感謝の言葉がもたらす効果は?
「ありがとう」と、感謝の気持ちを伝えられると、多くの人は嬉しい気持ちになるもの。しかし感謝の気持ちを持ったり、伝えた人にとってもよい影響があるようです。感謝の言葉が、自分と周囲の人にもたらす効果をみていきましょう。
人間関係がよくなる
好意的な気持ちを持っていることを示すと、相手は心を開きやすくなり、その人と円滑な人間関係を築けるでしょう。また、感謝の言葉が頻繁に飛び交う職場や学校、家庭は明るい雰囲気に包まれ、お互いが気持ちよく過ごすことができます。「ありがとう」、「こちらこそ、ありがとう」など、感謝の連鎖が生まれるのです。
周囲からのサポートを受けられる
感謝の気持ちを示されると、「自分は認められている」という気持ちになります。そうすると、もし相手が困っているときには、進んで「助けたい」と思うようです。1人では困難な仕事などでも、周囲が助けてくれ、大きな成功につながることもあるでしょう。
小さな幸せに気づくことができる
感謝の気持ちを持つと、人はポジティブな気持ちになります。そして日常のささいな出来事にも、喜びや幸せを見出せるようになるのです。
自分に自信が持てる
日々を前向きに過ごすことで、表情は明るくなり、人間関係も良好に。感謝できることが増えると、自分を肯定的にとらえることができます。そうすると周囲とのコミュニケーションや仕事など、自信を持って取り組めるようになるでしょう。
心身とも健やかに
感謝の気持ちを持ったり、言葉にすると、「オキシトシン」というホルモンが分泌されるという研究結果もあるのだとか。この「オキシトシン」は「幸せホルモン」ともいわれ、自律神経を整えたり、ストレスの緩和や、免疫力を高める効果があるとされています。感謝の気持ちを持つと心が温まるだけでなく、身体にも良い影響があるようです。
感謝を表したいときに使える言葉
感謝を表す言葉は数多くあります。様々な表現を知っておくと、より細やかな気持ちを込めて伝えることができるでしょう。ビジネスシーンや日常会話で使うことができる表現を紹介していきます。
1:「お礼申し上げます」
「お礼」は、感謝を表します。「申し上げます」は、「言う」の謙譲語。「お礼申し上げます」は、目上の人に対して感謝の気持ちを述べる際に用いる言い回しです。「心よりお礼申し上げます」「衷心よりお礼申し上げます」というと、より感謝の気持ちを表現することができます。
(例)これまでお世話になったすべての方に、心よりお礼申し上げます。
2:「ありがたい限りです」
「限り」には「上限」や「めいっぱい」という意味があり、ありがたい気持ちを強調したいときに用いる表現です。また「感謝の限りです」などということもできます。
(例)◯◯さんには、いつも気にかけていただき、ありがたい限りです。
3:「感謝の気持ちでいっぱいです」
「感謝の気持ちで心が満たされている」という気持ちを表します。丁寧でありながら、かしこまりすぎない言い回しのため、日常会話でも重宝する表現でしょう。
(例)いつも丁寧にご指導いただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
4:「お礼の言葉もありません」
「言葉では言い表せないほど感謝している」ことを伝える言葉です。「お礼の言葉もございません」というと、より丁寧な表現になります。
(例)ご迷惑をおかけしたにもかかわらず、温かいお言葉をかけていただき、お礼の言葉もありません。
5:「恐悦至極に存じます」
「恐悦至極に存じます」は、フォーマルな場面で感謝を伝える言い回しです。「恐悦」は、恐縮しながら喜ぶこと、「至極」はこの上ないことをいいます。「恐悦至極に存じます」は、目上の人によってもたらされた喜びに対して、感謝の気持ちを述べる際に用いる表現です。
(例)身に余るお褒めの言葉を賜り、恐悦至極に存じます。
感謝にまつわる名言
偉人や成功者たちの感謝にまつわる名言を紹介していきます。
感謝は高潔な魂の証である。(イソップ)
感謝の心が高まれば高まるほど、それに正比例して幸福感が高まっていく。(松下幸之助)
私は、自分の障害を神に感謝しています。私が自分を見出し、生涯の仕事、そして神を見つけることができたのも、この障害を通してだったからです。(ヘレン・ケラー)
この日光、この雲のない青空があり、生きてこれを眺めることのできる限り、私は不幸ではない。(アンネ・フランク)
「よくできたね」と褒めるのではなく、「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝えるのだ。(アルフレッド・アドラー)
日々感謝の気持ちを持つには?
周囲に人にとっても、自分にとってもポジティブに影響する感謝の気持ちは、日々持ち続けたいものです。どうすれば「幸せ」や「ありがたい」と感じることを見つけ、それに感謝できるのでしょうか。
何事も当たり前だと思わない
まず、目の前にある環境に目を向けてください。そばにいてくれる家族や、友人、同僚がいること、住む家があること、働ける場所があることなど。当たり前なことなど1つもありません。そのことに気づくと、生活の中で周囲の人や環境に感謝することが増えていくでしょう。
その日のありがたかったことをメモする
どんな小さなことでもいいので、その日に起こった、ありがたい出来事を手帳などに書き留めておくのがおすすめです。そうすることで、ポジティブな出来事に注目することができ、感謝の気持ちが芽生えやすくなるでしょう。
「ありがとう」と言葉に発する
どうしても物事をポジティブに捉えられないこともあるかもしれません。そんなときは、ひとまず「ありがとう」といってみるのも手。繰り返し言葉にすることで、感謝することに意識が向くいてくるようです。
最後に
感謝の言葉は他人も自分も幸せにします。そんな言葉は、積極的に伝えたいもの。「ありがとう」の他にも、感謝を伝える言葉を多く知っておくと、ビジネスシーンや日常生活など、場面ごとで相応しい表現を選ぶことができるでしょう。
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