「惚れる」の意味は?
恋愛においてよく使われるフレーズに「惚れた弱みだ」「一目惚れ」などがあります。このことから「惚れる」という言葉は、恋愛的な要素に分類される言葉と認識されがち。しかし「惚れる」は、恋愛要素の他にも意外な意味をもつ言葉です。本章では「惚れる」の詳しい意味や語源をはじめ、好きとの違いについても解説していきます。
■言葉の意味
「惚れる」という言葉には、実に多くの意味があります。単に恋愛対象として、相手に好意をもつだけでなく、何かの魅力(人物や物事)に取りつかれる、夢中になるといった意味で用いられることもあるでしょう。意外と知られていない意味に、ぼんやりとした状態・老いぼれるといったものもあります。辞書に書かれている「惚れる」の意味は、以下の通りです。
1.(恋愛対象として)心惹かれ夢中になる。恋い慕う。
2.人物や物事の魅力にとりつかれ、心を奪われる。心酔する。
(「聞く」「見る」など動詞の連用形に付いて)
3.そのことに心を惹かれて夢中になる。
4.ぼんやりする。放心する。
5.年老いてぼける。老いぼれる。
〈小学館 デジタル大辞泉より〉
■言葉の語源
もともと「惚れる」という言葉は、加齢や肉体的・精神的な衝動から放心状態となってしまうことを表していました。現代において使われているような「魅了される」「うっとりする」といった意味合いが含まれるようになったのは、室町時代後期ごろのこと。つまり初期の「惚れる」が指し示していたのは、前章で最後に紹介した、5つ目の意味であったとされています。
■「好き」との違い
恋愛に関連した言葉には、惚れると似たものに「好き」という言葉があります。どちらも相手への感情を表現する言葉として考えると、大きな違いはありません。ただし、「惚れる」は、心を強く引かれるというニュアンスが含まれています。そのため「惚れる」は瞬間的な感情の高まりや、強く引き込まれる様子が強調されている言葉といえるでしょう。
「惚れる」の言い換え表現
「惚れる」にはいくつかの言い換え表現があります。惚れるをはじめ、相手に自分の好意を伝える表現は知っていれば知っているだけ、自分の気持ちをストレートに、よりわかりやすく相手へ伝えられるでしょう。「好き」や「惚れる」以外の言い回しができるよう、本章で紹介する言い換え表現も、合わせて覚えておいてください。
「恋に落ちる」
惚れるの言い換えとしては「恋に落ちる(落ちた)」という表現も用いられます。惚れると同様に、相手に対して「好き」という気持ちを表現した言葉。自分が相手に対して恋愛感情を抱いていると、ストレートに伝えられる言葉です。
「恋する」
「恋(を)する」というのも、惚れると同様の意味で用いられます。惚れるという言葉は、技術に惚れる、歌声に惚れるなどのように、人物以外にも使われるケースが多々あるでしょう。これに対して「恋する」は、恋に落ちると同じく、人物に対して用いられる表現です。
「愛する」
「愛する」も惚れると同様の意味をもちます。ただし「恋する」や「恋に落ちる」が基本的に人物に対して用いられる言葉であるのに対して、愛するは人物以外にも使用できます。たとえば「動物を愛する人」「音楽を愛する人」などです。
異性に「惚れる」瞬間とは?
ここからは実際に、異性に対して惚れしてしまう瞬間とはいつなのか、一例を紹介していきます。単に自分と共感できるものを見つけるもよし、好きな相手に振り向いてもらうための参考にするのもよしです。男性が女性に、女性が男性に惚れる瞬間を、それぞれご紹介していきます。最後は男女の違いについても触れていくため、参考にしてください。
■女性に惚れる瞬間
男性が女性に惚れる瞬間として、多いものは以下の通りです。
・いい匂いがしたとき
・見た目が好みな人に出会ったとき
・自分を頼ってくれたとき
・自分を尊敬してくれたとき
・ドキドキする発言をされたとき
香りや見た目で惚れる人と、頼りにしてくれる・尊敬してくれるなど内面的な理由から惚れる人、相手の発言から惚れる人などがいらっしゃるようですね。
■男性に惚れる瞬間
逆に、女性が男性に惚れる瞬間はいつなのでしょうか。ネットでは以下の意見が多く見られました。
・自分を褒めてくれたとき
・助けてくれたとき
・リーダーシップを発揮してくれたとき
・じっくり相談にのってくれたとき
・告白されたとき
女性が男性に惚れるパターンとしては、男性の発言や行動がポイントとなっているようですね。
■男女の違いはある?
男性が女性に、女性が男性に惚れる瞬間について、それぞれ紹介しました。男女の違いとして特筆すべきは、男性はある程度「いい匂い」「好みの見た目」といった、外見的な要素を重視する人がいる一方で、女性側からはそのような回答がないことでしょう。つまり女性の場合は、かなり男性の言動を重視していると考えられます。
「惚れる」の関連語は?
「惚れる」の言い換え表現ではないものの、関連深い言葉もいくつかあります。具体的には「見初める」や「焦がれる」などです。それぞれの意味や惚れるとの違いについて、本章で解説します。それぞれの言葉がどのような意味合いをもつのか、細かなニュアンスまで理解することで、自分の気持ちにより近い言葉を選べるでしょう。
「見初める」
見初めるとは「初」という漢字で表されるように、ひと目見た瞬間、恋に落ちるという意味で用いられます。つまりは「一目惚れ」です。また単に初めて会うことを指す場合もあれば、初めて男女の契りを結ぶことを表す言葉でもあります。「惚れる」は「初めて会う」「ひと目で」といった意味を含まないことが、両者の異なる点です。
「焦がれる」
焦がれるとは、一途に思いを寄せることです。また望むことが実現する未来を強く願うといった意味も含まれます。ただし焦がれるは、何も恋愛要素だけに用いる言葉ではありません。「故郷に焦がれる」「ある女優に焦がれる」といった使い方もします。他にもお香を強く炊く、日光にさらされて変色するといった意味を持つ言葉でもあります。
「惚れる」を正しく使おう!
「惚れる」という言葉について解説しました。現代では人物や物事に魅力される、夢中になるといった意味で使われる言葉です。しかし本来は、放心状態であることそのものを指す言葉でした。これを踏まえて言葉の使い方を考えてみると、人物以外に対して「惚れる」という表現がされることも頷けます。ぜひ日常会話でも「惚れる」を使ってみてください。
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