「挙動不審」の意味は?
挙動不審(きょどうふしん)という四字熟語をご存じでしょうか。文字通り「挙動」が「不審」なことを表現した言葉ですが、具体的にはどのような意味を持つのでしょう。本章では「挙動不審」について、言葉の意味や使い方、病気のサインとしての挙動不審について解説していきます。挙動不審となってしまう理由に注目しながら、読み進めてください。
■言葉の意味
挙動不審の「挙動」とは、振る舞いや動作、様子のことです。そして「不審」とは、疑わしく思うことや怪しく見えること、はっきりしない(優柔不断)な様子を表現する言葉。つまり両者をつなげた「挙動不審」とは、行動や振る舞いが怪しいことを表した四字熟語です。冷静さを失っていたり、パニックに陥っていたりする場合も含まれます。
隠し事などがあるため、立ち居ふるまいに落ち着きがなく、あやしいところがあること。また、そのさま。
(引用<小学館 デジタル大辞泉>より)
■言葉の使い方
挙動不審の使い方は、挙動不審な人物について話す、AさんとBさんの会話例を参考にしてください。
Aさん 「昨日、会社の最寄り駅で挙動不審な人物を見かけたよ」
Bさん 「え、怖い!どんな様子だったの?」
Aさん 「ずっと一人でぶつぶつ話しながら、同じところ歩き回っているだ」
Bさん 「えぇ!今日の帰り道は気をつけましょう」
■挙動不審になってしまう病気
なんらかの病気が原因で、挙動不審になってしまうこともあります。挙動不審の原因となってしまう病気は「あがり症」や「社交不安障がい」などです。いずれの場合も、相手から自分自身がどうみられているのかを過剰に気にした結果、かえって挙動が不自然になっています。これは自分自身が不安に思っていることを、隠そうとしているためです。
「挙動不審」の類義語
挙動不審と似た意味で用いられる四字熟語には、「不審人物」や「神経過敏」などがあります。いずれも他者から「あの人の行動は、どこかおかしいな」と、思われている状態を指す言葉です。ぞれぞれの意味について、本章で解説していきます。また挙動不審とは、ニュアンスが異なる点についても説明するため、参考にしてください。
「不審人物」
不審人物とは、「不審者」のことです。挙動不審と同様に、行動に疑わしい点がある人のことを指します。しかし挙動不審は、後ろめたいことがあって行動がおかしな人であれば、誰にでも使用されるのに対して、不審者はより犯罪に発展する恐れがある人を表しています。ただし疑わしいだけで、犯罪者と異なる点においては、どちらも同様です。
「神経過敏」
神経過敏とは、文字通り神経が過剰に鋭い状態のことを指します。またこのような状態に陥っている人を「神経過敏な人」と表現することもあるでしょう。外部から少し刺激を受けただけでも、過剰に反応してしまう、不安定な精神状態であることを表しています。神経過敏が原因となって、挙動不審になるケースも多いため、類義語というよりも関連語と位置付けられるでしょう。
挙動不審な人の特徴
ここまでの内容から、挙動不審という言葉の意味についてはおわかりいただけたでしょう。それでは具体的に、周囲から「挙動不審な人」と判断されてしまう行動には、どのようなものがあるのか、本章で解説していきます。自分自身が本章で解説するような行動をしてしまっている場合、周りから挙動不審と思われているかもしれません。
・目が泳いでいる
挙動不審の特徴として、まず「目が泳いでいること」が挙げられます。自分自身にやましいことがあってもなくても、周囲からの目が気になるあまり、キョロキョロと周りを見てしまうと挙動不審と認識されてしまうかもしれません。
落ち着きがない人という印象にもつながる恐れがあるため、できるだけ目が泳いでいる場合は冷静を心がけましょう。
・姿勢が悪い
姿勢が悪い人は、周囲からよい印象を持たれにくい傾向にあります。同じ行動をしても、姿勢がよい人とそうではない人とでは、周囲がもつ印象は異なるでしょう。
とくに猫背な人は、どこか自信がなさそうに見えてしまい、「挙動がおかしい」「怪しい」と思われてしまうかもしれません。自分自身に後ろめたいことがなくても、相手からの印象を気にするならば、姿勢は美しい状態を維持しておきましょう。
・言葉に詰まる
発言に詰まる人も「挙動不審」と認定されてしまう恐れがあります。もちろん会話が得意な人もいれば、不得意な人もいるでしょう。不得意だからといって、焦って会話をしようとすると言葉に詰まったり、滑舌が悪くなったりしてしまいます。「何か嘘をついているのかも」と思われる可能性があるため、できるだけ落ち着いて話しましょう。
・感情が行動に出やすい
感情が行動に結びつきやすい人も、注意しなければなりません。とくにマイナスな感情を行動に表すことは、周囲から不審に思われがちです。相手との関係性にもよりますが、たとえ怒りを感じたとしても、人前で態度に出すのは控えた方がよいかもしません。自分では単なるストレス発散の一種であっても、周囲から挙動不審だと思われてしまいます。
「挙動不審」の原因・改善法
自分ではそのつもりがなくても、周りから挙動不審と思われ、誤解されてしまうケースはあります。挙動不審を治したくても、「原因がわからない」「治し方がわからない」という人もいるでしょう。そこで本章では挙動不審になってしまう原因や、改善方法について解説します。ぜひ参考にして、周囲からの印象アップに役立ててください。
■挙動不審の原因
挙動不審の原因として考えられるのは、以下の5つです。
・恐怖心
・不安感
・極度の緊張
・劣等感
・準備不足
上司や先輩などへの恐怖心や、自分の秘密(嘘)が露見することへの不安感は、挙動不審の原因です。また極度の緊張状態にある場合や、周囲にして劣等感を覚えている場合、コニュニケーションの準備不足である場合も挙動不審になりがちです。
■挙動不審の改善法
挙動不審を海鮮する方法は、以下の通りです。
・嘘や隠し事をせず、自分の非を認める
・緊張を無理に隠さない
・自分の長所に目を向けてみる
・自分への理想を高く持ちすぎない
・背筋を伸ばし、堂々とした態度を意識する
とくに最後の改善方法は、すぐにでも実践できるため、挙動不審を改善したい方へおすすめです。内面をすぐに変えるのは難しいため、姿勢から改善していきましょう。
「挙動不審」を正しく使おう!
この記事では、挙動不審という四字熟語について解説しました。「あの人は挙動不審だ」と周囲から思われると、あらぬ疑いをかけられたり、円滑なコミュニケーションが取りづらくなったりすることもあるかもしれません。「挙動不審な人」と認識されても、よいことはありません。ぜひ本記事でご紹介した原因や改善方法を参考にして、挙動不審から脱却してください。
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