自分の意見に自信がない
気が弱くなってしまう原因に、「自分の意見に自信がない」というのも関係していると言われています。
物事をネガティブに考えがちなので、「私の意見なんて…」と思いがち。意見をどうしても言わなければいけない場面では、本当に思っていることよりも一般的な〝正解〟を言ってしまうこともあるでしょう。
周りの目を気にしすぎる
気が弱くなってしまう原因のひとつに、周りの目を必要以上に気にしてしまう、という部分も関係しているようです。
これをやったらどう思われるか、こんなこと言ったら笑われてしまうかもしれないなど、常に相手にどう思われるかを考え、怯えてしまいます。
また同時に相手の顔色を伺ってしまうので、相手の反応が悪いだけで、「イヤな思いをさせてしまった」「怒らせてしまった」と思い悩んでしまい、結果、どんどん自分の本音を言えなくなってしまうのです。
短所ばかりじゃない! 気が弱い人の長所
「気が弱い」と聞くと、どうしてもネガティブなイメージが浮かびやすいものですが、実は悪いことばかりではありません。ここでは、気が弱い性格であることのメリットについてみていきましょう。
リスクを回避しやすくなる
気が弱く、なかなか自分の意見を言えない人は、何事にも慎重なのでリスクを回避しやすい傾向があります。軽率な発言をして、上司の機嫌を損ねてしまったり、書類の提出機嫌を守らずに周りに迷惑をかけるなどの失態を避けるため、余計なミスをしにくくなるようです。
相手の意見を尊重できる
気が弱い人は他にも、他人の気持ちに気付きやすく、相手の立場になって物事を考えられるという長所があります。
人の気持ちに寄り添って行動したり発言したりできるので、周囲からは「優しい人」「仕事が丁寧」など、好感を持たれやすいでしょう。気が弱いことは必ずしも、悪いことばかりではないのです。
気が弱い性格を直したいときに意識したいこと
気が弱い性格の長所は当てはまるとはいえ、「やっぱり、自分に自信をつけたい」「大事な場面で毅然とした態度をとりたい」と思う人もいるでしょう。ここでは日常生活において意識すると良いポイントを紹介します。
自己肯定感を上げる
気が弱い性格を克服するには、小さな成功体験を積み重ねたりしながら、少しずつ自分に自信をつけていくことが重要だと言われています。
そのとき、自分自身のことだけでジャッジするのが大切。例えば、「同僚には立派な資格があるけど、私にはないから自信が持てない」というような、誰かと比較をしているとしたら、それはちゃんとした自信の得かたではないかもしれません。
自分自身が大切にしている考え方や生き方に向かって、努力できているかどうかで判断してみましょう。それだけできっと、今よりも自信が持てるようになるかもしれませんよ。
自分の意見を言ってみる
気が弱い人は、失敗してしまったり、相手に受け入れてもらえなかったりしたときに「自分はもう終わりだ」と、必要以上に自己嫌悪に陥る傾向があります。少しずつでいいので自分の意見を言ってみる努力をしましょう。
「失敗は成功のもと」という言葉があるとおり、失敗は成功、そして成長するチャンスです。
「初めての経験には失敗はつきものだから大丈夫」。もしうまくいかなかった時はこのように言い聞かせてみましょう。少しずつ気持ちがポジティブになって、自分の意見を言えるようになり、思ったように行動にも移せるようになるはずです。
誰も自分のことは気にしていないと考える
気が弱い人は、人からどう思われているのかを極端に気にしてしまいがち。「こんなこと言ったら嫌われるのでは?」「あんなこと言わなければよかった…」などと1人で反省してしまうのです。
自己分析をして、悪い点を改善することはいいことですが、あまりに自分に対して厳しすぎると自信を喪失してしまう原因にも。反省はほどほどにして、「誰も自分のことは、それほど気にしてはいない」と気楽に考えてみましょう。
気が弱い人との上手な付き合い方
職場などの身近なところに、気が弱い人がいる場合、どのように接したらいいか迷うこともあるかもしれませんね。どうしたら上手く付き合えるのかポイントを解説します。
叱って伸ばそうとしない
気が弱い人は、自己肯定感が低い傾向があるので、「そんなんじゃ、合格しないよ」「何度も同じミスを繰り返さないでください」など否定的な声掛けは控えましょう。人によっては、否定されることでやる気に火がつくこともありますが、気が弱い人に合った方法ではありません。良い面や、前回と比べて上手にできたことなどを、エピソードを交えて具体的に伝えるようにしてみましょう。
話しやすい雰囲気を作る
気が弱い人は、自分から話しかけるのが苦手な人も多いもの。見るからにイライラしていたり、忙しそうにしている姿を見ると、話しかけるのをためらってしまうこともあるでしょう。「気になることがあれば、言ってくださいね」などと一言伝えたり、「先ほどのミーティングの件で… 」「明日提出の資料の件で… 」など、こちらから具体的なことを引き合いに頻度高く話しかけるように意識してみると、コミュニケーションがとりやすいかもしれませんね。
悩みへの理解を示す
他の人からすれば、体調不良で仕事を休んだり、些細なことで挫けてしまう様子を見ていると、「気が弱いことは甘えなのでは?」と感じてしまうこともあるはず。気が弱いことを言い訳に楽をしているようにも見えるかもしれません。接するこちら側に気持ちの余裕がないと、つい小言を言ってしまいたくなるものですが、本人も自分の気の弱さを気にしていることが多くあります。自信が持てないことや、周囲へ気兼ねをしすぎてしまうことなど、自分の特徴がままならないことに、辛さを感じているかもしれません。
「理解を示す」というのは、「そのように思っているのですね」と受け止めてあげること。相手が求めていないのであれば、克服法などのアドバイスは無用。なかなか自分を変えられない、変えたいと思っている人に対して、まずは寄りそう姿勢を示しましょう。
最後に
気が弱いことには、それなりの原因があり、短所だけではなく長所もあります。他人への気遣いができる、細かいことにまで気が利くなど、気が弱い人ならではの長所を磨いて、徐々に自信が持てるようになれたらいいですね。
【監修】キャリアコーチ菊池啓子
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