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2023.04.15

住宅ローンを借りるなら知っておきたい、金利タイプの選び方【専門家監修】

住宅ローンの金利は低ければそれでいい、と思っていませんか? 実は住宅ローンには金利タイプがあり、どれを選ぶかでさまざまなことが変わります。今回は住宅ローンの金利タイプと、自分に合った選び方を解説します。

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住宅ローンは低金利であればそれでいい?

住宅購入時に多くの人が利用する、住宅ローン。長期間にわたって支払いを続けるのだから、なるべく金利が低い方がいいですよね。しかし、低金利タイプを選んでも、返済中に金利や返済額が変わる可能性があるのをご存じですか? 住宅ローンは低金利であれば何でもよいというわけでもなく、自分の希望に合った金利タイプを選ぶことが重要です。

はじめに、住宅ローンの金利タイプには何があるかを見ていきましょう。

積み重ねられたコインと一戸建ての家を天秤にかけた3Dイラスト

住宅ローンの金利タイプは3つある

住宅ローンの金利タイプは、現時点で3つあります。

・変動金利型
・固定金利期間選択型
・全期間固定金利型

それぞれに特徴があり、メリットとデメリットもありますので、その違いを把握して選ぶことが大切です。どの金利タイプを選ぶかで、将来の生活に大きく影響しますから、慎重に検討しましょう。

ここからは、各金利タイプの特徴とメリットやデメリットについて解説します。

住宅ローン:変動金利型について

まずは、変動金利型について見ていきましょう。変動金利型は、一定期間ごとに金利の見直しが入ります。

手を繋いではしゃいだ様子の4人家族のシルエット、一軒家のシルエットのイメージイラスト

変動金利型の特徴

変動金利型は、市場金利の影響を受けるため、一定期間ごとに金利が変動。契約当初の金利が低い場合でも、原則として半年ごとに見直しをするため、市場金利が上昇すると、それに連動するかのように金利や返済額が上がる可能性があります。

変動金利型のメリットとデメリット

変動金利型のメリットは、低金利が続く時期であれば、もっとも安い金利で借り入れできる点でしょう。返済中に金利が下がれば、それに連動して返済額や利息も減少します。

反面、金利が変動するため、将来の返済額が不透明である点がデメリットになりがちです。また、金利が上昇するとそれに合わせて返済額や支払利息が増えるため、その対策を検討しておく必要があります。

変動金利で金利が上がる場合、5年ごとに見直される返済額アップは、前回見直し時の1.25倍までを限度としています。たとえば、それまでの返済額が10万円だったとしても、見直し後に12万5千円になる可能性があるということです。それをカバーできる家計の状態にしておく必要があり、将来を見据えた家計管理が必須となります。

住宅ローン:固定金利期間選択型について

固定金利期間選択型とは、一定期間、金利の見直しが入らないタイプの商品です。

固定金利期間選択型の特徴

固定金利期間選択型は、契約者が金利固定の期間を選ぶことができます。固定期間は2年・5年・10年・20年などから選べ、その間に市場金利が変動しても、その影響は受けません。固定期間終了後は、その時点での金利を見ながら、改めて固定期間を選ぶことができます。

なお、金利は固定期間ごとに異なり、固定期間が長いタイプほど高くなります。

固定金利期間選択型のメリットとデメリット

固定金利期間選択型のメリットは、固定期間中の返済額が確定するため、家計管理がしやすく、返済計画も立てやすいという点です。家族のライフイベントがある期間は固定金利期間選択型を選んで月々の返済額を確定させ、学費などの準備に充てるなど計画が立てやすいでしょう。

デメリットになるのは、固定期間終了後の返済額が確定しないことです。特に固定期間が長めのタイプを選ぶ場合は、家族のライフイベントと重ならないかをチェックしておかねばなりません。また、低金利状態が続いているときは、変動金利型よりも返済額や利息が高くなる傾向にあります。

住宅ローン:全期間固定金利型について

最後は全期間固定金利型です。ローン返済中、市場金利の影響を受けることはありません。

契約上の家、家のリース、販売、住宅ローン契約のコンセプト、3Dイラスト

全期間固定金利型の特徴

住宅ローン借り入れの全期間、契約時の金利が適用されます。それゆえ、返済額も固定され、変動することはありません。

全期間固定金利型のメリットとデメリット

全期間固定金利型のメリットは、上述したように返済額が固定されるので、家計管理や返済プランの計画がしやすく、将来の見通しも立てやすいということでしょう。家族のライフイベントなどにも影響されないため、3つの金利タイプではもっとも家計管理がしやすいといえます。

一方で、借り入れ後に低金利が進んだ場合、変動金利型に比べて高い金利での返済となってしまい、返済額や利息に割高感が生じるのがデメリットといえるでしょう。また、ほかの金利タイプに変更できないため、金利上昇のリスクを避けられる分、市場金利の変動により生じる好影響も受けることができません。

以上のように、金利タイプにはそれぞれ特徴があり、いずれのタイプも市場金利の変動による影響をよくも悪くも受けます。金利や返済額だけで選ぶのはリスクがありますので、それぞれのメリットやデメリットを把握し、自分に合った金利プランを選ぶことが大切です。

住宅ローンの金利タイプ、どう選べばいい?

住宅ローンの金利タイプが自分に合っているかどうかについて、どのような基準で選べばよいかを解説します。

植物モチーフが中に入った家のオブジェを持つ手元の写真

ひとつの目安は、金利動向のチェックができるかどうか

金利タイプを選ぶ際の目安になるのが、「金利動向のチェックができるかどうか」です。

金利は、世の中で起こるさまざまな出来事や景気などの経済的変化に影響を受け、変動します。家計管理や経済ニュースに興味がある、経済の動きに関する情報を見るのが得意、金利の動きに興味があるという場合は、変動金利型がおすすめです。

金利動向をチェックするのに苦手意識がある、計画的に返済をしたいという場合は、固定金利期間選択型や全期間固定金利型を選ぶのもよいでしょう。

変動金利型と全期間固定金利型を組み合わせることもできる

住宅ローン借入額の一部を変動金利型、残りを全期間固定金利型にして契約することもできます。それぞれのタイプで生じるデメリットを軽減できますので、選択肢のひとつにするとよいでしょう。

いずれの場合も、まずは金融機関や専門家に相談し、ライフプランを視野に入れながら慎重に金利タイプを選ぶことをおすすめします。住宅ローンは一度契約すると、安易に契約変更をすることはできません。相応の手数料も発生します。比較検討を重ねてしっかりとした返済プランになるようにしてください。

最後に

住宅ローンの商品は低金利に意識が向きがちですが、3つの金利プランのうちどれを選ぶかで随分と変わります。市場金利の影響を受ける変動金利型、一定期間固定できる固定金利期間選択型、返済期間すべてを固定金利で利用できる全期間固定金利型がありますが、いずれもメリットやデメリットがありますので、その違いを理解し、自分に合った金利タイプを選択するようにしてください。

益田瑛己子

ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン

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