サラダやパスタソースとして、いろんな料理で使われているトマト。なんとなく体にいいイメージがあるので、よく食べるようにしているという方も多いのではないでしょうか? ただ、具体的にどんな栄養素があるのか、1日にどのくらい食べたらいいのかなど、わからないことも多いですよね。
この記事では、トマトに含まれる栄養素や効率的に栄養を摂る方法、トマトを使ったレシピなどを解説します。
トマトに含まれる栄養とは?
まずは、トマトに豊富に含まれる栄養素とその主な効果を紹介します。
【トマト100g当たりの栄養素の含有量】
・ビタミンC:15mg
・カリウム:210mg
・食物繊維:1.0g
・ビタミンE:0.9mg
ビタミンCやリコピン
トマトにはビタミンCやリコピンが豊富だといわれています。
ビタミンCにはさまざまな効果が期待でき、例えば疲労の原因である活性酸素を除去したり、皮脂分泌を抑制して美肌に導いたり、さらには眠りの質をあげたりする効果も期待できるのだそうです。
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βカロテンやカリウムも豊富
トマトは、βカロテンやカリウムも豊富だといわれています。βカロテンはリコピン同様、天然色素のカロテノイドが豊富で、活性酸素の働きを抑えてくれるといわれているそうです。
カリウムはナトリウムの排出を促す栄養素なので、高血圧予防やむくみなどに効果的なのだとか。ビタミンC同様、水溶性の栄養素であるため、加熱せずサラダなど生で食べるのがおすすめです。
食物繊維
食物繊維は、小腸で消化・吸収されることなく大腸まで達するので、おなかの調子を整え便秘を予防するのに役立ちます。また、脂質や糖、ナトリウムを吸着し、体外へ排出するはたらきもあります!
トマトが「すごい」といわれる理由
ここではさまざまな面からトマトが「すごい!」といわれる理由を紹介します。
もともとは観賞用の植物だった
実はトマトは、もともと「悪魔の実」と呼ばれていました。理由はベラドンナという猛毒の植物によく似ていたから。
そんな悪魔の実と呼ばれていたトマト、昔は食べ物ではなく観賞用の植物だったそうですが、イタリアが飢饉で苦しんでいるとき「勇気を出して食べたらおいしかった」というのが最初に食されたタイミングだったのだとか…!
世界中で食べられているもののひとつ
トマトは現在、世界中で食べられています。栽培も熱帯地域から温帯地域にかけて、世界中で行われているのだとか。イタリアでは「黄金のリンゴ」とも呼ばれているそうです。
江戸時代の日本ではトマトを食べなかった
トマトが日本に来たのは、江戸時代。当時は「赤なす」と呼ばれ、観賞用として栽培されていたそうです。本格的に栽培され始めたのは、なんと明治に入ってから。今では当たり前のように食べるトマトですが、当初は人気がなかったことがうかがえますね。
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トマトを食べる場合の目安
栄養素を知ると、よりたくさんのトマトを食べたくなりますが、目安も知っておきたいですよね。ここではトマトを食べる時のポイントを紹介します。
緑黄色野菜・1日の摂取量の目安は120グラム以上
厚生労働省では、トマトを含む緑黄色野菜は、1日あたり120g以上の摂取を目安としています。大体、トマト1〜2個程度くらいになりますね。ミニトマトであれば、10〜15個程度が目安となります。
ただし、緑黄色野菜で120gですから、トマトで120gを満たしてしまっては取り過ぎになる可能性があります。他の緑黄色野菜と組み合わせて、バランスよく摂取してくださいね。
食べ過ぎの注意点
トマトを食べ過ぎてしまうと、体が冷えたり、下痢につながったりする可能性があります。また、皮の部分は消化されにくいため、おなかの調子が悪い時や、小さいこどもやお年寄りが食べる際には細かく切って調理するといいですね。
トマトを毎日食べる効果とは
トマトを積極的に食べることで、体にどんな影響があるのでしょうか? 一緒に見ていきましょう。
お肌が健やかに
トマトに含まれるリコピンには、抗酸化力があり、肌のくすみやシミを予防してくれます。シミは、紫外線によって増える活性酸素がメラニン色素の生成を促すことでできてしまいますが、リコピンによって抑制されるのです。肌の透明感を増し、きれいにしてくれると嬉しいですね。
むくみを改善
カリウムには、体内の余分な水分とナトリウムの排泄を促すため、むくみを改善したり、血圧を下げる役割があるとされています。加齢や長時間の座り仕事などでむくみが気になる… という方は、意識して摂ってみては?
