「陣頭指揮」
「陣頭指揮(じんとうしき)」の意味は、「軍隊の先頭で指揮すること」「地位の高い人が、直接現場で指揮すること」を表します。
「陣頭」は「軍隊の先頭」、「戦っている部隊の一番前」という意味。「最前線」という意味合いの言葉です。「指揮」は、「人に上に立って采配をとること」を意味します。そのことから「陣頭指揮」は、上司や目上の人が現場にやってきて、自ら指図することを表す際に使われる言葉です。
(例)あの時、社長が陣頭指揮をとらなければ、このプロジェクトは成功していなかっただろう
「率先垂範」を英語ではどう表現する?
英語表現にも、「率先垂範」と同じ意味合いで使う言い回しがあります。
「set an example worth following」
「set an example」は「模範を示す」。「worth following」は「従うに値する」という意味。「set an example worth following」を直訳すると、「従うに値する模範を示す」になります。
「take the initiative to set a good example」
「initiative」は、「率先」、「自発力」という意味合いの単語。「good example」は「良い見本」「模範」を表します。「take the initiative to set a good example」で、率先して模範を示すことを表現できます。
「率先垂範」の例とは? 注意点やデメリットは?
「率先垂範」の具体例といえば、山本五十六(いそろく)を思い出す人もいるのでは? 山本五十六は、明治から昭和初期の日本の軍人。海軍大将などに就き、多くの軍人を束ね、率いた人物です。山本五十六は「率先垂範」を表したような以下の格言を残しています。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
人の上に立ち、人を率いるためには、周囲の人と信頼関係を築くことが重要。「率先垂範」の仕方を誤ると、部下や後輩の仕事を奪ってしまったり、モチベーションを奪いかねないのがデメリットといえるでしょう。山本五十六の言葉を参考にして、「率先垂範」のやり方や注意点を紹介していきます。
1:手本をみせる
相手に仕事内容などを伝える際、マニュアルのみの説明や指示をするだけでは、相手はイメージしにくいでしょう。まずは手本を示すことが大切です。また、相手にとって可能な方法でなくてはいけません。自分だけができる方法を示しても、相手はできないと感じてしまい、やる気を失わせてしまいます。
2:丁寧に説明をする
手本を示すだけでなく、しっかりと説明をすることも大切です。そして、一方的な説明の仕方だと、相手が理解できていないことも。相手にしっかり内容が伝わっているのか、細かく確認をしながら説明する必要があるでしょう。
3:実践させてみる
手本をみせ、しっかり説明をしたら、実際に実践する姿を見守ります。実際に経験することで、知識や技術が身につき、理解できるものも多くあるでしょう。
4:褒める
最初から完璧にできる人は、ほとんどいません。できていない部分を指摘するのも大切ですが、指摘ばかりだと自信をなくしてしまうことも。自信をなくすと積極的に行動できなくなります。できているところや良い点はきちんと褒めて、自信を持って仕事に取り組めるようにすることが重要ではないでしょうか。
最後に
ビジネスシーンでも使われる言葉「率先垂範」。誤った使い方をしないためにも、意味や使い方をしっかり理解しておきたいもの。また、「率先垂範」を行う際の注意点やデメリットなども紹介してきました。
人の上に立ち、導くことは簡単ではありません。しかし、周囲との信頼関係を築き、誠実に対応していくことで大きな成果へとつながっていくのではないでしょうか。
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