自分の長所が言えますか?
転職活動の面接などで必ずといっていいほど聞かれるのが、自分の長所です。最近では「強み」という言葉で聞かれることもありますが、自分の長所が何か、言えますか?
「自分の長所がわからず困っている」「短所はわかるけど、長所は思い浮かばない」という人は意外に多いです。また、就活や転職活動で自分の長所探しをしたとしても、それ以外に長所を考えたり、アピールしたりする機会がないということもあるでしょう。
しかし、自分の長所が何かわかると、セルフイメージが変わり、生き方も変わるかもしれません。自分の長所を見つけるヒントは、身近なところにあるもの。ぜひ自分の長所を見つけ、自信を持って言えるようにしてください。
自分の長所がわからない理由
自分の長所をスラスラ言える人はあまりいないかもしれません。自分の長所がわからないのは、考える機会がないこと以外にも理由が考えられます。長所がわからない理由を知ると、発見のヒントがつかめるかもしれません。
ここからは、自分の長所がわからない理由を考えてみましょう。
1:褒められた経験があまりない
人は、自分のことは案外わからないもの。しかし、他人から褒められたり、認められたりした経験があれば、自分の長所がわかりますよね。誰かから褒められることは、自分を知ることでもあります。その経験が少ないと、自分のことがわからず、長所も把握できないでしょう。
2:自分を褒めてはいけないと思い込んでいる
日本には、褒める習慣がないと言われます。日本では「謙虚であること」が好まれますが、謙虚でいようとするあまり、自分の思いや気持ち、意見を押し殺す人も多いかもしれません。
自分の長所がわからないのは、謙虚であることを重視し過ぎて、自分を褒めてはいけないと思い込んでいるからかも。せっかく周りが褒めてくれても、それを否定してしまい、自分の長所を自覚できないのかもしれません。
3:自分に自信が持てずにいる
周りが褒めてくれても、自分に自信が持てなくて、長所だと認められないケースもあります。また、セルフイメージがよくなく、それが自信を持つことの障壁になっている場合も考えられます。
4:長所と言い切ることに不安がある
これは自分の長所かも、と思っていても、それを長所と言い切ることに不安があるケースも。「自分の勘違いかもしれない」「あの人に比べたら大したことはないかも」などと考えてしまい、迷いが生じてしまうのです。
自分の長所の見つけ方を紹介
自分の長所を見つけるには、あまり難しく考えないことが大切です。「長所を見つけないといけない」と思うと、おそらく何も思い浮かばないでしょう。
自分の長所を見つけるには、自分のことを振り返ったり、日常で視点を変えたりするのがポイント。ここからは、自分の長所の見つけ方を紹介します。
1:短所を書き出してみる
「自分の短所を教えてください」と言われたら、たくさんの短所が思い浮かぶ人もいるでしょう。長所がわからなくても、短所ならスラスラ答えられるという人は多いです。まずは、頭に思い浮かんだ短所をすべて書き出してみてください。
長所と短所は、密接に結びついているもの。人は、自分の性格で気になる部分を短所と捉えますが、視点を変えると、それは長所でもあります。以下に、短所を変換すると長所になる例を紹介しますので、参考にしてください。
▷飽きっぽい⇔好奇心旺盛・チャレンジ精神がある・切り替えが早い
すぐに飽きてしまって、違うことに目移りしてしまうという短所を裏返すと、好奇心旺盛でチャレンジ精神があるということになりますよね。また、気持ちの切り替えが早く、気分転換も上手なのでは? 「新しいことにチャレンジできない」「興味のあることがない」という悩みを持つ人からすると、素晴らしい長所でしょう。
▷心配性⇔慎重・観察力がある・計画的・事前準備力がある
心配性で失敗が怖い人は、それだけ慎重ということ。失敗を恐れるからこそ、じっくりと計画を練ったり、観察して状況を見極めたりすることができ、失敗も少ないはずです。また、心配性の人は、入念に準備をすることが多いため、「事前準備力がある」ともいえます。
▷すぐ傷ついてしまう⇔他人の気持ちがわかる・他人に寄り添える・共感力がある
すぐ傷ついて落ち込んでしまうことを気にする人は多いです。しかし、傷つきやすい分、他人の気持ちがわかるのではないでしょうか? 他人の気持ちがわかると、寄り添うことができますから、これも素晴らしい長所です。また、傷つきやすい人は、共感力が高く、他人を心から思いやることができるともいえます。
自分の短所は、実は大切な長所になりうる部分。つまり、短所があるなら、必ず長所もあるということです。
2:これまでの経験を洗い出す
これまでの経験を洗い出すのも、長所を見つけるのに有効です。心に残っていることや、印象的だったことを洗い出して行きましょう。自分の経験を振り返りながら、長所と思える部分がないか、探ってみてください。また、他人から褒められたり、認められたりした経験がないかも考えます。
3:周りの人を観察し、自分に置き換える
自分の周りにいる人を観察することも、自分の長所を見つけることにつながります。自分と似ていると思う人や、印象がよい人を見つけ、どうしてそう思うのか、その人のどこがいいと思うのかを考えてください。人は、相手の中に自分を見ると言われます。相手の長所は、もしかしたら自分の長所かもしれません。
自分の長所を知ると、自己理解が進みます。特に、「短所=長所」を実感できれば、物事の捉え方が変わるでしょう。また、自分の長所を知るためには、自分を冷静に見ることが必要です。
つまり、自分の長所を見つけるプロセスは、さまざまな発見や気づきを与えてくれるということ。ぜひ自分に合った方法で長所を見つけ、自分に対する理解を深めてください。
最後に
自分の長所がわからない場合、短所を洗い出すと見つかりやすくなります。実は、短所は長所の裏返し。自分が気になる部分を短所と捉えているだけで、他人から見ると立派な長所であるケースがほとんどです。自分の長所を見つけるということは、自分に対する理解を深めるということ。自分を冷静に見ながら、自分の持つセルフイメージが正しいかどうかを考え、自己理解を深めていきましょう。いろいろ試し、自分に合う方法で、自分の長所を見つけてくださいね。
益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
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