リバウンドしないおすすめのダイエット方法
栄養をしっかり摂る
管理栄養士・健康運動指導士の小島美和子さんによると、まず根本的な考えとして「食べ方」を間違えている人が多いと言います。
「適切な時間に必要な量を食べておかないと、食べ物をエネルギーに変えたり栄養を全身にいきわたらせる代謝が十分に行われません。つまり、どんなに有効な成分を摂取しても、あまり意味がないということ。〝体にいい〟と言われるものに飛びつく前に、食べ方を見直しましょう」(小島さん)
小島さん曰く、きちんと栄養をとり、摂取量も消費量も高い水準を保つことが大切なのだそう。
「きちんと栄養をとって代謝を上げ、カロリーの摂取&消費量を高い水準に保ちながら体重をキープしましょう。体調が格段によくなりますし、精神的にも安定します」(小島さん)
理想は次の食事までに〝ほどよくお腹が空く〟こと。
「食事の本来の目的は、生活に必要なエネルギーを補給すること。筋肉を切りくずさず仕事への集中力も途切れさせず、次の食事までに使い切る糖質の適量は、次の食事前に適度な空腹感があるかどうかで見極められます。活動量が多く代謝も活発な日中に備える朝食・昼食はおのずとしっかり、あとは寝るだけ…という夕食は軽めに」(小島さん)
「ダイエット」というと、〝我慢〟や〝食べない〟ということをイメージしてしまいがちですが、栄養不足では痩せにくい上、痩せても体脂肪が増えやすい体になり、リバウンドしやすくなるのだそう。
まずは、根本的な考え方を変えて「食べ方」を見直しましょう。
空腹と満腹の振れ幅を小さくする
小島さんによれば、太りやすい人は空腹なときと満腹なときの差が激しいのだそう。
気持ち悪くなるほど食べて次の食事を抜いたり、満腹なのにお菓子をつまんだり… 。我慢するだけして爆発してしまってはリバウンドの元。次の食事までに、程よくお腹が空く程度の量が理想的です。
±0思考
RIZAP WOMAN新宿店トレーナー・戸賀崎裕美子さんによると、食べすぎてしまったとしても、±0になるよう考える癖をつけるだけで、減量後もリバウンドしづらいと言います。
「ダイエットに向かない食材を食べたいときや、または食事会やお仕事の付き合いで食べないといけないこともあると思います。それは仕方のないことですので、どうしても食べないといけない理由、食べたい理由を食べる前に考えてみてください。また、同時に食べる前にできること、または食べた後にできることを考えてみましょう! 例えば、食べる順番を考える、前日や翌日の食事を抑える、有酸素運動してカロリーを消費するなど。2〜3日の間に±0になるよう考えてみてください。その考え方が継続できると、減量後もリバウンド無く過ごせる方が多いです。」(戸賀崎さん)
筋トレを取り入れる
ダイエットでは、ウォーキングやランニング、水泳などの有酸素運動を取り入れる人が多いですが、効率よく、かつ痩せた後のリバウンドもしにくくするには、「筋トレ(無酸素運動)」も重要です。
無酸素運動とは、腹筋やスクワットなど強度の強い運動のことを言います。よっぽどハードなトレーニングでない限り、無酸素運動自体の消費カロリーはそれほど高くありませんが、無酸素運動で筋肉を鍛えることで全身の筋肉量がアップします。
全身の筋肉量がアップすれば、体の基礎代謝量が上がり、脂肪燃焼しやすくなります。さらにボディラインにもメリハリができ、ダイエット後のリバウンドもしづらいと言われているのです。
痩せてもリバウンドの可能性が高いNGダイエット
過度な食事制限ダイエット
過度な食事制限や食べないダイエットで最初に減っていくのは、体脂肪ではなく体内の「水分」や「筋肉」です。
運動をせず、無理に摂取カロリーを少なくしたダイエットを続けると、栄養障害で体がしぼむだけでなく、筋肉も減少してしまいます。
その結果、体が脂肪を蓄えようとするので体脂肪が余計に増えて、リバウンドしてしまうことに…。栄養の足りない過度な食事制限や食べないダイエットは控えましょう。
糖質制限ダイエット
小島さんによると、話題の糖質制限ダイエットは一時的に痩せることができても、不足するとリバウンドしやすくなると言います。
「確かに炭水化物を抜いて糖質を減らすと、一時的にはお腹がへこんで体重も落ちます。ただし、糖質は生きるのに必須のエネルギー源なので、不足すると筋肉を糖に変え、エネルギーとして使うことに。代謝が落ちて体脂肪が増えやすい体になり、リバウンドもしやすくなります」(小島さん)
○○だけダイエット
例えば食事をヨーグルトだけ、スムージーだけ、フルーツだけ…というような一品だけを食べ続けるようなダイエットや、パスタだけサラダだけ、というような単品食いで済ませようとするダイエット…。これでは栄養が偏ってしまうと言われています。
「朝はヨーグルトだけ、という女性もいますが、乳酸菌やカルシウムは普段の食事のベースがあってこそ働くもの。ヨーグルトだけでは完全とはいえません。また、乳製品は思いのほか脂肪分が多く高カロリー。悪玉コレステロールを増やす飽和脂肪酸も多いので、低脂肪や無脂肪を選んで」(小島さん)
「サプリはそもそも、体に大きく影響を与えるほどの栄養素を含んでいないので、サプリだけで補おうとするのはムリ。また、そもそも普段の食事で、たんぱく質、脂質、炭水化物といった重要な栄養素がとれていない人がサプリをとっても、きちんと活用されません。チアシードやキヌアなどのスーパーフードも同様です」(小島さん)
「フルーツでとれるのは、ビタミンや食物繊維、カリウムなど。朝食のデザートとして食べるなら◎。フルーツだけで朝食代わりにするのはNGです。ちなみに、フルーツに含まれるショ糖や果糖は体への吸収が速いので、あまり活動しない夜に食べるとお腹に脂肪がつきやすくなります」(小島さん)
短期ダイエット
(C)Shutterstock.com
ダイエットは基本的に続けることが大切だと言われます。
一時的な成果を求めて無理なダイエットを繰り返していては、体重は落ちるかもしれませんがその後の戻りも早い可能性が。
ある程度時間をかけてダイエットに取り組み、体質や食生活を根本から改善することで、痩せた後もリバウンドしにくい体に変化するものです。
ファスティングダイエット
定期的にファスティングを取り入れている、という人もいるかもしれませんが、小島さん曰く、これも太りやすい体になる原因なのだそう。
「ファスティングで減るのは主に水分と筋肉。また、ファスティング中は極端な栄養不足になるため、省エネモードになり代謝がぐっと落ちています。一旦減った筋肉は食事では戻らないし、代謝もなかなかアップしません。ファスティングを繰り返すと体脂肪率がどんどん高くなり、代謝の低い太りやすい体になりリバウンドは確実」(小島さん)
リバウンドしないためには、急な結果を求めすぎず、体に必要な栄養素を欠かすことなく、食べ方や食事内容を工夫することが大切だと言えそうですね。
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