「酸素系」と「塩素系」は、主成分が異なります。両者の主成分は、以下の通りです。
・「酸素系」:過酸化水素や過炭酸ナトリウム
・「塩素系」:次亜塩素酸ナトリウム
まず酸素系は、泡で汚れを剥がして落とします。色素を漂白する力はなく、色柄ものの汚れ落としに使っても問題はありません。
一方で塩素系は、強い漂白力を持ちます。あらゆる色素を分解するため、色柄ものに使うと色落ち・柄落ちすることがほとんどです。強アルカリ性なので繊維にダメージを与えやすく、洗濯により生地を傷める恐れがあります。
色柄ものの洗濯だけなら、酸素系漂白剤の方が安心です。ただし、強い「除菌」「殺菌」効果を望む場合は、塩素系漂白剤の方が目的にかなっています。
「酸素系漂白剤」には2タイプある
酸素系漂白剤には「粉末タイプ」「液体タイプ」があります。どちらも同じ酸素系に分類されているものの、成分や漂白力は異なります。それぞれの主成分は次の通りです。
・「粉末タイプ」:過炭酸ナトリウム
・「液体タイプ」:過酸化水素
このうち、より漂白効果が高いのは粉末タイプです。粉末を水やお湯に混ぜると活性酸素が発生し、酸化作用で漂白します。
除菌効果が高く油汚れまで落とすため、お風呂や食器洗い、消臭などにも有効です。ただし素材に与えるダメージは大きく、デリケートな素材には使えません。一方、液体タイプは漂白力は粉末タイプほど高くないものの、素材を選ばずに使えます。洗濯用洗剤と混ぜて使うのが一般的です。
「酸素系漂白剤」で落とせる汚れの種類
酸素系漂白剤には、得意な汚れ・不得意な汚れがあります。家族の衣類に付いた汚れを漂白するときは、その汚れと漂白剤の相性を考慮することが必要です。
酸素系漂白剤で落とせる汚れの種類について見ていきましょう。
汗ジミ・皮脂・カビ・油など
より漂白効果が高いといわれる粉末タイプの酸素系漂白剤は、弱アルカリ性です。家の中の汚れはほとんどが酸性ですから、粉末タイプだけで家中の汚れに対応できます。例えば、以下のような汚れには酸素系漂白剤が向いています。
・洗濯洗剤で落ちなかった汗ジミ
・靴下の皮脂汚れ
・カップの茶渋汚れ
・食べこぼしの油汚れ
・血液汚れ
・バスタブの汚れ
・洗濯槽の汚れ
このほか、衣類の黄ばみや生乾き臭を防ぐのにも、酸素系漂白剤が有効です。
また、同じく弱アルカリ性の性質を持つ洗浄成分として、「重曹」や「せっけん」が挙げられます。洗浄力を重視するなら酸素系漂白剤ですが、使用するうえで体に与える影響が小さいという利点があります。
重曹やせっけんで落としきれなかった汚れについては、酸素系漂白剤を試してみるのがおすすめです。
使用できない素材に気を付けよう
漂白力が高い粉末タイプの酸素系漂白剤は、シルク製品やウール製品には使えません。繊維にダメージを与え、元の風合いや手触りが失われる可能性があります。
シルク製品やウール製品の漂白をしたい場合は、「液体タイプの酸素系漂白剤」を使いましょう。弱酸性のため、繊維を傷める心配がありません。ただし、用法・用量はラベルに書かれている指示に従うことが大前提です。
なお、金属染料や金属製のボタン・ファスナーなどは、粉末・液体問わず使えません。同様に、水洗い不可の製品に漂白剤を使うのも避けましょう。
酸素系漂白剤の使い方
日々忙しくしているワーママには、わずかな時間も惜しいものです。粉末タイプの酸素系漂白剤を上手に使って、家事の時短と効率化を目指しましょう。
酸素系漂白剤のおすすめの使い方を紹介します。
洋服の汚れ・シミ
子どもの食べこぼしや泥汚れなどは、通常の洗濯だけではきれいに落とせません。洗濯機に入れる前に、酸素系漂白剤の溶液につけ置きするのがおすすめです。
1. 50℃以下のぬるま湯に規定量の酸素系漂白剤を溶かす
2. 汚れた衣類などをつける
3. 汚れが落ちたら入念にすすぐ
4. 洗濯機でいつも通り洗濯する
つけ置きは、洗面器やバケツなどでもできますが、洗濯機の「つけ置き洗い」コースを使うのも一つの方法です。また、衣類の汚れがあまりにもひどい場合は、事前にある程度汚れを落としておくことが必要です。
なお、つける時間が長過ぎると繊維を傷めてしまう恐れがあります。つけ置きするときは、長くても2時間以内に留めましょう。
上履き・靴
子どもが真っ黒に汚してくる上履きや革・金属装飾を使っていない靴も、酸素系漂白剤で簡単・手軽にきれいにできます。
1. 40~50℃のぬるま湯に、規定量の酸素系漂白剤を溶かす
2. 上履きや靴全体がつかるように入れ、20分以上浸す
3. 汚れが残っているところをブラシでこする
4. よくすすいでから乾かす
汚れがひどい場合は、つけ置きするのがおすすめです。頑固な汚れが浮き上がりやすく、軽くこするだけで汚れを落としやすくなります。
また、手洗いが面倒な場合は、そのまま洗濯機で洗っても。ただし砂や泥をきちんと落としておくこと、洗濯ネットに入れることは必須です。
洗濯が終わったら風通しのよい場所に置き、中までしっかりと乾かしましょう。
洗いづらい水筒の内部
