■天気雨を指すそのほかの言葉
地域などによっては、天気雨としての狐の嫁入りのことを、以下のような別の呼び方をする場合があります。
・狐雨
・狐のご祝儀
・日向(ひなた)雨
・日和(ひより)雨
・日照(ひでり)雨
・戯(そばえ)雨
など
また、狐の嫁入りと表現する気象現象自体も、地域によって異なるケースがあるようです。同じように気象現象を狐の嫁入りと表現していても、熊本県周辺では虹が出ることを、愛知県周辺では霰(あられ)が降ることを指すことがあるといわれています。
各地での狐の嫁入り
狐の嫁入りは、新潟県や京都府など、各地で言い伝えが残っているものです。このような言い伝えをもとに、現代でも狐の嫁入りをもとにした行事やお祭りなどがおこなわれています。
世界各地にも天気雨に関する俗信が存在し、イギリスやイタリアでは日本と同じく狐が結婚するといわれる地域があるそうで、韓国では虎が結婚するなどといわれることもあるようです。
それでは、日本各地での狐の嫁入りを確認していきましょう。
■京都府での狐の嫁入り
京都府では、鳥辺野と呼ばれていた高台寺周辺で、狐火がよく見られたという言い伝えがあるそうです。
高台寺では狐の花嫁役になる人の募集が実施され、当選した人が結婚式と同じような仕度をして白無垢を着ます。そして、狐の花嫁として人力車に乗って、チリンチリンという鈴の音とともに高台寺までの夜道を通ります。
■新潟県の狐の嫁入り屋敷
新潟県にも狐の嫁入りの言い伝えが残されています。とくに、新潟県阿賀町津川地区でおこなわれている「つがわ狐の嫁入り行列」が有名です。
江戸時代頃の伝統的な嫁入りを再現したもので、夕方、108人のお供とともに白無垢姿の花嫁が住吉神社を出発し、さまざまな儀式を交えつつ花婿の待つ麒麟山公園へと向かいます。
阿賀町には、狐の嫁入り行列を軸とした「狐の嫁入り屋敷」もあります。狐の嫁入り屋敷では、狐の嫁入り行事に関連した展示や狐の面づくり体験、狐のメイク体験、わら細工・竹細工体験などが可能です。
狐の嫁入りの意味を理解しよう
狐の嫁入りには、天気雨と狐火の2つの意味があります。このように意味が2通りあるものの、狐の嫁入りと表現する際は一般的に天気雨を指すことが多いです。天気雨を指す場合、日が照っているにもかかわらず、急に雨が降るという気象現象を指します。
狐の嫁入りの伝承は各地に残されていて、現代でも行事などがあります。
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