美肌効果や冷え・むくみなどの改善も
基礎代謝が上がると体温も上がると言われています。体温が上がると新陳代謝が活発になり、肌のターンオーバーにより美肌を作ることができるのだそう。
さらには自律神経が整いやすくなり、冷えやむくみを解消。睡眠の質もアップするという美容だけでなく健康面にも大きなメリットがあると言われています。
簡単に基礎代謝を上げる方法って?
筋肉量を増やす
管理栄養士・健康運動指導士の小島美和子さん曰く、実は基礎代謝量と筋肉量は大きく関係しているそう。
「基礎代謝の約25%は筋肉で消費されるので、筋肉が減れば代謝も当然低下します」。
筋肉が減れば代謝も下がる。基礎代謝をアップさせるには、体の筋肉を増やすことが有効なのです。
有酸素運動も有効
筋トレで全身の筋肉量を増やすことで基礎代謝量もアップしますが、有酸素運動も基礎代謝を上げるために有効な運動だと言われています。
有酸素運動とはウォーキングや水泳など、酸素の力で糖質や脂肪を燃焼させる運動のこと。有酸素運動は血流改善の効果も見込めます。
筋トレと合わせて実施することで基礎代謝がアップするだけでなく、結果的に効率的にダイエットできるメリットも。
体を温めるものを摂取する
体を温めるものを摂取することも、基礎代謝を上げるのに効果的です。
例えば白湯。
白湯を飲むことで食道や胃、腸などの内臓が温められて、全身の血の巡りがアップ。内臓温度が1℃上がれば基礎代謝も10〜12%ほど上昇すると言われ、これにより脂肪燃焼率もよくなります。
お風呂に入って血流をよくする
お風呂に入って血流をよくすることも、基礎代謝を上げるのに有効です。
医師の工藤孝文先生によると、やや熱め(40℃~42℃)のお湯に入ったり出たりを繰り返す「高温反復浴」は、体を芯から温め代謝を上げてくれる上、通常の入浴方法よりも多くのカロリーを消費できると言います。
「まず最初に、温かいシャワーを足元から順にかけて体をお湯に慣れさせます。その後、湯船(40℃~42℃)で3分温まり、湯船から出て5分休憩する。これを1サイクルとして、3サイクル繰り返します。たくさん汗をかいてカロリーが消費できるうえに、血行が促進され、代謝のよい体づくりにつながります。休憩時に髪やカラダを洗うようにすると、時間の無駄もなくスムーズですよ」(工藤先生)
注意点はしっかりと水分補給をすること。入浴中がたくさん汗をかくので、500mlのペットボトル(常温の水)を持って入るのがよいそうです。
また、この入浴法の利点は血流の改善。1回行っただけでは効果は得られないため、ぜひ習慣にすることをおすすめします。
姿勢をよくする
サロンオーナー中野祐子さんによると、美の基本は「姿勢」だと言います。
例えば電車でスマホを見るとき、仕事でパソコンをするとき、肩が内に巻き込まれ、頭が前に出るこんな姿勢。長時間こんな姿勢をしていると、筋肉が緊張状態になり体の可動域が狭まってしまうそう。そして疲労が溜まり、代謝も落ちて脂肪がつきやすい状態になってしまうんだとか… 。
正しい姿勢の作り方は、体の力を抜いて、頭の先から1本の紐で引っ張られているようなイメージを持つこと。背筋や骨盤を立てて、深い呼吸ができるかどうかをポイントにすると良いそうです。
美しい姿勢は代謝を上げ、美ボディラインを作ってくれるのですね。
立ち方にも注意して
ダイエット王子小山圭介先生は、電車待ちをしているときや駅のホームでのこんな立ち方、これを〝デブ立ち〟と呼ぶ、と言います。
先生曰く、立ち方を意識すれば、いい姿勢が身につき、筋肉のつき方が変わるので代謝がグンとアップするんだそう。
■おへそを背中に近づけるイメージでグッと引っ込める(IN)
■引っ込めたおへそを上に持ち上げる(UP)
このIN&UPの立ち方でしっかり腹筋が使えるので、代謝が40%もアップすると言われています。背筋も自然にスーッと伸び、見た目も美しくなりますね。
炭水化物は抜かない
炭水化物を抜くと、筋肉が脂肪に変わり代謝が落ちてしまうと小島さんは言います。
「確かに炭水化物を抜いて糖質を減らすと、一時的にはお腹がへこんで体重も落ちます。ただし、糖質は生きるのに必須のエネルギー源なので、不足すると筋肉を糖に変え、エネルギーとして使うことに。代謝が落ちて体脂肪が増えやすい体になり、リバウンドもしやすくなります」(小島さん)
タンパク質を意識的に摂る
筋肉のもととなるタンパク質。管理栄養士の細野恵美さんによると、タンパク質を摂取することは代謝アップにつながると言います。
