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2024.03.15

【原文ママ】とは|意味や関連する言葉について紹介! 編集用語も

 

「原文ママ」とは、誤字などがあってもそれをそのまま訂正せずに記載(掲載)することを表す言葉。「げんぶんまま」と読みます。文中に表示されているのを見かけますよね。この記事では意味や関連する用語などを紹介します。

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「原文ママ」って?

ネット記事などを読んでいると、時折目にする「原文ママ」。何となく意味はわかるけれど、違和感を覚える人は多いでしょう。「原文ママ」とは、編集用語(校正記号)の一つ。文章の引用に関連する言葉です。

「原文ママ」は、ネット記事以外に論文やニュースなどでも使われていますので、正しい意味を把握しておくといいですね。

「原文ママ」は引用に関連する言葉

「原文ママ」は「げんぶんまま」と読み、文章の引用(人の言葉や文章を自分の話や文の中に引いて用いること)において、誤字や事実誤認と思われる箇所が含まれていても、それをあえて訂正することなく掲載(記載)する場合に使う言葉です。「原文をそのまま載せている」ということを明示する際に、「原文ママ」と表示します。

「原文ママ」の「ママ」は、「原文の儘(まま)引用」を略した編集用語における校正記号。「〔ママ〕」のように表示することもあります。

タイピング

(c) Adobe Stock

著作権が関係している

原文の誤字や事実誤認をそのまま引用するのは、著作権が関係しているためとされています。著作者(原文を作成した人)の同意を得ることなく、勝手に内容や題号を修正するのはNG。著作者人権権の中にある、同一性保持権を侵害するおそれがあるのです。

【著作権】
読み方:ちょさくけん

知的財産権の一。文芸・学術・美術・音楽の範囲に属する著作物をその著作者が独占的に支配して利益を受ける権利。著作物の複製・上演・演奏・放送・口述・上映・翻訳などの権利を含む。著作物が創作された時に発生し、原則として著作者の死後70年までを権利の保護期間とする。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

著作権は、著作者が持つ「著作者人格権」と「著作財産権」の総称です。著作権は著作物を創作することにより発生するものであり、権利を得るための審査などはありません。

著作権を侵害された場合は、裁判所に提訴して損害賠償請求や差し止め請求を行なうことができます。

参照:文部科学省|著作権(ちょさくけん)ってなに?

「原文ママ」と似ている編集用語

「原文ママ」に話を戻しましょう。ここからは、「原文ママ」と似ている編集用語(校正記号)を紹介します。

▷「イキ」
印刷物の校正で、消した部分を生かして元のままにするよう指示する記号。カタカナで「イキ」と書きます。「元の記載内容が生きる」の意。修正の指示などに斜線を入れて打ち消します。

「原文ママ」と似た意味を持つ記号ですが、内容は異なります。「原文ママ」の言い換えに使えるわけではありません。また、「原文ママ」のように引用文に表示されることもないと考えてください。

パソコンを打つ人

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他にもある編集用語(校正記号)

編集用語における校正記号をいくつか紹介します。日常やビジネスシーンで使うことはないかもしれませんが、文章を書く際に有用かもしれません。

「トルツメ」

「トルツメ」とは、余計な文字や記号を削除し、その空いた部分を詰めるという意味。余計に挿入された箇所を取り除くことを「トル」、空いた部分を詰めることを「ツメ」と表します。

空いた部分を詰めずにそのまま空けておく場合は、「トルアキ」「トルママ」という指示が用いられています。

「ルビ」

「ルビ」はふりがなのこと。該当する文字列の上部に線を引き、「ルビ」を入れます。

英国でルビーとよばれた5.5ポイントの欧文活字(ヨーロッパ諸国で使われる言語による文章が印刷されたもの)の大きさが、和文(日本語で書かれた文章)で5号活字の振り仮名として用いた7号活字とほぼ等しかったところから、「ルビ」という言葉が浸透したとされています。

文章中のすべての漢字にふりがなをつけることを「総ルビ」、文中の一部の漢字にだけふりがなをつけるのを「パラルビ」と呼びます。

参照:TOPPAN CREATIVE編集部|校正のルールと必ず覚えておくべき校正記号

「原文ママ」や「引用」に関連する言葉を紹介

ここからは、「原文ママ」や「引用」に関連する言葉を見ていきましょう。いずれも文中に表記される言葉です。記事などの内容を正しく理解するためにも、把握しておくといいですね。

「参照」

「参照」とは、照らし合わせて、参考にすることを表す言葉。「さんしょう」と読みます。情報の整理や理解を深めるための手がかりとして、他の情報を記載することを表すと考えてください。

基本的には、図表や文献に対して使うことがほとんどです。「照らし合わせる」という意味を持つことから、目に見える資料やデータ、図表、書籍などを元に考えを深めることを指します。そのため、意見や見解のような目に見えないことに対しては使わないことが多いでしょう。

「参考」

「参考」は、何かをしようとする時に、他人の意見や他の事例、資料などを引き合わせ、自分の考えを決める手がかりにすることを表す言葉。そのための材料を指すこともあります。読み方は「さんこう」。

「参照」と異なり、他人の意見や見解、事例など、形のないものに対しても使うことができます。「参照」よりも広く用いられる言葉と言えるでしょう。

「参考」や「参照」は、手がかりとして元の情報を使うため、原文をそのまま記載あるいは掲載するわけではありません。しかし、手がかりとしたことがわかるよう、参考元や参照元を自分の文中に明記する必要があります。

辞書や辞典

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「転載」

「転載」は、既刊の印刷物の文章などを写しとって、そのまま他の刊行物(出版した書籍や文書、絵画など)に載せることを表します。読み方は「てんさい」。わかりやすく述べると、すでに出版されている本に掲載されている文章を、他の新聞や雑誌などに載せることを指します。

「転載」は「引用」と同じで、著作物を改変することなく記載あるいは掲載しなければなりません。異なるのは、「転載」は転載元の著作物そのものを重視すること。基本的には著作権者の許諾を得ておこないます。

自分が主張したいことの裏付けとして、他者の著作物を掲載する場合は「引用」、転載元の著作物を紹介する目的であれば「転載」を使うと考えていいでしょう

最後に

「原文ママ」についてまとめました。誤用や事実誤認が明らかであっても、そのまま掲載(記載)されるのは、著作権が関係しているからとされます。「引用」などには定められたルールがありますので、それに反することがないよう注意してください。

「原文ママ」以外にもさまざまな校正記号があります。「原文ママ」のように文中に表記されるものはほとんどありませんが、把握しておくと楽しいかもしれません。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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