「バジェット」とは? 意味とその語源
バジェットとは「予算」「低予算の」などの意味を持つ英語のbudgetと、ほとんど同じ意味で使われます。名詞と形容詞で異なる意味を持つバジェットについて解説します。
【名詞】予算や経費という意味
バジェットは名詞と形容詞で異なる使い方をする言葉であり、名詞としては「予算」「経費」などの意味を持ちます。ビジネスシーンでもよく出てくる言葉なので、複数の意味がある点に注意が必要です。
バジェット【budget】
政府などの予算。予算案。また、特定の用途のための経費。
出典:小学館 デジタル大辞泉
バジェットには「運営費」「生活費」などの意味もありますが、予算を指すフレーズとして使われるのが一般的。予算管理や経理などは、どの企業にとっても重要な業務の一つです。文脈に応じて、どのような意味で使われているかを判断します。
【形容詞】低予算のという意味
名詞の前に置かれる形容詞として使う場合、バジェットの意味は「低予算の」「格安の」など。名詞の場合とは異なり、単に予算を表すのではない点に注意が必要です。
他の言葉と組み合わせて「バジェット○○」と使われる場合は、「安価な」という意味合いを含む可能性があります。こうした場合、バジェットは格安という意味で使われることがほとんどといえるでしょう。
バジェットは名詞と形容詞で微妙に意味が異なりますが、ビジネスではどちらの意味でも使われる傾向にあります。誤った意味で解釈しないよう、両方の意味や使い方を押さえるのがポイントです。
「budget」の語源は中世フランス語?
バジェット(budget)は英単語ですが、その語源は中世フランス語からきているという説があります。フランス語では「bougette」と表記され、もともとは「小さな袋」という意味でした。そこから転じて、予算や経費といった意味のバジェットが使われ始めたようです。
「バジェット」の使い方と例文
バジェットはビジネスシーンでもよく耳にする言葉なので、正しい使い方を押さえておくと便利です。具体的な例文とともに、バジェットの使い方を紹介します。
ビジネスシーンでの使い方
ビジネス用語として、バジェットの前後に他の言葉を組み合わせた使い方も珍しくありません。予算が足りないときには「バジェット不足」などと表現したり、予算がどうなるか分からないときに「バジェット次第」と表現したりする場合もあります。基本的には、ビジネスシーンで使うバジェットは、予算という言葉に置き換えても意味が通じることがほとんどといえるでしょう。
ただし、「バジェットホテル」など、格安という意味で使われる場合もあるため注意が必要です。業種によっては専門的な用語が存在しており、使い方が微妙に違う可能性も。
予算についての話し合いなどで使われることが多いため、ビジネスシーンでも気軽に使える言葉です。
「バジェット」を使った例文
業種に関係なく、多くの企業で予算についての会議が行われています。バジェットという言葉は、会社の経営はもちろん、商品やレクリエーションの予算などさまざまな場面で使用可能です。
たとえば「バジェットを考慮して狭い予算内で最高の素材を選び、品質を犠牲にすることなくプロジェクトを完了した」のように使われ、予算の言い換えとして幅広い場面で活用できます。
バジェットは何の予算に対しても使えるため、業務以外でも利用可能です。たとえば「今回の旅行ではバジェットを超えないように計画を立て、安価な宿泊施設や地元の食事を楽しんだ」のように表現できます。
業界別の「バジェット」
ビジネス用語でもあるバジェットは、業界によってさまざまな意味を持っています。いざというときに困らないように、覚えておきたい専門用語を紹介します。
映画業界
独特な意味でバジェットを使う業種としては、映画業界が挙げられます。映画では「ビッグバジェット」という言葉があり、高額な予算をかけたスケールの大きい作品を表すのが特徴です。
一方で、低予算で撮影された映画は「ローバジェット」と表現されます。いわゆるB級映画に対して使われることも多いため、映画好きな人は耳にする機会があるかもしれません。
バジェット自体に低予算という意味合いが含まれる場合もありますが、高予算の映画にも使うのが映画業界用語の特徴です。ハイバジェットではなくビッグバジェットという点がポイントです。
広告業界
広告業界では、クライアントから提示された予算をバジェットと呼びます。広告主が出した大まかな予算をもとに仕事を進めるため、バジェットを把握することは非常に重要です。
他の業界と同様に、予算を指す言葉として使われますが、あくまでクライアントの予算を意味しているのが特徴といえます。ただし、単に概算予算を指す場合もあります。
広告業界では、バジェットが少ないと効果的な宣伝ができない恐れも。計画を立てて広告を制作するにはバジェットの把握が欠かせないため、使い方を正しく覚えておくのがおすすめです。
アパレル業界や旅行業界
アパレルや旅行関係の業界では、「格安」を意味する形容詞のバジェットがよく使われます。お得という意味で、お買い得な商品をバジェットと表現するケースもあります。
旅行業界では、安く旅行を楽しむ方法を紹介するときにバジェットが使われ、格安で宿泊できるホテルを「バジェットホテル」と呼ぶのも一般的です。
アパレル業界や旅行業界では、お得で経済的なものに対してバジェットを使います。顧客に向けて使う場合は、予算ではなく格安という意味合いを持つことがポイントです。
「バジェット」に関連する言葉
バジェットから派生して、別の言葉と組み合わせて使う用語は数多く存在します。バジェットの関連用語と、その使い方を紹介します。
バジェットトラベル
バジェットトラベルは、主に旅行やホテルなどの業界でよく見聞きする言葉です。低予算でも実現できる旅行のことを意味しており、消費者にとってお得なプランとしてすすめられる傾向にあります。
他にも格安なフライト・車などの移動手段を表す「バジェットエアライン」「バジェットレンタカー」など、旅行にまつわる用語はさまざま。安価に旅行を楽しみたい人は、格安の移動手段として「バジェットエアライン」などの言葉を追加して調べてみるのもよいでしょう。
実際に使うときは、「学生向けにバジェットトラベルを提案する」のように言います。旅行が好きな人は、格安を意味するバジェットの関連用語として覚えておくと便利です。
バジェットキャップ
バジェットキャップとは、予算を決める上での上限を意味する言葉です。キャップ(cap)には「帽子」だけでなく「上限」という意味もあり、ビジネスシーンでは主にこちらの意味で使われます。
予算会議などの話し合いを進める中で、前もってバジェットキャップを決めておくのも重要なポイントです。たとえば「当初のバジェットキャップを超えないように留意する」のように使われます。
また、モータースポーツのF1にはバジェットキャップという制度が存在します。あらかじめ決められた予算の上限を下回ったチームを有利にすることで、全体の予算を抑えようという目的で作られたルールです。
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