「タンパク質をしっかり摂取すると筋肉量が増え、基礎代謝が上がりやすくなります。基礎代謝量とは、人間が運動をしなくても、生命維持のために消費するカロリーのこと。基礎代謝量を上げると消費カロリーが増えるので、タンパク質はダイエットにとっても重要な栄養素なんです。このタンパク質は、日々壊されてはつくられ、新陳代謝を繰り返しています。いくら運動をしても、材料がなければ筋肉が十分につくられません。常に新陳代謝を繰り返すタンパク質のために、食事から摂取していく必要があります」(紺野さん)
キーワードはタンパク質を10gプラスする「プロ10in」。1日に必要なタンパク質を一度に摂るのではなく3食しっかり分け、かつ1食当たりの摂取量を20〜35gを目安にするとよいのだそう。
「肉、魚などタンパク質の摂取はどうしても夜に集中する傾向にありますが、1日に必要なタンパク質を、朝、昼、夜に分けて摂ることが重要です。1食当たりのタンパク質摂取量は20〜35gが目安。この量を毎食とるようにしましょう。具体的には、シャケや明太子などタンパク質が入ったおにぎりを選ぶ場合、2個で10g程度のタンパク質が摂取できますので、サイドディッシュは10g以上のタンパク質が入ったものをプラスして下さい。最近は、タンパク質の量が記載されている商品が登場しているので計算しやすいと思います。昆布や梅のおにぎりは、ほとんどタンパク質は含まれませんので、タンパク質が入ったものがおすすめです。また、ハムや卵のサンドイッチも1包でタンパク質10g程度。プロテイン=タンパク質なので、『プロ10in』と覚えて、摂取する目安にしましょう」(紺野さん)
朝ごはんは必ず食べる
小島さんのアドバイスでは、代謝をアップさせるには「朝食をとること」が非常に大切だと言います。
朝は起きたら1時間以内にごはんを食べ、必ず摂りたいのは、糖質とタンパク質。血糖値を上げる糖質と、代謝を上げるタンパク質を朝ごはんに食べると、丸一日代謝のいい体をキープできるのだそう。
ただし、シリアルやスムージーには注意が必要なよう。
「シリアルは牛乳をかけても糖質もたんぱく質も足りません。また、砂糖たっぷりのものも多く、急激に血糖値を上げ、脂肪がつきやすかったり食後に眠くなることも。食べるときは原材料と栄養表示を確認し、砂糖無添加で脂質が少ないものにフルーツを加えましょう。
また、きちんと食事をとったうえでスムージーを飲むのならよいのですが、スムージーだけでは栄養素もエネルギーも足りません。さらに、冷たいスムージーは体を冷やしてしまうため代謝もダウン。その結果、便秘になりお腹ポッコリ、という人も多い。スムージーを飲む場合、常温のフルーツを使い、しょうがなどを入れるとなお◎ 」(小島さん)
基礎代謝を上げるのに有効なストレッチも
硬い体を伸ばすストレッチ
朝、布団の中からはじめるゆるやかなストレッチを、トレーナー&インストラクターの菅原みどりさんに教えてもらいました。
まずは仰向けのまま両手を組み、頭上に上げてつま先をピンと伸ばす。自然な呼吸を繰り返しながら10秒ほど上下に気持ちよく伸びて。
次に両足のかかとを突き出しふくらはぎを伸ばす。自然な呼吸で10秒繰り返して。
起き上がったら足を開き、ひざとつま先を外側に向けて立つ。四股を踏むイメージで中腰になり、肩を前に入れるよう上体をひねって10秒キープする。
反対側も同様に行う。
足を肩幅より少し広めに開いて立ったら、手を後ろで組んであごを上げ、胸を反らして10秒キープ。
最後は息を吐きながら上体を倒し、お尻を天井に向けて前屈。10秒キープしたら完了。
姿勢改善ストレッチ
カイロプラクター 姿勢教育指導士の碓田紗由里さんに、姿勢の改善におすすめのストレッチ方法を教えてもらいました。
まずは両手を手のひらが上を向くように後ろで組む。
鼻からゆっくりと息を吐きながら、肩を後ろに思い切り引く。
肩甲骨と肩甲骨の間にレモンを挟んで絞るイメージで。
この状態のまま首を後ろに倒し、ゆっくり3つ数えて頭を起こして肩の力を抜く。
肩の引きが不十分だと、首を痛めてしまう原因に。効果も得られないので注意して。
腰が反りすぎていると腰痛の原因に。
お尻ストレッチ
お尻の筋肉に柔軟性があると、血行がよくなり基礎代謝がアップするそう。お尻の筋肉をゆるめるストレッチ方法も教えていただきました。
まずは椅子に座った状態で、片足を反対の足のももにのせる。
そのまま背筋を伸ばして状態を前に倒す。大きなお尻の筋肉は30秒ほどじんわりと伸ばしていくのが◎ 。