水筒の内部に付着する汚れにも、酸素系漂白剤のつけ置きが有効です。基本的には放置するだけなので、手間も掛かりません。
1. 水筒に小さじ1杯程度の酸素系漂白剤を入れる
2. 50℃以下のお湯を入れる
この状態で30分から1時間程度放置すれば、水筒の内側に付着した茶渋汚れを楽に落とせます。
また、水筒全体をきれいにするなら、別の桶やボウルに酸素系漂白剤の溶液を作るのがおすすめです。ここに水筒のパッキンや部品をつけ置きしておけば、細部の汚れまで手間なくきれいにできます。
ただし、水筒を洗うときは、外側まで漂白液につけないよう注意が必要です。水筒の種類や塗料によっては、柄や色が落ちてしまう恐れがあります。
家中のさまざまな場所で活躍
粉末タイプの酸素系漂白剤は、家中の掃除に使えます。基本的には「つけ置き」掃除なので、忙しいワーママの「ながら掃除」に最適です。酸素系漂白剤を使った便利な掃除方法を見ていきましょう。
キッチンシンクの掃除
シンクの汚れで気になるのが、油汚れ・ぬめり・カビなどではないでしょうか。これをきれいにするには、酸素系漂白剤を使った拭き洗いでアプローチしましょう。
一工夫として、洗剤をかける前に温かいクロスで下拭きするのがおすすめです。汚れを落としやすくなり、洗剤を効率的に使うことができます。
また、排水口のゴミ受けや水切りなどはつけ置きするとよいでしょう。手で触れたくないようなひどい汚れも、簡単にきれいにできます。
バスタブの掃除
お風呂場を一気にきれいにしたい場合は、バスタブ内に酸素系漂白剤の溶液を作るのがおすすめです。以下の手順でバスタブ掃除に取り掛かりましょう。
1. 風呂釜の循環口から約5cm上まで水をためる
2. 酸素系漂白剤を300gほど入れて混ぜる
3. 1〜2時間放置する
4. スポンジやふきんでこする
酸素系漂白剤の量は、あくまでも目安です。バスタブの汚れが目立つ場合は、少し多めに入れた方が効果を実感しやすくなります。
また、バスタブに溶液を作ったら、風呂いすやおけ、お風呂用おもちゃなどもつけておくのがおすすめです。簡単な掃除では落とせないざらつきや汚れが浮き上がり、軽くこするだけでピカピカになります。
洗濯槽のカビ掃除
洗濯槽にカビ汚れがあると、洗濯物に汚れが付着したり悪臭が染み付いたりしやすくなります。ぱっと見で汚れていないように見える洗濯槽でも、2カ月に1回程度は掃除するのがおすすめです。
掃除手順は、次の通りです。
1. 洗濯槽に40℃以上のお湯を張る
2. 酸素系漂白剤を入れて5~6分程度洗濯機を回す
3. 2時間から一晩放置する
4. 洗濯槽に浮いているゴミをすくう
5. 洗濯機を回す
6. 2~3時間放置してゴミをすくう
7. 排水・脱水する
8. 底にたまったゴミや、ネットにたまったゴミを取り除く
汚れがひどい場合は、1回でゴミを取り切るのは難しいかもしれません。ゴミが出てこなくなるまで、「洗い→脱水」の過程を繰り返すのがおすすめです。
なお、ドラム式洗濯機に酸素系漂白剤を使うと、故障の原因となるケースがあります。機種にもよりますが、この方法でドラム式洗濯機を掃除するのは控えた方がベターです。
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使用する際に気を付けたいこと
酸素系漂白剤は塩素系と比較すると安心して使えますが、取り扱いにはやはり注意が必要です。酸素系漂白剤を使うときの、気を付けたいポイントを紹介します。
直接触れないように手袋をする
弱アルカリ性の性質を持つ酸素系漂白剤は、油分を分解する機能に優れているのが特徴です。そのおかげで油汚れに強いのですが、手に付着すると皮膚の油分まで落としてしまうことも。安易に触れるとひどい手荒れを引き起こす可能性があるため、掃除や洗濯では必ずゴム手袋を装着するようにしましょう。
また、酸素系漂白剤の溶剤を作るときや混ぜるときは、長さのあるヘラや棒状のものがあると便利です。
洗濯槽やバスタブといった大量のお湯を手でかき混ぜると、うっかり溶液に触れてしまうかもしれません。皮膚の弱い人が酸素系漂白剤を扱うときは、なるべく溶液や粉末に触れるリスクを下げるのが賢明です。
お湯の温度に注意
酸素系漂白剤の溶液を作るとき、お湯の温度は50℃程度が最適です。酸素系漂白剤は温度に反応して発泡し、泡で汚れを落とします。このときお湯の温度が30℃以下だと、主成分の過炭酸ナトリウムがうまく反応してくれません。一向に漂白が進まず、長時間つけ置きしても効果を実感しにくくなります。
かといって高温すぎるお湯では、反応が強過ぎます。漂白のスピードが速すぎて、汚れを完全に落としきれません。50℃くらいのお湯を使ってじっくり漂白した方が、汚れ落ちの実感をより得やすくなるのでしょう。
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com
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