憂鬱を感じるのは何曜日?
1週間の中で、仕事に対して前向きになれない曜日があるといわれています。気分が沈みやすいのは何曜日が多いのでしょうか。
憂鬱なのは、やっぱり月曜日
江崎グリコ株式会社が全国の20代から50代の男女(働く人および家事専業者)に対して行った「憂鬱な曜日調査」によると、もっとも多くの人が憂鬱度の高い曜日として挙げたのは「月曜日」であることがわかりました。働く男性は77.5%、働く女性は86.5%の人がそのように回答しています。
その理由として、やはり仕事絡みのものが多いことから、仕事が始まる月曜日の憂鬱度が高くなる傾向にあるようです。このことから、仕事や会社のことがいかに人の心や気持ちに大きな影響を与えているかが垣間見えます。
出典:江崎グリコ株式会社 20代~50代の働く男女と専業主婦1200人に聞く「憂鬱な曜日調査」
仕事が憂鬱、その原因は
仕事に対して後ろ向きに感じる原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
仕事自体が合わない、もしくは苦手
今の仕事が自分に合っていない、もしくは苦手だと、気持ちが後ろ向きに。ひとりでコツコツ作業をするのが好きなのに、人と対応する機会が多い営業職や販売職をしている、ルーチンワークが苦手なのにそれを求められるというようなことが続くと、ストレスが溜まってしまうでしょう。
会社にいる時間の大半を、合っていないことや苦手なことに費やすわけですから、気が重くなるのも頷けます。
職場の人間関係
多くの時間を一緒に過ごすことになる職場の人間関係が良好でないと辛いもの。上司との相性がよくない、先輩や後輩と合わない、同期になじめないなどが及ぼす影響は、意外と大きいのです。相手のことを苦手だ、好きじゃないと感じていても、仕事上は関わり続けないといけないケースがほとんどですから、後ろ向きになりやすいでしょう。
特にハラスメント行為(パワハラやセクハラなど)が横行している職場だと、出勤すること自体に強いストレスを感じるかもしれません。
多過ぎる仕事量
たとえ好きな仕事であっても、仕事量が多過ぎると憂鬱を感じやすくなるでしょう。特に、残業や休日出勤が続き、しっかりと休めていない状態が続いてしまうのは要注意。気分が沈むだけでなく、心身の不調を招く要因になりがちです。
通勤が大変
満員電車や満員バスに毎日乗らないといけない、電車やバスを何本も乗り継がないといけない、通勤にかかる時間が多過ぎるなど、通勤にかかるストレスや疲労も憂鬱度を上げる要素のひとつです。また、通勤のために毎日早起きをしないといけないのも、気が重いポイントに。
仕事が憂鬱だと思うのは悪いこと?
仕事が憂鬱だと思う要因はさまざまですが、これは誰もが感じ得ることで、悪いことではありません。罪悪感を抱き、自分を責めることはやめましょう。自分を責めると辛さが増し、憂鬱度がさらに上がる可能性が高いからです。
仕事に対して後ろ向きに感じたら、まずは自問自答してみましょう。何が辛いと感じているかを知ることで、状況が改善することも珍しくありません。
仕事が憂鬱な場合の対策とは
仕事が憂鬱に感じたら、まずは手軽にできる対策を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
楽しいと思える時間を持つ
手軽に取り入れられる対策として挙げられるのが「楽しいと思える時間を持つ」ことです。特に好きなことをするのは、気分を楽しくさせてくれるもの。
好きなスイーツを食べる、好きな食べ物を食べる、好きな映画やテレビ番組、動画を見る、好きな音楽を聴くなどは、沈みがちな時間を乗り切る対策として取り入れる人が多いようです。また、ゆっくりお風呂に入る、友達や家族と会って話すなども、気分転換になるでしょう。
生活習慣を見直し工夫する
生活習慣の見直しもおすすめです。たとえば、早起きを取り入れると、満員電車を避けることができますから、憂鬱をひとつ減らすことにつながります。また、早めにオフィスに入り、好きな飲み物を飲みながらゆったりと過ごす、会社近くのカフェで朝食をゆっくりと楽しむなどは、気分転換にもなりリフレッシュできるかもしれません。
最寄り駅よりひとつ手前の駅で降車し、そこから徒歩で出社もしくは帰宅するのもよいでしょう。運動になりますし、それまで目に入らなかったお店やスポットを発見できたりすると、新鮮な気持ちになれるでしょう。
その他、お風呂にゆっくり入り一日の終わりにリラックスする、簡単なストレッチや筋トレを取り入れて身体を動かす、あえて何もせずにぼんやりと過ごす時間を持つ、日記を書くなどもおすすめ。継続がストレスにならないよう、無理のない範囲で見直してみましょう。
仕事に対する考え方を見直す
仕事に対する考え方を見直すことで、気の重さの軽減につながることも。必ず結果を出さなければならないと思い込み過ぎると、知らず知らずのうちに自分を追い込んでしまいがち。結果ばかりに意識を集中させると、問題点ばかり目につくことになり、強いストレスを感じることにつながりがちです。
そのようなときは、問題点だけではなく、「できていること」「うまくいっていること」にも目を向けてみましょう。そうすることで気持ちの負担が軽減し、モチベーションが上がることもあります。また現状を冷静に把握することで、打開策が見つかることも少なくありません。
困ったときは相談を
いろいろな対策をしても仕事に対して前向きになれないという場合は、他者に相談してみましょう。誰かに気持ちを聞いてもらうことで、気分の沈み具合が下がることもあります。また、話すことで解決策や改善策が見つかったというケースも多々。まずは信頼できる友人や家族、同僚、仲間などに気持ちを打ち明けてみてください。
それでも辛い気持ちが続く時や、身近な人に話すのは抵抗がある場合は、専門家に頼るのもひとつです。職場の産業医やカウンセラー、医師、保健所、自治体の相談所など、相談できるところはたくさんありますから、ぜひ利用しましょう。
一番してはいけないのは、自分を責めて我慢し続けることです。ひとりで抱え込んでも辛さが増すだけですから、絶対に避けましょう。仕事を憂鬱に感じるのは、おかしなことでも、悪いことでもありません。遠慮なく他者や専門家を頼り、少しでも気持ちを楽にしましょう。
参考:厚生労働省 メンタルヘルスへのとびら ストレスをためない暮らし方|セルフケアでこころを元気に
最後に
憂鬱に感じる曜日は「月曜日」と答えた人が多いことから、仕事が人の気持ちに与える影響がいかに大きいかがうかがえます。仕事が憂鬱な時は、まずは手軽にできる対策を取り入れることからはじめてみましょう。それでも辛い時は、我慢せず他者や専門家に相談を。大切な自分の人生ですから、ひとりで抱え込まず、納得のいく働き方を見つけましょう。
益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
あわせて読みたい