「慎重な性格=弱み」だと思っていませんか?
「あなたは慎重な性格だね」と言われ、戸惑ったという経験はありませんか? 慎重な性格という表現に、プラスのイメージがない人もいるかもしれませんが、実は、慎重な性格は大きな強みでもあります。
社会や組織は、慎重な性格の人がいるからこそ成り立っているともいえます。慎重な人とはどのような人を指すのか、見ていきましょう。
「慎重」の意味を辞書でチェック
▷しん-ちょう【慎重】
注意深くて、軽々しく行動しないこと。また、そのさま。「—を期する」「万事に—な人」「—に検討を重ねる」
(出典:小学館 デジタル大辞泉)
慎重な性格の人だと、よく考えて行動に移すことがほとんどです。衝動的に何かをする、突発的に行動を起こすということは稀といえるでしょう。
慎重な性格の人って、どんな人?
慎重な性格の人とはどんな人か、もう少し掘り下げて見ていきましょう。
失敗が少ない、繰り返さない
前述したように、注意深いという特徴を持つ慎重な人ですが、それはシーンが変わっても同じ。注意深く観察し、熟慮して行動に移すことがほとんどです。
そのため、人よりも失敗は少なめ。加えて、一度失敗したら十分に反省して振り返りをするため、同じことを繰り返さない傾向もあります。
計画を立てて実行できる
慎重な性格の人は、突発的に行動を起こすということはほとんどないでしょう。行動を起こす際は、入念に準備をしてからになります。そのため、計画を立ててから実行するというのが得意。計画も、しっかりとリサーチされ、熟慮を重ねた内容であることが多いでしょう。
よく考えて分析好きだが、考え過ぎることも
慎重な性格の人は、考えることに割く時間が多め。起こった出来事からさまざまなことを考え、分析するということを自然にできることが多いでしょう。
反面、考え過ぎてしまうという特徴も。軽率に行動しない分、臨機応変に対応することを苦手とする人も多いかもしれません。
冷静である
常に冷静に見えるというのも、特徴の一つでしょう。慎重な人は、失敗を恐れる傾向が強く、自分を必要以上に大きく見せることをしません。また、強く自己主張する、話を盛る、感情的に表現するということも、ほとんどないでしょう。そのため、周りに「冷静な人」という印象を与えることが多いです。
選択や決断に時間がかかる
慎重な性格の人は、即断即決をすることが苦手な一面も。何かを選択する、決断するという場面では、生じる可能性のあるリスクは何か、それを回避するにはどうすればよいか、メリットやデメリットなどを意識し、時間をかけて判断することが多いでしょう。
これは大きな強みですが、緊急時や臨機応変が求められるシーンでは、マイナスに働いてしまうということもあります。
リスク回避を優先しがち
何かを考える際、リスクやリスク回避に意識を向けがちというのも、慎重な性格の人の特徴といえます。基本的に失敗を恐れているため、リスク回避には力を入れるという人もいるでしょう。
しかし、リスク回避だけに気を取られ、得られるはずの利益を逃してしまうということも。慎重な性格の人は、リスク回避を優先しがちであると自覚し、他者の意見も取り入れることを意識するとよいかもしれません。
周りに気を使い過ぎて、自分を否定しがち
慎重な性格の人は、周りに気を使い過ぎるということがあります。高い観察力を持つ人が多いので、常に周りの様子に意識が向き、小さな変化も見逃しません。
一方、周りに気を使い過ぎて、疲れてしまうということも…。また、自責の傾向があり、自分のことを認めず否定しがちなタイプの人もいます。
慎重な性格の人、得意なことは
慎重な性格の人が得意とすることには何があるでしょうか?
失敗が起こらない仕組みをつくる
繰り返しになりますが、慎重な性格の人は、失敗を恐れる傾向にあります。そのため、失敗が起こらない仕組みをつくり出すのが得意。業務フローの見直しや、チェック体制の確立などは、慎重な性格の人がいるとスムーズに進むことが多いでしょう。
マニュアルをつくる
慎重な人は、考えて分析するということを身につけているため、表現も論理的であることが多いです。マニュアルは、論理的に述べられていないと、読んだ人に理解してもらえないため、慎重な性格の人には向いている可能性があります。
丁寧に対応できる
丁寧に対応することができるのも、強みといえます。相手を喜ばせたいという気持ちと、失敗したくないという気持ちが強いため、人一倍丁寧に対応する意識が高いでしょう。
また、自分本位で物事を考えるケースが少なく、基本的には相手を優先できるというのも、対応が丁寧になる理由かもしれません。
人から信頼されやすい
人から信頼されやすいというのは、慎重な性格の人によく見られる強みです。注意深く常に冷静、同じ失敗をしない、丁寧に対応できるという強みがあるからこそ、人を安心させることができるのでしょう。
しかし、本人は無自覚で、周りから「人から信頼されやすいよね」と言われて初めて気づくということも。慎重な性格の人は、自分の強みや長所に気づきにくいのかもしれません。
「慎重な性格=大きな強み」であることを知ろう
慎重な性格には、さまざまな強みがあります。同時に弱みもあるわけですが、それはどの性格も同じ。慎重だから計画性があり、決断が遅くなる。それを考えると、強みと弱みは紙一重であり、つながっているといえます。
つい自分の弱みや短所にばかり目を向けがちかもしれませんが、弱みがない人はいません。探せば何かしらの弱みが見つかるのは当たり前のことですが、そうは思えず、悩んでしまう人もいるでしょう。
弱みを見つけることができたなら、同じ数だけ強みがあります。自分の持つ強みも自覚することができれば、自己表現や自分を生かすことがもっと楽しくなるはず。そしてそこに、自分らしさを見出すことができるのではないでしょうか?
弱みを隠すのではなく、磨いて強みに変えること。それを意識すると、セルフイメージは大きく変わるはずです。
おわりに
慎重な性格の人にはさまざまな強みがあります。物事の計画や見直し、丁寧な対応ができるのは、慎重な性格の人ならではといえるでしょう。慎重な性格と言われると、ネガティブに捉えてしまうかもしれませんが、実は大きな強みとつながっています。弱みの数だけ、強みがあるということを意識し、自分らしく生きていきたいですね。
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