自意識過剰で目標が高い
承認欲求が強いと、周囲に「どう思われているか」を過剰に意識することが増えがちです。その影響で目標は高くなりますが、本来重視すべき成果よりも、周りに認められることが第一になってしまうということも。そうなると、周りとずれが生じてしまいます。
チームワークが必要な状況で、無意識に対抗意識を燃やしてしまい、何においても一番であることにこだわりを持つ人もいます。チームの足並みがそろわない原因となり、大きなマイナス要因になる可能性があるでしょう。
▼あわせて読みたい
承認欲求の高さはメリットになることも
承認欲求のデメリットについて紹介しましたが、承認欲求が高いとメリットになることもあります。ここからは、そのメリットを紹介します。
高いモチベーションを維持できる
承認欲求が強いと、「認められたい」「肯定されたい」と望みます。そのため、結果を出そうと高いモチベーションを持ち、努力する人が多いでしょう。そのモチベーションを維持できるため、結果も出やすいかもしれません。
経験値が上がる
承認欲求が高いと、行動的になることが多いでしょう。「認められる」には、行動するしかないと考えるからです。行動力がある人は、それだけさまざまな経験をすることができますよね。失敗をしたとしても、「認められたい」一心で乗り越えていけるはず。
行動力がある人は、経験値が高いことが多いです。経験値は行動した分だけ上がりますから、自分の力になるでしょう。
自信がつく
承認欲求が高いと、モチベーション高く行動していきます。努力を継続できるため、そのことを他人からほめられることもあるでしょう。そうなると、承認欲求が満たされるだけでなく、自信を持つこともできますよね。自己肯定感が高まり、より積極的に行動することができるでしょう。
承認欲求が強くなったと感じたら試したい対処法
次に紹介するのは、「承認欲求」を抑える方法です。承認欲求が強くなって苦しいと感じたら、ぜひ試してみてください。
自己肯定感を高める
臨床心理士・吉田美智子さんによると、自己肯定感は「心が満たされるかどうか」に関係しているのだと言います。
「自己肯定感というのは、〝どんな自分でもOK〟と感じることで、基本的には幼少期の親子関係で培われます。生まれてからの数年間、赤ん坊や幼児は人の役に立つことはなく、ただお世話をしてもらい、愛してもらうことでスクスク成長します。オムツが濡れたら替えてもらい、お腹が空いて泣いていたらご飯をもらえる。〝オムツを濡らしたらダメ〟とか〝働きもしないでご飯が欲しいとは?〟なんて言われないでしょう? この絶対的な肯定感が、〝どんな自分でもOK〟のベースです」(吉田さん)
「物事がうまくいかずに心が満たされないと思いがちですが、自己肯定感があれば逆境の中でも〝心が満たされていない〟という感じ方にはならないはずなんです」(吉田さん)
吉田さんが言うには、この自己肯定感の回復には〝ありのままの自分にOKを出すこと〟が大切なのだそう。
「満たされない自分も自分なんだと、そんなときもあるよねくらいに否定をせず見守れるようになること。そしてふたつめは〝信頼できる人との繋がりを持つこと〟。家族や友人、もちろん子どもだってOK。心が満たされないことを直に言わなくても、たわいもない話をするだけでも心は軽くなるはずです」(吉田さん)
他人に認められたい、という気持ちが強まっていると感じたときは、まずありのままの自分にOKを出して自己肯定感をあげる努力をしてみてはいかがでしょうか。
自分で自分を認めることができれば、承認欲求など湧いてくる暇がなくなるかもしれません。
▼あわせて読みたい
人に親切にすることで承認欲求を満たすのもあり
人は、他人に感謝されることで承認欲求が満たされ、幸福感を得やすくなると言われています。他人に親切にすることが自分自身の幸福感につながることは、心理学でも実証されているのだとか。
自分自身のストレスになる、周囲へ迷惑をかけるほど承認欲求が強くなってしまう前に、他人に親切にすることに意識を向けるのもいいですね。誰かから感謝されると、承認欲求を高めることができるでしょう。
親切にするというのは、些細なことで構いません。例えば、公共の場でお年寄りや妊婦さんに席を譲るだけでもOK。まずは家族や友人など、自分の身近な人に親切にしてみることからはじめてみませんか?
▼あわせて読みたい
承認欲求が強い人との上手な付き合い方
ここからは、承認欲求が強い人との付き合い方を見ていきます。上手に付き合う方法はあるのでしょうか?
うまく褒めて伸ばしてあげる
承認欲求が強い人が身近にいる場合、上手に褒めてモチベーションアップにつなげるといいですね。承認欲求が満たされることで、「もっと上を目指したい」という「自己実現欲求」と思ってくれるかもしれません。特に、職場では有効でしょう。自分も相手も気持ちよく仕事ができ、一石二鳥になることも。
ほめ言葉が飛び交う職場は、雰囲気も良くなります。チームや部署が活気づくきっかけになるかもしれません。
相手のプライドを傷つけない
相手が承認欲求の強い人と感じたら、プライドを傷つけないようにすることをおすすめします。承認欲求が強すぎると、感情のコントロールが難しくなりがち。ちょっとした一言で、傷ついたり、感情的に反論してきたりする可能性があります。そうなると、仕事などに影響が出ることもありますので、注意したいですね。
相手に注意をする必要がある場合は、人格を否定せず、起きたことに対してのみ触れるようにします。また、注意後はしっかりとフォローすることを意識してください。
適度な距離感で接する
承認欲求の強い人は、話を盛ったり、大げさに表現したりしがちです。自分のことを認めてもらいたい一心で、必要以上に自分を大きく見せようとする傾向があるでしょう。
承認欲求が強い人だと感じたら、その人の話を真に受けることはせず、話半分で聞くのがいいかもしれません。また、適度な距離を保ち、近づき過ぎないようにするのも大切です。距離感を間違えると、相手に振り回されてしまう可能性があることを意識し、接するようにしてください。
最後に
「承認欲求」について、意味や種類などをまとめました。「承認欲求」があるのは悪いことのように考えるかもしれませんが、誰もが持つ欲求です。ただし、使い方を誤ると、自分や人を傷つけることになってしまうでしょう。「承認欲求」をなくすことはできませんが、ある程度コントロールすることはできるでしょう。自分や相手の「承認欲求」と上手く付き合ってくださいね。
TOP画像/(c)Adobe Stock