冗談が通じない人の特徴
普段なら笑ってもらえる話が通じなかったとき、冗談が通じないタイプの人なのか、たまたま虫の居所が悪かっただけなのか、分からなくなるケースも少なくありません。冗談が通じない人に多い特徴を紹介します。
言葉をそのまま受け取る「真面目な人」
まず、真面目な性格で、言われたことを言葉通りに受け取る点が挙げられます。現実にありえないような話であっても、冗談だと思ってもらえません。少しでも不謹慎だと感じられるような冗談を言えば、注意を受けたり叱られたりする場合もあります。
例えば「こんな暑い日は、プールにつかりながら仕事したい」などと言えば「そんなこと、できるわけないでしょ」というような反応が返ってくることが予想されます。
普通の人は「そうだね」と笑って受け止めることでも、真面目な人はその性格から、言葉の楽しさや面白さを感じにくいのです。
バカにされていると感じる「プライドが高い人」
プライドが高い人は、自分が冗談を言われる対象だとは思っていません。自分は周囲よりも優れていると信じているので、少しでもバカにされていると感じることには我慢ならない傾向にあります。
特に、自分よりも下だと思っている人にふざけたことを言われると、怒りの気持ちが湧いてしまいがち。基本的に称賛されることを好むので、自分を否定されるような冗談を嫌います。
ちょっとした話でも真に受けて「そんなことはない」と、強く反論してしまうことも珍しくありません。プライドが高い人に冗談を言うと、その場が白けてしまうだけでなく、トラブルに発展する恐れもあります。
コミュニケーションを取るのが苦手な人
冗談が通じない人の中には、さまざまな事情からコミュニケーションを苦手とする人もいます。
コミュニケーションが苦手なせいで、友達の数が少なかったり、交友関係が狭かったりすると、冗談を言い合う機会が少なくなります。そのため、相手が真面目に話しているのか、ふざけているだけなのか、判断する力が養われにくくなるのです。
相手の話が冗談だと分かっても、どのような反応をするのが正解なのか分からず、固まってしまう人も少なくありません。うまく反応できないせいで、冗談が通じない人だと周囲から認識されているとも考えられます。
たわいのないことで笑い合える人と友達になりたいと思う人が多いでしょう。冗談が通じないと思われることで、さらに交友関係を狭めて悪循環に陥るケースもあります。
冗談が通じない人の心理
冗談が通じない人が、どのような心理状態なのかを知ると理解が深まるかもしれません。冗談が通じない人にありがちな心理を見ていきましょう。
もともと冗談が好きではない
冗談が通じない人の心理の一つに、冗談を言ったり、言われたりするのが嫌いという心理があります。人の好みはそれぞれなので、冗談が大好きな人もいれば、落ち着いて話すことを好む人もいます。
冗談を嫌う人は真剣な話を好み、余計な話をあまりしたがりません。冗談を交えつつ人間関係を構築したり、打ち解けたりするケースが多いものですが、必要性を感じていない人からすると、話が横道に逸れたように感じて不愉快な気持ちになり得るのです。
もともと冗談が好きでない人は、冗談ばかりを言う人に苦手意識を抱く傾向にあります。無理に笑わせようとしたり、しつこく話しかけたりすると嫌われる原因にもなるので注意しましょう。
気持ちに余裕がない
過度なストレスや、疲労などが原因で気持ちに余裕がないと、冗談が通じない状態になりがちです。
何よりも冗談が好きという人でない限り、精神的につらい状況のときに、笑いたい気持ちにはなれないもの。のんきに冗談を言っている人を見て「気楽そうでいいな」と感じたり、イライラしたりする可能性もあります。
過去に冗談で傷ついた経験がある
自身のコンプレックスや、人間性をからかうような冗談を言われて傷ついた経験を持つ人にとって、冗談そのものに嫌悪感を抱いたり、恐怖の対象になったりするケースは珍しくありません。
その人にとっては軽い冗談でも、当人にとっては受け流せない場合もあります。「再び同じような思いをしたくない」という心理が働き、冗談を言う人から離れようとすることもあるでしょう。
自分が傷つけられていなかったとしても、冗談が原因で恥ずかしい思いをしたり、怒られたりしたなど、気まずい思いをした経験がある人も同様のことがいえます。
冗談が通じない人への接し方
冗談が通じない人に不用意に接すると、関係が悪化するケースがあります。どのような接し方をすればよいのか、解説します。
まずは信頼を得る
相手の人柄がよく分かっていない状態で冗談を言うと、話が通じなかったり誤解されたりする可能性が高まります。信頼関係があるからこそ、冗談を言えるような間柄になれるものです。
そのため、まずは相手から信頼を得られるような関係を築くところからスタートしましょう。付き合いを重ねるうちに「どのような話題で相手の気持ちがほぐれるのか」見当がつくようになります。
下ネタは絶対に受け入れられないという人でも、ブラックジョークは好きで笑えるという場合もあります。反対に、自分が面白いと感じる冗談が誰にでも通じると思っていると、相手を傷つけてしまったり、仲良くなれなくなったりする一因にもなり得るので注意が必要です。
