出窓とは?
家の中でも、部屋の印象を左右する窓。特に出窓はおしゃれな印象があり、憧れている方もいるのではないでしょうか? しかし、実際は物置きとなっていたり、いまいち上手く活用できていなかったりすることも多いかもしれません。
そこで、おうちの快適空間をつくる街のリフォーム屋さん「アトリエボックス」でインテリアデコレーター並びに窓装飾プランナーをされている米道莉恵さんに、出窓の活用法についてお話をうかがいました。
出窓(でまど)とは、建物の外側に張り出した窓のこと。張り出し部分が台形になった「台形出窓」や、三角形になっている「三角出窓」などがあります。建築基準法では、床からの高さが30cm以上、突き出した長さが50cm未満などの条件を満たしていれば、床面積に算入されないことになっています。
出窓には、3面から5面ほどの同じサイズの窓を組み合わせることが多いですが、両サイドと真ん中の窓を別タイプにするなど組み合わせは自由です。
出窓のメリット・デメリット
出窓には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか? 自宅に出窓がある場合や、これからリフォームするという場合に、押さえておきたいポイントをまとめました。
メリット
出窓は、通常の窓よりもガラス面が広いことが特徴です。ガラス面の数が多いため、空間内に光が入りやすく、部屋全体が明るくなるというメリットがあります。日差しが弱い方角に建てられていたり、隣の建物との距離が近くて十分な日光が得られないような場所でも、室内に日光を取り入れやすいでしょう。
また、出窓には奥行きがあるので、通常の窓より開放感があり、実際の部屋のサイズよりも室内が広く感じられるのもメリットです。さらに、ガラス窓が外側に張り出しており、面数が多いので、外の景色が広い角度で目に入ります。庭に面した出窓であれば、室内から緑を眺められる気持ちのよい空間になるでしょう。
リフォームで出窓を設置する予定であれば、出窓からどのような景色が眺められるか想像してみるとよいかもしれません。
デメリット
出窓のデメリットとしては、結露しやすいことが挙げられます。出窓のスペースに、夏には熱気が、冬には冷気がこもりがち。室内と出窓との間に温度差が生まれ、結露してしまうのです。そのままにしておくと、出窓が傷んだりカビの原因になることも。濡れていたらこまめに拭き取るなどの手入れが必要です。
出窓をおしゃれに飾る方法
海外のインテリアなどでは、出窓に雑貨を置いたりして素敵な空間をつくっているのを目にしませんか? 出窓のディスプレイを工夫すれば、部屋がグッと洒落て見えるもの。ここでは、出窓をおしゃれに飾るポイントを紹介します。
1:グリーンアイテムを飾る
出窓の奥行きを利用して、観葉植物やドライフラワーを飾るとおしゃれな空間が演出できるでしょう。カーテンレールにS字フックを吊り下げて、蔓性の植物を垂らしたり、麻紐でまとめたドライフラワーを吊り下げるのも素敵です。貝殻や流木などをディスプレイすることで、自然を感じる部屋づくりができるでしょう。
2:お気に入りのアクセサリーや小物を飾る
アクセサリーや雑貨など、自分のお気に入りのものを出窓にまとめておくのもよいでしょう。棚や引き出しにしまっておくよりも、見せる収納として出窓に飾っておくのがおすすめです。ピアスやリングなど細かいものをアンティーク調のトレイに置いたり、ネックレスは収納ラックに吊り下げたりすることで、使いやすい上に失くしにくくなるため一石二鳥です。
3:リラックスアイテムを飾る
アロマキャンドルやボディクリームなど、リラックスアイテムを置いておくのもひとつ。1日の終わりに、出窓にライトを灯しながら、好きな香りを炊いたり、マッサージをするなどくつろぐ時間をつくりやすくなります。
4:家族の思い出写真を飾る
賃貸で壁に穴が開けられない場合は、出窓に写真や額を置いて飾るとよいでしょう。家族で撮った写真や旅行先の風景の写真、ペットの写真など好きなものを飾ってみては。「今月はカフェで撮ったスイーツの写真にしよう」など、テーマを決めて写真を変えるのも楽しいですね。
今は写真をスマホなどデータで保存することが多いですが、部屋に飾っていつでも眺めることができるのもいいものです。
出窓の活用術
出窓といえば、何かものを飾るスペースとして考えがちですが、工夫次第でさまざまな使い方ができます。出窓をうまく使うことで、今まで欲しかったスペースが手に入るかもしれません。ここでは、出窓の活用術を3つ紹介します。
1:ワークスペースとして活用する
リモートワークが普及している中で、自宅で仕事をするスペースが欲しいと考えている方も多いのでは? しかし、仕事専用の部屋を新たにつくるのは、なかなかハードルが高いもの。もし自宅に出窓があるなら、出窓の前にデスクを置いて、ワークスペースをつくってみてはいかがでしょうか。
文具やファイルなどを目の前の出窓に収納しておけば、すぐに手を伸ばして取ることができるので便利です。デスク自体に収納する引き出しが少ない場合にも、出窓を収納スペースとして活用してみるとよいでしょう。
2:メイクスペースとして活用する
毎日使うメイク道具やミラーを出窓に置いて、メイクスペースにするのも一案です。見た目もかわいいお気に入りのコスメやマニキュアなどを置けば、気分が上がりそうですね。自然光の中でメイクできるので、アイシャドウやチークの塗り過ぎなども防止できそう。直射日光NGな化粧品などは、収納BOXに入れてしまうようにしましょう。
3:収納スペースとして活用する
ものを収納するスペースがもっと欲しい!という方は、カラーボックスやファイルボックスを上手く活用してみるとよいでしょう。白や黒など同じ色調やデザインでそろえた方が、ごちゃつかずすっきりとした印象に。
子供のおもちゃや雑貨類などボックスに名前を書いておくと、より使いやすくなるでしょう。また、背面がないタイプのボックスを選ぶことで、光を遮らず収納することができます。
最後に
出窓のメリット・デメリットから活用術まで紹介しました。「いまいちどう使ったらよいのわからない」と思われがちな出窓ですが、工夫次第でワークスペースになったり、メイクスペースにできるなど使い道がたくさんあります。自分の生活を振り返ってみて「こんなスペースが欲しい」と思っていたものを、出窓スペースを使って実現してみてはいかがでしょうか。
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