ブラフの言葉の意味とは
「ブラフ」とは相手の行動を抑制したり、促したりするための虚勢を意味します。ビジネスシーンやポーカーでも、ブラフは戦局を左右する一手になり得る行動です。
相手に行動を止めさせるためのハッタリのこと
ブラフとは、相手の行動を止めるための「虚勢」や「脅し」といった意味の言葉です。ビジネスシーンでも、自社の業績をアップさせたり、取引や商談を成立させたりするために虚勢を張ることを「ブラフをかける」といいます。
相手の行動を止めて、自分の望む方へ引き戻したいときに使われるため、やみくもに使えばよいものではなく、仕掛けるタイミングや相手との関係性を慎重に見極める必要があります。
ポーカーではブラフの活用が必須
ポーカーでは、ブラフを有効に活用することで勝利へつながることがあります。
例えば、こちらの手札の組み合わせが弱く、これ以上強くなりそうにない場合や、相手の組み合わせを上回りそうにない場合があったとします。このままでは負けてしまう可能性が高いため、形勢逆転を狙って繰り出すのがブラフです。
相手に話しかけたり、表情を作ったりしてブラフをかけ、相手に「こちらの手札が強い」と思いこませます。相手が勝負から降りればブラフは成功し、敗北と損失を避けられるのです。
語源はオランダ語で絶壁という意味も
ブラフとは英語の「bluff」のことです。bluffは、オランダ語で「自慢する」「ハッタリ」といった意味の「bluffen」が語源といわれています。
また、英語のbluffには「絶壁」という意味も。絶壁に立ちながらも落ちることはないと強がる姿から、「ハッタリをかける」という意味で使われるようになったという一説もあります。
ビジネスシーンで使われるブラフとは
ブラフという言葉はゲームだけではなく、ビジネスシーンでも利用されます。活用されるシーンや注意点について解説します。
商談や交渉の駆け引きとして
ビジネスシーンでは、取引先との商談や交渉を有利に進めるためにブラフが使用されます。例えば、提示された納期が想定より厳しい場合でも、「対応できる」と返答して契約につながることがあります。これは、自社を大きく見せて相手を信頼させるためのブラフです。
また、相手の予算よりも高い金額を提示する際にブラフが使われることもあります。次回以降の商談で相手が提示された金額での取引を承認すれば、ブラフは成功です。
加えて相手が金額にためらっている場合、そこから金額を下げることを引き換えに他の条件を認めさせたり、緩和させたりできることがあります。最初に金額でブラフをかけたからこそできる駆け引きといえます。
実力以上の仕事に挑む際の奮起の意味合いも
会社ではなく、自分を大きく見せるためにブラフが使われることも。確実性はないものの、やり遂げられる可能性が高い仕事がある場合、自分を実力以上の存在に見せることで仕事を任せられるケースです。
自分を大きく見せるブラフは、ハッタリをかけることで成功せざるを得ない状況に自分を追い込むことがモチベーションにつながるメリットがあります。
また、自分にプレッシャーをかけて気持ちを奮い立たせる理由となるため、活用次第でスキルアップにつながる可能性もあるでしょう。
ただし、適切にブラフを使わないと精神的なストレスになる恐れもあるため、無理だと分かっていることに対しては使わないようにするのが賢明です。
共通点は足りない分を補う努力をすること
ビジネスシーンで使用されるブラフに共通するのは、足りない部分を補う必要があることです。企業や個人を大きく見せることで、仮に契約や仕事を獲得できても、相手との約束を果たせなければ信用に関わります。
最初に自らできると公言した分、期待値に満たなかった場合は責任を取らざるを得なくなるリスクもあります。
そのため、対応可能な範囲や力量などを正確に把握した上で、ブラフを活用することが大切です。仕事でブラフをかけるときは、完遂する努力を惜しまないようにしましょう。
ブラフと嘘の違いとは
ブラフと嘘は同じ意味合いを含みますが、異なる部分もあります。違いを正しく理解した上で使い分けましょう。
相手をだましたい意図があるかどうか
ブラフと「嘘」は同じものに感じるかもしれませんが、ややニュアンスが異なります。嘘は意図的に相手をだます目的で使用されることもあれば、だますつもりがなくても、ついてしまうこともあります。また、ときには、相手を傷つけないことを目的に使用されることもあるかもしれません。
一方ブラフは、相手をだます目的で戦力的に嘘をつく行為です。意図的かどうかや使われる目的に違いがあるといえます。
それぞれに伴う行動の違い
嘘とブラフでは、それぞれに伴う行動も異なります。嘘は、言葉が使われるケースが圧倒的に多いといえます。ただし、相手をだます目的がある場合、言葉以外の行動が伴うことも。
ブラフは言葉に加えて表情やその場の雰囲気など、一連の行為や空気感などを含めて表現されることが多いといえます。そのため、嘘よりもブラフの方が大掛かりなものになりがちです。
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