トマトの効果的な食べ方
栄養素の吸収率がアップする効果的な食べ方を紹介します。
加熱調理して食べる
トマトに含まれるリコピンは加熱によって吸収率が高まるのだとか。そのため、トマトはソースやシチュー、スープ等で加熱調理して食べるのがおすすめされているようです。
オリーブオイルとの組み合わせがGOOD
トマトに含まれるリコピンは、油と一緒に摂ることで吸収率がアップするそう。これはリコピンが油に溶けやすい性質を持っているためなのだとか。カプレーゼなど、オリーブオイルを合わせた料理で効率よくリコピンを摂取するのがおすすめです。
トマトを皮ごと食べる
トマトに含まれるビタミンCは、熱に弱い特性が。そのため、トマトからビタミンCを効率よく摂りたい場合は、生のまま食べるのがおすすめです。リコピンやβカロテンは皮にも多く含まれるので、できるだけ皮ごと食べるといいですね。ただ、皮は消化吸収されにくいため、胃腸が弱い人は食べ過ぎに注意してください。
食べる時間帯も大切
カゴメによると「トマトジュースを飲むとき、朝昼晩どの時間帯がリコピンの吸収率が良いか」を試験研究をしたところ、朝がいちばんリコピンの吸収が良いことが明らかになったそう。また、リコピンは牛乳との相性がいいので、シリアルに牛乳をかけたものと、トマトジュースという組み合わせもいいようです。
美味しくて栄養満点なトマトレシピ
美味しくて栄養満点なトマトのレシピを5つ紹介します。
トマトとサーモンのカルパッチョ
一皿丸ごと抗加齢食材!
【作り方】
1. 刺身用のサーモンを薄切りにする。
2. 高リコピントマトやスプラウト、ザワークラウトと1をお皿に盛り付ける。
3. えごま油とポン酢を1:1で合わせたドレッシングをかけたらできあがり!
トマトと鶏肉、きのこのスープ
発酵調味料の味噌をベースにした疲労回復スープ!
【作り方】
1. 鶏胸肉とエリンギ、玉ねぎ、トマトを好みのだしで火が通るまで煮る。
2. 1に味噌をとき、仕上げにスプラウトをのせて完成!
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トマトしらすポン酢
熟していないトマトを美味しく食べる魔法のレシピ!
【作り方】
1. ざく切りにしたトマトを器に入れる。
2. 1にしらすをこんもりのせる。
3. ポン酢醬油とごま油を回しかけてごまを振る。
4. アクセントに大葉を手でちぎってのせたら完成!
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ツナとトマトの炊き込みごはん
強い味付けなしでも美味しい!
【作り方】
1. 炊飯器に水とトマト丸ごと、コンソメをいれて炊飯する。
2. 炊き上がったらオリーブオイル使用のツナを混ぜて完成!
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モツァレラとプチトマトの味噌汁
簡単にできる変わり種の味噌汁レシピ!
【作り方】
1. だしに味噌をとく。
2. 4分の1にカットしたプチトマト4個、手でちぎったモツァレラチーズ4分の1玉を1に加える。
3. 器に盛ってオリーブオイルをひと垂らししたら完成!
最後に
トマトの栄養素などを見てきました。トマトの栄養素を効率よく摂る方法を、料理を作る際などに生かしてみてくださいね。トマトを使ったレシピも家庭の中で試してみてはいかがでしょうか。
TOP画像/(c) Adobe Stock
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