業務効率化とは
業務効率化とは、各業務のプロセスや手順を見直し、業務上の無理や無駄を見つけて改善していくことを指します。業務効率化は個人レベルから部署や企業全体でプロジェクトとして取り組むものまでありますが、今回は個人の業務効率化について見ていきましょう。
業務効率化って必要?
定時退社したいのにできない、休日出勤をしなければならないのがストレスということはありませんか? 業務量が多くて、会社に行くのが億劫という人もいるかもしれません。そういう時こそ、業務効率化に目を向けてみましょう。
業務効率化は、個人でも取り組めることがたくさんあります。会社は個人の集まりですから、従業員一人ひとりが業務効率化に取り組むことで、部署や企業全体の生産性も上げることができるかもしれません。
何より、業務効率化を進めると余剰時間ができます。そうすると、残業や休日出勤が減るのはもちろん、業務遂行もスムーズになるはずです。
まずはルーティンワークを見直そう
業務効率化で何から手をつけてよいかわからないという人もいるかもしれません。その場合は、ルーティンワークの見直しからはじめましょう。
習慣化しているルーティンワークは、あまり考えることなくできることが多いでしょう。しかし、意外と非効率なやり方をしているケースも。
前任者から教わった手順が最適かどうか、もっと改善できることはないかという意識を持ち、見直しを進めましょう。小さなフローの見直しだと思っていても、それが意外と大きな変化をもたらすことがあります。
業務効率化をスムーズにするポイントは
業務効率化を進めるのなら、スムーズに行いたいところ。ここからは業務効率化のポイントを解説します。
業務効率化その1:見える化(可視化)する
まず取り組みたいのが、業務の見える化(可視化)です。自分の業務をすべて洗い出してみましょう。業務遂行のためにしているすべての作業やルーティンワーク、雑用、スキルアップのためにしていることなども含め、可能な限り細分化して書き出します。
その際、業務プロセスに沿い体系的に書き出すようにしましょう。そうすることで、業務ごとの関連性も可視化され、効率化のポイントが見つけやすくなります。
業務効率化その2:課題の発見
業務を可視化したら、各業務にかかる時間や労力などを書き出していきましょう。なぜその業務に時間がかかるのか、どれくらいの負担があるのかを言語化することで、課題が見えやすくなります。
また、優先度の高さや他の業務と重複していないかも、考えてみましょう。特にルーティンワークは、それが本当に必要な業務なのかどうか、違うやり方や手順に置き換えることはできないかも含めて考えてみるのが大切です。
業務効率化その3:目的の明確化
いずれの業務にも、必ずそれをする「目的」があるはずです。各業務の目的を言語化していきましょう。
たとえば、資料作成の業務。社内での周知用なのか、お客様に提示するものなのかで、作成方法は変わります。ニーズに沿った内容にするためにも、目的を明確にしたうえで可視化するのが有効です。
また、ルーティンワークに対しても、どのような目的で目的で遂行しているのか、今一度考えてみましょう。もし、目的が不明瞭と感じる業務があれば、それは既に必要性がなくなっている業務かもしれません。その場合は、上司や先輩に相談し、業務自体の見直しを図りましょう。
業務効率化その4:優先順位の決定
目的が明確になったら、優先順位も明確にします。期限のあるものや緊急度の高いものと、それ以外の業務を分けて可視化することで、今すぐするべき業務が明確に。期日や期限のあるものは、修正や見直し期間を含めてスケジュールを考えるようにしてください。
修正や見直しをしっかり行うことで、業務の精度が上がり、ミスを減らすことにもつながり、結果として効率化が促進します。
業務効率化その5:終わりを決める
期日や期限がない業務の「終わり」を決めましょう。これは自分自身がわかっていればよいので、公表する必要はありません。「この業務はいつでもいいといわれているけれど、この日までにしよう」「この業務は毎週火曜日の午前中に終わらせよう」という具合に決めると、集中力を上げることにつながります。
また、「終わり」を決めて取り組むことで、時間管理や時間配分のスキルが自然と身につきます。やり残しや失念を防ぐことにもつながるため、ぜひ「終わり」を決めて取り組みましょう。
業務効率化その6:周りを巻き込む
業務効率化に周りを巻き込んでみましょう。新しいアイデアや新しい視点を得ることにつながるかもしれません。また、効率化のノウハウを共有することで、情報交換が活発になり、相乗効果で思ってもいない成果が得られることも。周りとの距離感も縮まり、仕事がしやすくなることもあるので、おすすめです。
業務効率化の注意点
業務効率化にあたり、注意したいことを解説します。
削減しすぎに注意
効率化ばかりに意識を向けてしまい、必要なことまで削減してしまったということがしばしば起こります。本当に削減をしてよいかどうか、シミュレーションを繰り返してから決めるようにしましょう。また、削減して生じるデメリットは何か、その点にも意識を向けるようにしてください。
使いこなせるかどうかをチェック
業務効率化で取り入れやすいのがツール。フリーで使えるものもあるので気軽に導入したけれど、結局使いこなせなかったということも。そうなると、ツールの導入や操作を把握するのにかかった時間が無駄になってしまいます。
また、自分は使えたとしても、他の人が使えないと意味がありません。特に引き継ぎがある業務だと、かえって手間がかかることに。その点も十分に配慮し、効率化に取り組みましょう。
しっかりと情報共有を
個人の業務効率化であっても、他のスタッフも関連することであれば、情報を共有しましょう。特に受け継がれている業務については、勝手に効率化を進めるのは避けた方がベター。手順を変えるとやりにくさを感じる人もいるかもしれないため、きちんと周りに相談し、了解を得たうえで効率化を進めるようにしましょう。
最後に
業務効率化は個人でも取り組むことができます。まずはルーティンワークの見直しと、業務の可視化に取り組んでみましょう。個人の業務効率化であっても、一緒に働く他のスタッフとはしっかりと連携を取るようにしてください。業務効率化を進めて余剰時間を生み出し、自分の理想とするワークライフバランスに近づけていきましょう。
益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
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