【年賀状】取引先の会社に出す?
取引先の会社に年賀状を出す場合、どのような書き方をすればよいか悩むことはありませんか? 添え書きをどうするか、押さえるべきマナーには何があるかを把握し、失礼のないようにしたいもの。そのためにも、年賀状の基本的なルールや注意点などを再確認していきましょう。
年賀状を書く目的
SNSやチャット、メールなどが普及し、普段のコミュニケーションはオンラインで行うということが増えました。しかし、ビジネスの場において、年賀状のやりとりは重要という見方もあります。取引先やお客様と自社をつなげる大切な機会であることに変わりはありません。
取引先の会社に年賀状を出すということは、日頃お世話になっていることに対する感謝の気持ちを届けることでもあります。心のこもったメッセージを年賀ハガキに添え、感謝していることを相手に伝えたいですね。
【年賀状】基本のマナーについて
ここからは、年賀状のマナーについて紹介します。特に宛名の書き方に注意してください。
元旦到着が望ましい
年賀状は新年最初のご挨拶となるもの。可能な限り、元旦(1月1日)に届くように投函するのが基本です。それが難しい場合は、先方の会社の仕事始めまでに届くようにします。それ以降の到着になると、無礼と取られることもあるため注意してください。
なお、12月25日の集荷時間内の投函であれば、元旦に配達してくれます。早めに取りかかり、元旦に間に合うよう投函しましょう。
宛名の書き方
会社などの法人に送る場合、(株)のように省略するのではなく、きちんと「株式会社」と表記します。「株式会社」がつく位置も間違いのないようにしてください。
また、敬称は、年賀状を誰宛にするかで変わります。会社や組織そのものに送るなら「御中」、会社や部署全員に送る場合は「御一同様」、担当者など個人宛は「様」を使ってください。
住所は、都道府県からきちんと書きます。住所の数字は、縦書きの場合は漢数字、横書きであれば算用数字を用いるとよいでしょう。
《宛名の書き方例》
株式会社□□□
△△部
部長 ○○○様
なお、個人の自宅に年賀状を送る場合は、会社名や役職名は書かないようにするのが一般的。教師や医師、弁護士のような特定の職業の人は「先生」を用いてもよいとされています。
賀詞はどれを選ぶ?
お祝いの気持ちを表す賀詞(がし)は、年賀状の冒頭に記す言葉として知られています。送る相手や状況により、賀詞を使い分けるのがマナーとされていますので、適したものを使うようにしてください。
取引先の会社に出す年賀状の場合、次のような4文字の賀詞が適しています。
・謹賀新年
・恭賀新年
・慶賀光春
・新春来福
・笑門来福
個人の年賀状で使う「賀正」や「迎春」「寿」などは、簡略化した表現であり、目上の人や取引先の会社に対して使うのは不適切とされています。
修正は不可と考え、書き直しを
年賀状を書き損じた場合、修正ペンなどで修正するのはNG。新しく書き直したものを送るのがマナーです。また、誤字脱字は失礼にあたりますから、投函前にしっかりと見直しをしてください。
【年賀状】注意したいポイントを紹介
ここからは、取引先の会社に年賀状を送る際、注意したいポイントを紹介します。
忌み言葉は避ける
不吉な意味の事柄を連想させる「忌み言葉」は、年賀状では使いません。具体的には、「死」「絶」「失」「別」などを指しますが、「去」も忌み言葉とされています。そのため、「去年」ではなく、「旧年」や「昨年」を使うようにしてください。
また、プロジェクトに関することなど、社外に出してはいけない情報について触れるのもNG。うっかり書いてしまったということがないよう、注意してください。
句読点は使わない
年賀状には句読点を用いないとされています。句読点は「終わり」「区切り」を表すため、年賀状にはふさわしくない、毛筆文化では句読点を使わなかったなど、さまざまな理由があるようですが、句読点は使わないのが一般的。基本的には避ける方がよいでしょう。
意味を重複させない
「新年あけましておめでとうございます」という挨拶がありますが、これは実は誤った使い方だとされています。「新年」に「年が明ける」という意味があるため、重複することになるからです。このような表現を「重複表現」といいますが、年賀状に使うのは避けます。この場合は「新年おめでとうございます」にするとよいでしょう。
また、挨拶と同じ意味のことを一言メッセージに書くことや、「一月一日 元旦」のように書くのも誤りです。元旦は「一月一日の朝」を表しますから、注意してください。
【年賀状】取引先の会社向け文例
取引先の会社向け文例を紹介します。年賀状の参考にしてください。
【年賀状】文例1
謹賀新年
旧年中は格別のご用命を賜り心より御礼申し上げます
貴社の益々のご繁栄をお祈り申し上げますとともに
本年もなお一層のお引き立てを賜りますよう 何卒よろしくお願い申し上げます
令和○年 元旦
【年賀状】文例2
恭賀新年
旧年中は格別のご高配にあずかり誠にありがとうございました
皆様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます
本年も社員一同 貴社のお役に立てるよう努力する所存でございます
令和○年 元旦
【年賀状】添え書きの文例
取引先の会社に送る年賀状は、印刷したものを使うことがほとんどでしょう。もし可能であれば、添え書きするのがおすすめ。添え書きは、賀詞や挨拶文とは別に、相手に向けたメッセージを書き添えます。
《添え書き例》
・昨年はご一緒させていただく機会があり光栄でした
本年もよろしくお願いいたします
・このご縁を大切にしたいと考えております
今後も何卒よろしくお願いいたします
デジタル化が進む社会だからこそ、年賀状に手書きの一文があると、印象に残るのではないでしょうか。多忙な年末に年賀状を書くのは大変ですが、心を込めたことが伝わる一通を届けたいですね。
最後に
取引先の会社に送る年賀状について紹介しました。丁寧に年賀状を作成しても、マナーに反していると相手の気分を損ねたり、社員教育がなっていない会社と思われたりするかもしれません。取引先の会社に送る年賀状は十分に気を配り、可能であればダブルチェックをして送るようにしてください。
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