3:他者を尊重する気持ちが薄め
怒りの感情は、自分が大切にしている価値観や欲求などが裏切られたときに湧いてきます。大切なものが脅かされたと感じるからです。「普通は○○するでしょう」「常識で考えたら○○と言うでしょう」といった言葉が頭の中に出てくるのではないでしょうか。
ところが、他者には他者の大切な価値観や欲求、事情があります。自分の気持ちを伝えるためにも、相手が何を考えているのかも確認できるとよいですね。他者尊重の気持ちが少ないと、つい自分の価値観や都合を相手に押しつけてしまいがちです。
【専門家が解説】怒りっぽい性格を直したい!改善方法は?
性格を直そうと思うと気が重いですね。性格ではなく行動の癖を変えようと思うと、取り組みやすいですし、効果的です。行動を少しずつ変えていくトレーニングやヒントを4つ紹介します。
1:6秒やりすごす
カッとなって反射的に何か言ってしまいがちな人にお勧めです。怒りを感じた途端に反応すると、「あんなこと言わなければよかった」と後悔に繋がりやすいものです。
大脳生理学では、6秒やり過ごすと理性をつかさどる前頭葉が働き出すと言われています。落ち着く言葉を心の中で呟いたり、深呼吸したり、100から3ずつ引いた数を考えたりして、6秒やり過ごしてみましょう。その後で、どう対応するか考えて決めても遅くはありません。
最初は上手くいかなくても、やっていると慣れてきますよ。
2:自分なりのリフレッシュ法を持つ
短時間でもできる、自分に合ったリラックス法を見つけておきましょう。散歩、空を眺めて深呼吸、音楽を聴く、昼寝、コーヒータイムなどなんでもOK。心に余裕がなくなってきているなと思ったら、さっと試してみましょう。
半日もしくは1日使えるときのリラックスメニューを持っておくのもおすすめ。あらかじめ考えておくと、隙間時間にサッと気分転換しやすくなります。睡眠時間の確保や休養など、体調管理も大切です。
3:目的を問題解決にする
怒りっぽい人は、ついどちらが正しいかをはっきりさせたくなったり、相手に反省を求めたりしがちです。しかし、自分がイライラしないためには、次からどうしてほしいかをしっかり相手に理解してもらって、同じことが起こらないようにすることが大切。
「怒ってる」を相手に伝えるのではなく、「次からこうしてほしい」を伝えてみましょう。
4:自分の常識、当たり前をチェックしてみる
多様性の時代です。自分と人の価値観や考えは違って当然。イラッとしたときに、自分が当たり前、常識と思っている価値観や考えを「本当に常識?」「相手にとっても当たり前?」と自問してみましょう。怒るというより、話し合う感じで思っていることを伝えられるようになります。
相手が大人でも子どもでも、上司でも部下でも、身内でもそれ以外でも、同じです。
最後に
怒りっぽいというのは、怒りの感情に振り回されてしまっている状態です。怒りのエネルギーを、相手を非難したり何かを壊したりに使うのでは無く、問題解決や相互理解を深める行動を起こすことに使ってみましょう。
監修
米山万由美(よねやま・まゆみ)
キャリアコンサルタント
アンガーマネジメントファシリテーター(R)
組織の1on1面談や人財活用コンサルタント、研修講師として活動。楽しくはたらき楽しく暮らすを応援。趣味はチェロ演奏。
ライター所属:京都メディアライン
あわせて読みたい