5:食欲増進や口臭予防にはアピオール
アピオールはパセリに含まれるさわやかな香り成分です。その特徴的な香り成分によって胃液の分泌が促され、食欲増進につながります。
また、アピオールには殺菌効果もあると言われます。腸内では有害な細菌の繁殖を抑えて食中毒の予防、口内では雑菌の繁殖を抑えて口臭の予防に効果的です。にんにくなど強いにおいの物を食べた後にはよい口直しにもなるため、料理と一緒に食べるのがおすすめです。
パセリの栄養成分を効果的に取り入れておいしく食べるには
効果的にパセリの栄養成分を取り入れるためには、生でそのまま食べる、油やたんぱく質と一緒に食べる、乾燥させて食べる、という3つの方法があげられます。
保存するときには、乾燥させないように冷蔵させること、小分けにして冷凍すること、乾燥させて密閉保存することでおいしく長持ちさせられます。
ここからはそれぞれの具体的な方法をご紹介します。
■食べ方のポイント
パセリの栄養を効果的に取り入れるには3つの方法があります。
1:生でそのまま食べる方法
パセリに含まれるビタミンCは熱に弱く、水に溶けだしやすい性質を持ちます。カリウムも同じく水に溶けだしやすいため、長時間加熱したり、茹でたりする調理法よりもそのまま食べる方がおすすめです。
2:油やたんぱく質と一緒に食べる方法
ビタミンA、E、Kは脂溶性のビタミンで、油と一緒に摂ることで吸収されやすくなります。油を使ったドレッシングを用いたり、サッと揚げたりするのもよいでしょう。
鉄はビタミンCやたんぱく質と一緒に食べると吸収がよくなります。パセリにはビタミンCも含まれているため、肉や魚、卵料理などに使うのがおすすめです。
3:乾燥させる方法
乾燥させると水分がなくなり、栄養素が凝縮されます。少量でも栄養素を効率よく摂取できるため、手軽に使いやすく、おすすめです。
■保存するときのポイント
パセリを長持ちさせるには冷蔵、冷凍、乾燥の3つの方法があります。
冷蔵の場合
乾燥しないように気をつけましょう。パセリの根元を切って水を張ったコップに差してからビニール袋で覆い、野菜室に入れると長持ちします。
冷凍の場合
刻んでから凍らせると便利です。水気をとってから、葉と茎を分け、必要なら刻んでから冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き、冷凍します。
乾燥させる場合
湿気ないように密閉しましょう。葉だけを摘んでキッチンペーパーをしいた耐熱皿に広げ、電子レンジで3分程度で簡単に乾燥させられます。様子を見ながらしっかり乾燥させ、手でもんで細かくしてから密閉容器で保存します。
食べ過ぎに注意して上手に取り入れましょう
パセリは極端に食べすぎると体に不調が出てしまうことがあります。料理の中に使う程度であれば問題はありませんが、妊娠中や授乳中は注意が必要です。健康や美容に気を遣いたい方にはおすすめの食材のため、上手に料理に取り入れましょう。
■食べ過ぎてしまうとどうなる?
パセリに含まれるアピオールは極端に食べすぎると悪影響が出るため注意が必要です。大量な摂取は内臓に負担がかかるため、吐き気などを引き起こす可能性があります。
また、アピオールは古くから月経不順の治療に使われていたほど子宮の収縮作用もある成分です。妊娠中、授乳中は子宮への刺激が強いため、できれば控えた方がよいでしょう。
■こんな人におすすめ
パセリは生活習慣病を予防したい方や美容のための栄養素を取り入れたい方におすすめの野菜です。
パセリにはカリウムによる塩分の排出効果以外にも、抗酸化ビタミンによる動脈硬化の予防、食物繊維による食後血糖値の急上昇の予防も期待できます。
ビタミンACEによって美肌を保つ以外にも、食物繊維が便秘の予防や改善をします。腸内環境が整うことで肌荒れの予防ができ、カリウムによって余分な水分を排泄してむくみ対策にもなります。
パセリは栄養豊富で体にうれしい効果が多い食材です。添え物として脇役にするのではなく、パスタソースやポタージュ、サラダの葉野菜のひとつなど上手に料理に取り入れてたっぷり食べてみてください。
監修
川島 尚子
管理栄養士兼パティシエ。料理教室運営会社で講師やメニュー開発に従事後、パティシエへ転向。現在は企業様向けのレシピ開発やコラム執筆、オンラインショップやオーダーメイド菓子の制作を行う。ヘルシーなものから子供向けまで幅広く対応。
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