冗談を控える
相手が冗談が通じないタイプと分かっているなら、必要なことだけを伝える方がうまく付き合えます。わざわざ余計なことを言って相手を傷つけたり、その場が気まずくなったりするリスクを冒す必要はありません。
職場だけの関係なら、仕事に関係のある話だけをしていれば事足りるでしょう。仲良くなって信頼関係を築いた後であれば、冗談を言い合う関係になれますが、そもそもの相性もあるので無理に合わせる必要はないといえます。
なお、その場の雰囲気や相手の気持ちを考えずに冗談を言っていると、空気を読めない人だと思われる恐れもあります。
真面目な話題を振る
冗談が通じない人には、真面目な話のみを振るようにする方が賢明です。「仕事や資格に関すること」や「その人の得意分野に関する話題」などであれば、雰囲気が悪くなる恐れも少ないといえます。
真面目な人物は、仕事への関連性が高い話題であれば、快く話してくれる可能性があります。ただし、相手からの評価が低い場合「やるべきことをやっていないのに、おしゃべりばかりしている」と思われてしまうケースもあるので、注意しましょう。
また、職場での不必要な会話を嫌う人もいるので、必ずしもコミュニケーションを取らなければならないということはありません。
冗談が通じないと言われた場合の改善方法
たわいのない冗談は、会話を盛り上げてくれるものです。皆が楽しそうにしているのに、輪に加われないことにつらさを感じている人もいるでしょう。冗談が通じない性格を直したいと思っているときに試したい、改善方法を紹介します。
不要なプライドは捨てる努力をする
冗談を言われるとバカにされていると感じる人は、プライドの高さが邪魔をして何でもネガティブに受け取ってしまう傾向にあります。
相手はプライドを刺激するつもりはなく、ただ楽しい時間を共有したいだけである場合も少なくありません。冗談が通じないと思われることを避けたいのであれば、不要なプライドを捨てる努力をしてみるのも得策です。
たとえつまらない冗談でも、一緒に笑い合うことで仲間意識が高まったり、楽しい人だと思ってもらえたりする可能性があります。
周りの雰囲気を観察する
冗談を笑っていい状況なのか、そうではないのか自分で判断できないときは、周りの雰囲気を観察して合わせるのも一つの方法です。
言われた言葉をそのまま受け取ってしまうのは、真面目な人にありがちです。たわいのない冗談なのに「何が面白いのか分からない」と言ったり、本気にして怒ったりすれば、その場の雰囲気を悪くしてしまいかねません。
その場では思わず真面目に受け取ってしまったものの、よく考えれば笑える話だったと後悔する場合もあります。即座に反応しようとせず、まずは周囲の様子を観察してみるのがおすすめです。
冗談にしてはいけない話題も
面白いからといって、何でもかんでも冗談にしてしまうのは、大人らしい振る舞いとはいえません。自分は冗談のつもりでも、相手を深く傷つけたり信用を損ねたりする原因にもなりかねないものです。
取り返しのつかないことをしてしまう前に、冗談にしてはいけない話題について理解を深めましょう。
性別・セクシャリティについて
性別やセクシャリティに関する冗談は、本人にそのつもりがなくても相手を傷つける場合があります。
「男のくせに」「女なのに」など、性別に関する冗談は避ける方が賢明です。ハラスメントに該当するケースもあるので、職場や公共の場での話題としてふさわしいとはいえません。
また、同性愛やトランスジェンダーなどを冗談のネタにすると、人格を疑われる可能性があります。セクシャリティのあり方は人それぞれであり、無理解や差別などにより傷つけられてしまう人も少なくないのです。
「冗談でした」ではすまされない事態になることも、容易に想定できます。
宗教・政治について
宗教や政治について、人前で軽々しく話すのはトラブルを引き起こしかねません。どちらも個人的な思想に大きく関わる話題であり、ちょっとした冗談が争いの原因になる恐れもあるからです。
宗教や政治の話題は、親しい間柄の人同士や家族であっても避けるほど、慎重になっている人もいます。特定の宗教や政党を支持している人にとっては、たとえ冗談であっても、間違ったことを言われるのは我慢ならないものです。
対立する宗教や政党などを支持している者同士が好き勝手に冗談を言い合えば、関係性が悪くなることは避けられません。
身体的な特徴について
身体的な特徴を、冗談のネタにするのは避けましょう。お笑い番組などでネタにされることが多く、面白い話題だと感じてしまいがちですが、テレビの世界を現実に持ち込むとトラブルの元になりかねません。
身体的な特徴は、当人からするとコンプレックスに感じている場合が多く、屈辱的に感じたり不愉快になったりする恐れもあります。相手が傷つく可能性があることを、冗談として持ち出すのは配慮が足りません。
褒めているつもりでも、自分の顔や体のことを言われたくない人がいるのも事実です。身体的な特徴のことではなく、その人のセンスや行動などに注目するようにしましょう。
▼あわせて読みたい