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オリエンテーションとは
オリエンテーションとは「方向づけ」という意味で、様々な場面で使われる言葉です。一般的に使われるのは、大学や専門学校などの教育機関、ビジネスシーン、医療看護の領域、広告業界など多岐にわたります。
それぞれの領域において使われる「オリエンテーション」は同じ意味で使われているのでしょうか? また、オリエンテーションと似た言葉に、ガイダンスや研修、説明会などがありますが、それぞれについても見ていきます。
オリエンテーションの意味
オリエンテーションは、新しく入った者に対し、新しい環境に早く馴染んでもらうために行われる教育指導です。一般的な内容としては、新しい環境における基本的な理念や方針、ルール、行動規範などの抽象的な理解から、具体的な施設利用の手引き、運用手順、必要な知識の習得なども含みます。
新入者が早く馴染むという観点で、新入者同士のワークショップや交流会イベントなどを実施したり、一例では宿泊型のオリエンテーションを実施したりするケースも。「オリエン」と略して使われることも珍しくありません。
ガイダンスとの違い
ガイダンスとは初歩的な案内、基本操作の説明など、簡単な手引きのことを指します。ガイダンスの中で、「午後からはオリエンテーションを行います」という案内がされることもあるでしょう。説明をするという点ではオリエンテーションと共通していますが、ガイダンスは不慣れで事情のわからないものに対して行う、という意味合いがあります。
研修との違い
研修とは、職務上必要とされる知識や技能を高めるために、ある期間特別に勉強や実習をすることです。たとえばビジネスマナーを習得するために行われる研修では、なぜそれが必要なのか、どうすればできるのか、また、そのやり方を実践でロールプレイングします。
説明会との違い
ある物事やテーマについて、多くの関係者に情報を伝えるために催される会のこと。人数にもよりますが全員に共通する内容であれば、会場に全員を集めて集合型で行います。あるいは組織ごとや学部や専攻、クラスごとなどに異なるのであれば、その単位で集合して行われるでしょう。
オリエンテーションは新しく入った者に対して行うものを指しますが、説明会は対象者を限定していないという違いがあります。
オリエンテーションの目的
オリエンテーションの目的は、新しい組織やクラスでの生活を理解して、マインドや意識を切り替えてもらうことです。いままでの生活とは違う、新しい自分自身を形成していくための最初の一歩、きっかけづくりでもあります。
オリエンテーションの内容
オリエンテーションとは、組織や団体が新しく入った者に対して提供するものです。したがって、その範囲は広く、具体的な内容も領域や個々の組織や団体によっても異なります。
教育機関
大学や専門学校の高等教育において、新入生が学生生活に、一刻も早く馴染めることが目的。入学してから最初の1週間、授業が始まるまでの間に行われることがほとんどです。学校によって内容は異なりますが、履修科目の内容、履修登録の仕方や施設の利用方法、必要書類の受け取りや提出などさまざまな説明がなされます。
中には、オリエンテーション合宿が企画されるケースもあります。オリエンテーションの目的でもう一つ重要なのが、新しい組織での人間関係の構築という目的であり、合宿を通じて、より多くの学生や先輩と交流できるからです。
ビジネスシーン
新入社員に対して、会社や仕事への理解を深めてもらうために行うオリエンテーションもあります。入社後すぐに行われることが多く、内容としては、社会人マインドの基盤作りや、ビジネスマナーといった社会人としての一般的なスキルをつけることが主となります。
社内の組織図や役割説明、制度やルールの説明、会社の歴史などを学び、会社に対するエンゲージメントを高めることなどが目的です。また、ビジネスマナーなど実践で習得する方がよいものに関しては、集合研修で身につけます。
部門への配属後には、配属先にてオリエンテーションが行われるケースも。その中には、具体的な仕事を覚えるまでのOJTなどがあります。
広告業界
ビジネスシーンにおいて、広告業界ではオリエンテーションという言葉を日常的に使っています。広告主が、広告の制作会社に向けて商品やサービスの説明を行うことがオリエンテーションです。広告主は、広告を掲載するにあたっての主旨や要点、予算、スケジュールなどを説明します。
病院などの医療現場
医療の現場で使われるオリエンテーションは、多岐にわたります。看護職員が新たに入職する際に使われる場合は、他と同様に、医療現場での業務に適応してもらうために行われるものです。内容的には、ビジネスシーンのものとあまり変わりはありません。
看護学生が看護実習する際には、病院の理念や行動規範などの情報、病院内におけるルール、病院施設の内容に至るまで、看護実習生へのオリエンテーションがあります。
看護職員が患者に向けて行う、手術前のオリエンテーションでは、術後の順調な回復を目指し、手術を受ける前の患者に対して行われる説明のことです。具体的には健康管理や、必要物品の準備、そして手術を受けるための心構えなどが当たります。
最後に
オリエンテーションという言葉は、方向づけという意味がありますが、方向づけをさせられるのではなく、新入者はオリエンテーションを受けながら、自らの新しい生活を方向づけしていく心構えが必要なのではないでしょうか。受け身ではなく、主体性をもって臨みたいものですね。
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