■「お願い申し上げます」は連続して使わない
「お願い申し上げます」は、とても丁寧で正式な表現であるため、連続して使うことはあまり推奨されません。連続して使用することにより、相手に過剰な敬意や堅苦しさを感じさせる可能性があるからです。
同じ内容を伝える場合でも、「お願い申し上げます」の繰り返し使用を避けて、同義語や略語、あるいは簡略化した表現の使用をおすすめします。
たとえば「お配りした資料のご確認をお願い申し上げます」という場合は、「お手元の資料をご確認いただけますか?」と簡略化するといいでしょう。
「お願い申し上げます」の例文
「お願い申し上げます」は、口頭・手紙・メールなどさまざまな場面で使われる言葉です。ビジネスや公的な場面で、相手に依頼する際に使われます。
【例文】
・お忙しいところ大変恐縮ですが、来月の会議へのご出席をお願い申し上げます。
・このたびは弊社のプロジェクトに、ご協力いただきありがとうございました。引き続き、アドバイスなどいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
・新開発したサービス導入のご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
【ケース別】「お願い申し上げます」言い換え表現5つ
「お願い申し上げます」という言葉を連続して使用することを避けるためには、言い換え表現を知っておくことが大切です。代表的なケースは、以下の5つです。
1.確認すべき事案があるケースの言い換え
2.業務が継続しているケースの言い換え
3.仕事がひと区切りしたケースの言い換え
4.幅広いケースで使える言い換え
5.やわらかな表現をしたいケースでの言い換え
それぞれの言い換え表現と例文をご紹介します。
1.確認すべき事案があるケースの言い換え
確認すべき事案があるケースの言い換えは、「ご確認よろしくお願いいたします」「ご検討よろしくお願いいたします」などを使います。
【例文】
・弊社で提供しているサービスは来月末で終了し、新サービスへと移行する予定です。移行手続きの詳細、ご確認よろしくお願いいたします。
・先日提案させていただいた件、ご検討よろしくお願いいたします。
2.業務が継続しているケースの言い換え
業務が継続しているケースの言い換えは、「引き続きよろしくお願いいたします」「ご連絡をお待ちしています」などです。継続案件があることを、さりげなく付け加える言い換えといえるでしょう。
【例文】
・弊社プロジェクトへのご支援のほど、引き続きよろしくお願いいたします。
・先日お願いした件、進捗状況はいかがでしょうか。ご連絡をお待ちしています。
3.仕事がひと区切りしたケースの言い換え
仕事がひと区切りしたケースの言い換えは、「今後ともよろしくお願いいたします」「ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください」などです。
【例文】
・このたびのイベントでは大変お世話になりました。今後ともよろしくお願いいたします。
・弊社商品をご購入いただきまして、ありがとうございました。ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
4.幅広いケースで使える言い換え
「お願い申し上げます」はさまざまな場面で使える表現です。同様に幅広いケースで使える言い換えは「何卒よろしくお願いいたします」です。「何卒」は「なにとぞ」と読み、「よろしくお願いいたします」を強調する表現といえるでしょう。
【例文】
・弊社の商品を今後ともご活用いただけるよう、何卒よろしくお願いいたします。
・今度も貴重なアドバイスを、何卒よろしくお願いいたします。
5.やわらかな表現をしたいケースでの言い換え
「お願い申し上げます」ではやや堅すぎるため、もう少し柔らかい表現にしたい場面では、「〜いただければ幸いです」と言い換えられます。依頼するニュアンスはやや薄れますが、相手に依頼の意図を伝える目的は十分に果たせるでしょう。
【例文】
・先日提案させていただきました件へのご回答を、今月中にいただければ幸いです。
「お願い申し上げます」を場面に応じて上手に使いこなそう
「お願い申し上げます」は、相手に丁寧に依頼する際に使う言葉です。ビジネスや公的な場面で使われるほか、社内でも上司に使います。
とても便利な言葉ではありますが、過剰な使い方をすると、堅苦しい印象を与えてしまうこともあるため注意が必要です。相手やシチュエーションに応じて、「お願い申し上げます」を上手に使いこなしてください。
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